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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ベニートのたくらみと騒動(Burlas y enredos de Benito, las)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1593年以前?

種類:架空の宮廷劇

補足:リスボンとアルジェが舞台となる(時代や国名などは特定されていない)。男装の女性が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  アルバニア王の遺児ピナルダ王女は、ポルトガルの国王のもとで育てられた。ピナルダに恋するヘラルドとライムンドが決闘し、ライムンドが死んだ。ヘラルドは正当な戦いであったことを主張し、王子アストルフォも彼を弁護するが、国王はヘラルドを塔に幽閉する。

 

 ライムンドを愛していたピナルダは、ヘラルドの死を望む。アストルフォはヘラルドをひそかに逃がす。ヘラルドは海岸へたどり着くが、眠っている間にモーロ人にさらわれてしまう。

 

 ヘラルドはアルジェへ連れ去られ、モーロ人の王とその娘トロイラに捕虜として差し出される。ヘラルドにひとめ惚れをしたトロイラは彼を自分の従者にする。

 

 ポルトガルでは、息子のアストルフォがヘラルドを逃がしたことを知り王が激怒する。王はアストルフォを幽閉する。ピナルダは「ヘラルドを捕えてくれた者と結婚する」と宣言する。

 

 アルジェでは、トロイラがヘラルドに愛を告白する。ヘラルドはピナルダを愛していることを告げ、彼女の求愛を退ける。トロイラは「私が絶望して自殺すれば、兵士たちはあなたが私を殺したと思ってあなたを処刑するだろう」とヘラルドを脅す。ヘラルドは身の危険を感じてアルジェから逃亡し、ポルトガルへ戻る。

 

 ポルトガルでは、王子アストルフォが王宮内に幽閉されたままである。彼もまたピナルダに恋をしているが、ピナルダは彼に無関心である。アストルフォの妹ロセーラは、兄とピナルダの仲をとりもとうとするが、うまくいかない。

 

 ライムンドの従者たちが、復讐のためアストルフォを殺そうとする。それを知ったヘラルドは、変装してアストルフォを助ける。アストルフォはヘラルドの正体に気づかず、命の恩人として感謝し、彼を従者にする。ヘラルドはファビオという偽名を名乗る。

 

 トロイラがヘラルドを追って、ポルトガルへやってくる。彼女はヘラルドがアストルフォの従者になったことを知る。彼女は男装してベニートと名乗り、ピナルダやロセーラに仕える従者となる。

 

 アストルフォはファビオ(ヘラルド)に、ピナルダへ手紙を届けてほしいと頼む。ファビオ(ヘラルド)はピナルダに会い、「私がヘラルドを捕まえてきましょう」と告げる。ピナルダはファビオ(ヘラルド)に惹かれ、ベニート(トロイラ)に、彼との仲をとりもってほしいと頼む。トロイラは嫉妬に悩む。

 

 ファビオ(ヘラルド)もまたベニート(トロイラ)に近づき、ピナルダと自分の仲をとりもたせようとする。トロイラは、二人の仲を裂こうと企む。

 

  ファビオ(ヘラルド)はピナルダに会い、自ら変装を解いて正体を明かす。無防備に自分の前に姿をさらしたヘラルドを見て、ピナルダは彼を愛するようになる。

 

 アストルフォはピナルダの自分への無関心に耐えきれず、夜中に強引に彼女を奪おうと企む。トロイラはそのことを知り、自分にとっては都合がよいが、ピナルダの名誉を考えると気の毒だと思い、計略を立てる。

 

 ベニート(トロイラ)はファビオ(ヘラルド)に、「ピナルダはアストルフォに心変わりをした。しかしロセーラがあなたを愛しているようだ」と伝え、ピナルダには「ファビオ(ヘラルド)はロセーラを愛している。あなたにはアストルフォの方がふさわしい」と伝える。

 

 ヘラルドとピナルダは互いの愛情を疑い、言い争う。ベニート(トロイラ)は「国王がやってきた」と嘘を言ってヘラルドを追いはらい、ピナルダを国王の部屋へ入れる。ピナルダを奪おうと思ったアストルフォは、彼女の姿を見失う。

 

 ベニート(トロイラ)はアストルフォに「国王は、「ヘラルドを捕えてくれた者と結婚する」というピナルダの意思を確認しているのだ」と説明する。それを聞いたアストルフォは、「ファビオはヘラルドとよく似ているから、彼をヘラルドに変装させて自分が捕まえたことにしよう」と考える。

 

 アストルフォの考えを知ったファビオ(ヘラルド)は、王の前で自分の正体を明かし、ピナルダに求婚する。「なぜなら私は犯人ですが、犯人をつれてきた者でもあるからです」国王はヘラルドを赦し、彼とピナルダとの結婚を認める。

 

 ベニート(トロイラ)も自分の正体を明かす。「私はモーロ人の王女ですが、ヘラルドに恋してキリスト教徒の国へやってきました。この地に来てからはキリスト教の教えに従っています」

 

 国王はトロイラに洗礼を受けさせると宣言し、彼女をアストルフォの妻にする。