Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

オルメードの騎士(Caballero de Olmedo, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1615-26年

種類:民謡にもとづく劇

補足:ロペの傑作として高く評価される作品。16世紀にフアン・デ・ビベーロという名の騎士がメディーナ・デル・カンポから故郷のオルメードへ向かう途中で同郷の男ミゲル・ルイスに殺されたという事件があり、そこから「真夜中に/騎士が殺された/メディーナの精華/オルメードの花が」という民謡が生まれた。ロペはこの民謡にもとづいて本作を書いたとされる。邦訳あり。最近では国立古典演劇劇団(CNTC)とバルセロナのリウレ劇場との共催で2014年に上演されている。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 オルメード出身の騎士ドン・アロンソは、メディーナ・デル・カンポの祭りにやってくる。彼はドニャ・イネスをひと目見て激しい恋に落ちる。

 

 アロンソは従者のテーリョを介して、ファビアというあやしげな老女に取り持ち役を頼み、イネスへの手紙を託す。アロンソはファビアに、謝礼として金の鎖を与える約束をする。

 

 イネスもまたアロンソに恋していた。彼女が妹のレオノールにそれを告白していると、ファビアが訪問してくる。ファビアはイネスとレオノールの亡くなった母親をよく知っていたと語り、彼女たちの信用を得る。イネスがファビアからアロンソの手紙を受け取り、返事を書いていると、イネスに恋するドン・ロドリーゴとレオノールに恋するドン・フェルナンドがやってくる。イネスはロドリーゴに悟られないようにしながら、ファビアにアロンソへの手紙を渡す。

 

 アロンソはファビアからイネスの返事を受け取る。手紙には、「私の家の格子窓に緑のリボンを結びつけておきますから、それをあなたの帽子につけてください」と書かれていた。アロンソは喜び、イネスの家へ向かう。

 

 イネス恋しさに、フェルナンドをつれて彼女の家の格子窓にやってきたロドリーゴは、偶然イネスのリボンを見つけ、それをフェルナンドと分け合うことにする。遅れてやってきたアロンソは二人を見つけ、彼らを追いはらう。テーリョはロドリーゴが落としていったマントを拾う。

 

 ファビアは、絞首刑になった追剥ぎの歯を抜きに行くのを手伝ってほしいとテーリョに頼む(絞首刑になった犯罪者の歯は魔女が妖術に用いると信じられていた)。テーリョは怯えながらそれに従う。

 

 翌日、ロドリーゴとフェルナンドがリボンを付けているのを見たイネスは、自分がファビアに騙されたのだと思い、腹を立てる。レオノールは、フェルナンドもイネスに恋しているのだと思い、嫉妬する。

 

 ファビアはイネスの誤解を解き、アロンソが「メディーナの精華、オルメードの花」と称えられている高潔な人物であることをイネスに教える。イネスは喜ぶ。イネスの父ペドロは、彼女をロドリーゴと結婚させようとするが、ファビアはイネスとアロンソの恋を成就させることを約束する。

 

 ロドリーゴはテーリョが自分の落としたマントを見につけているのを目撃し、イネスの家で遭遇した相手がアロンソであったことを知る。彼はアロンソが多くの人々の称賛を集めていることを聞き、羨望と嫉妬を募らせる。

 

 アロンソはイネスに会うためにオルメードからメディーナへ通う。イネスはロドリーゴを遠ざけ、アロンソと連絡を取りやすくするために「修道女になりたいので、そのための勉強をしたい」と父ペドロに嘘を言う。ファビアとテーリョは教師に扮してイネスの家に雇われ、彼女とアロンソの恋の仲立ちをする。

 

 オルメードでイネスからの愛情に満ちた手紙を読んだアロンソは喜ぶが、不吉な夢を見て不安にかられ、テーリョにそのことを話す。テーリョは主人を励まし、ともにメディーナへ向かう。

 

 メディーナで祭りが開催され、国王ドン・フアンもそれに臨席する。アロンソは闘牛で華々しい活躍をする。いっぽうロドリーゴは落馬し、牛に殺されそうになるところをアロンソに救われる。ロドリーゴは、イネスがアロンソに夢中で、自分には見向きもしないことを見て取り、アロンソへの殺意を抱く。

 

 アロンソは、闘牛に参加した自分の身を両親が案じているだろうと考え、すぐに故郷のオルメードへ帰って無事を知らせる決意をする。彼は自分の心を支配している悲しみをイネスに吐露し、別れを告げる。彼がイネスと別れた直後、黒い仮面をかぶった「影」が現れ、アロンソの行く手を遮る。アロンソが名を尋ねると、「影」は、「ドン・アロンソだ」とだけ告げて去っていく。

 

 アロンソは不安を覚えながらも、オルメードへの帰途につく。すると遠くから「真夜中に/騎士が殺された/メディーナの精華/オルメードの花が」という歌声が聞こえてくる。歌っていたのはひとりの農夫で、アロンソに来た道を引き返すようにと忠告する。しかしアロンソは臆病者の誹りを受けることを恥じ、先へ進む。

 

 待ち伏せをしていたロドリーゴとフェルナンドが、従者数人とともにアロンソを襲う。アロンソは剣で戦うが、従者が放った銃弾に倒れる。

 

 遅れてやってきたテーリョが、瀕死のアロンソを発見する。アロンソは両親の元へ連れていってほしいとテーリョに頼む。

 

 ペドロは国王からブルゴスの城代に任命されたことをイネスに伝える。イネスはアロンソと結婚したいと思っていることをペドロに伝える。ペドロは了承し、イネスは喜ぶが、ファビアは災いの予感がすると彼女に告げる。

 

 国王の前でロドリーゴとフェルナンドがイネスとレオノールに求婚する。しかしペドロはそれを拒否し、イネスとアロンソを結婚させると告げる。そこへテーリョがやってきて、アロンソロドリーゴとフェルナンドの手にかかって殺されたことを知らせる。イネスは嘆き、修道院に入ることを宣言する。国王はロドリーゴとフェルナンドを捕えさせ、斬首刑を命じる。

 

 

スペイン黄金世紀演劇集

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オルメードの騎士 (岩波文庫)

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El caballero de Olmedo - imatges d'assaig