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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

アラゴンの鐘(Campana de Aragon, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1596-03年

種類:歴史劇

補足:一度は修道士となったものの、兄たちの死によってアラゴン国王に即位したラミーロ2世が、貴族たちの反抗にあい残酷な粛清を行ったという12世紀の故事(「ウエスカの鐘」)にもとづく。男装の女性と、その女性に恋する女性が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  アラゴン国王ペドロ1世は、弟のアルフォンソとともにウエスカでモーロ人の軍勢と戦う。ペドロは勝利し、ウエスカを征服する。戦場で活躍したドン・フォルトゥニオに報奨が与えられる。

 

 ペドロのもうひとりの弟ラミーロは修道士である。彼はサン・ポンセの修道院で、恩師レオナルドから謙遜と従順の精神を教えられている。

 

 ラミーロは、兄弟たちのために神に祈る。すると彼の夢の中にひとりの女性(アラゴン王国の象徴)が現れ、ラミーロがいずれアラゴン国王になるであろうと告げる。目覚めたラミーロがレオナルドにそのことを話すと、レオナルドは「夢を軽く見てはいけない」と忠告する。

 

 ペドロの叔父にあたるカスティーリャ伯フェルナンドには、エルビラという庶子がいた。彼女の養育にあたっているのはフォルトゥニオである。しかしフェルナンドはペドロの祖父ラミーロ1世を殺した人物であるため、ペドロは彼の血を引く者を憎み、エルビラの存在を知って彼女を殺そうとした。フォルトゥニオはエルビラの身を案じて彼女をハカの山中に隠した。フォルトゥニオの実の息子フアンが死んだ後、フォルトゥニオはそのことを秘密にしてエルビラを男装させ、フアンと名乗らせる。

 

 ウエスカの戦いから帰還したフォルトゥニオは、誠実な若い騎士ヌーニョにエルビラのことをすべて打ち明け、彼女をヌーニョの従者にしてほしいと頼む。ヌーニョはそれを承知する。フォルトゥニオは、ヌーニョがエルビラの秘密を知っているということはエルビラに教えないでほしいと頼む。

 

 ヌーニョはフアン(エルビラ)をつれて王宮へ向かう。二人は互いに恋心を抱くようになるが、どちらも相手にそれを打ち明けるわけにはいかず悩む。

 

 国王ペドロはモーロ人との戦いで死ぬ。王弟アルフォンソはペドロに代わってサラゴサを攻める。ヌーニョとフアン(エルビラ)も戦闘に参加する。ヌーニョが華々しく活躍し、モーロ人の王はトレドへと逃亡する。

 

 キリスト教徒たちは、戦利品を求めてサラゴサ市内を荒らす。フアン(エルビラ)はアルミンダという女性の所持品を強奪しようとする。アルミンダはモーロ人の王の姪であるが、フアン(エルビラ)にひとめ惚れをする。

 

 ヌーニョは戦闘の中でフアン(エルビラ)を見失い、彼女の身を案じる。アルミンダと一緒にいるフアン(エルビラ)を発見したヌーニョは、思わず彼女に駆け寄って抱きしめてしまう。

 

 サラゴサを征服したアルフォンソは、国王に即位する。弟のラミーロはその儀式に出席する。ラミーロはアルフォンソに、聖なる場所を荒らしてはいけないと忠告し、アルフォンソはそれを受け入れる。しかし彼は再びモーロ人と戦うため、フラガに向けて出発する。

 

 ヌーニョは、フアン(エルビラ)が自分をどう思っているか確かめるために、わざとアルミンダを口説く。ヌーニョは、フアン(エルビラ)が女性であることを自ら打ち明けてくれることを期待するが、彼の意に反し、嫉妬したフアン(エルビラ)は二人を置いてフラガへ去る。ヌーニョとアルミンダも彼女を追う。

 

 アルフォンソはフラガを攻めようとする。しかし聖所を荒らしてはならないというラミーロの忠告を無視した彼の行いは神の怒りを買い、彼は冥府へ落とされる。恐れた貴族たちはウエスカへ戻る。

 

 フアン(エルビラ)はモーロ人たちに捕まり、アルミンダの奴隷となる。

 

 貴族たちは、ラミーロを次の国王に推す。ラミーロはそれを固辞して逃げようとするが、聖母像から不思議なしるしが顕れ、ラミーロに国王になるよう促す。ラミーロはそれを受け入れる。

 

 新しい国王ラミーロの誠実な性格は民衆に好意的に迎えられるが、貴族から見れば低い身分である恩師のレオナルドを彼が丁重に扱い、またナバーラを別の王に統治させようとしたことなどにより、彼は傲慢なアラゴン貴族たちの反感を買う。

 

 ヌーニョはエルビラが行方不明になったことをフォルトゥニオに伝えて詫びる。フォルトゥニオは彼を非難し、決闘を申しこむ。

 

 フアン(エルビラ)はアルミンダの求愛を拒み、ヌーニョに助けを求める手紙を出す。アルミンダは激怒し、フアン(エルビラ)を監禁する。

 

 ヌーニョとフォルトゥニオが決闘しようとしたとき、従者のペラルタがエルビラからの手紙をヌーニョに届ける。フォルトゥニオとヌーニョは決闘を中止し、ヌーニョはエルビラを助けに行く。

 

 ラミーロは、反抗する貴族たちにどう対処すべきかわからず、フォルトゥニオを修道院へ使いにやってレオナルドの意見を尋ねる。レオナルドはフォルトゥニオに、「あなたがここで見たものをそのまま国王に伝えなさい」と言う。

 

 フォルトゥニオはラミーロに「修道院の庭には美しい花が咲き乱れていました。レオナルド様は背の高い花を切り、背の低い花はそのままにしておかれました」と伝える。即座にレオナルドの意図を察したラミーロは、「ウエスカ市内すべてに鐘の音が聞こえるような鐘楼を建てようと思うので、貴族たちを私の元へ来させるように」とフォルトゥニオに命令する。王宮に集められた貴族たちはラミーロの計画をフォルトゥニオから聞かされ、ラミーロを嘲笑しながら順番に彼の部屋へ入っていく。

 

 フアン(エルビラ)とアルミンダを伴ったヌーニョが現れる。フォルトゥニオはエルビラの無事を喜び、彼女とヌーニョとの結婚を許可する。自分の恋するフアン(エルビラ)が女性であることを知ったアルミンダは恋をあきらめ、自身もキリスト教徒になることを決心する。彼女はペラルタと結ばれる。

 

 貴族の息子たちが王宮に集められる。ラミーロは彼らを部屋に入れる。すると、切り落とされた貴族たちの首が並び、その一つが鐘のように吊るされていた。戦慄する一同を前にラミーロは剣を手にして「これをそなたたちへの教訓とせよ」と告げる。一同がラミーロに服従を誓う場面で幕となる。

La leyenda del Rey Monje, de Casado del Alisal

ホセ・カサード・デル・アリサル《修道士国王の伝説》(部分)

1880年 プラド美術館

Leyendas - La campana de Huesca que hizo repicar el Rey Monje