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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

レルマのブルゴス娘(Burgalesa de Lerma, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1613年

種類:都会的な同時代劇

補足:ブルゴス県の都市レルマが舞台となる。スペイン国王フェリーペ3世の寵臣レルマ公爵が主催した1613年の祝祭が描写されている。ロペ自身もこの祝祭に出席していた。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  マドリードの青年ドン・フェリックスドニャ・クラベーラに恋していたが、彼女のところへ外国人のマリオ伯爵が足しげく訪れていることに嫉妬し、修道士になると彼女に嘘を言ってレルマへ赴く。彼は友人のドン・カルロに、「レルマ公爵の主催する祝祭に出席して、クラベーラのことを忘れるつもりだ」と話す。

 

 農民の服を着て顔を隠した二人の女性が、彼らと同じ宿に泊まる。彼女たちの正体はブルゴスの良家の娘ドニャ・レオナルダと侍女のイネスである。レオナルダは兄のフロレーロに見つからないように変装して、レルマの祝祭を見物しに来たのだった。フェリックスとカルロスは、レオナルダとイネスに、一緒に祝祭を見に行こうと言う。

 

 マドリードでは、クラベーラがフェリックスからの別れの手紙を読んで絶望し、自殺を図る。マリオ伯爵がそれを制止する。伯爵はクラベーラが別の男性に恋していることを知って嘆くが、彼の友人トリスタンはあきらめないでクラベーラに求愛し続けるよう励ます。

 

 祝祭を楽しんだレオナルダは、兄より先にブルゴスへ戻ろうと帰り支度をする。彼女はイネスに、自分がフェリックスに恋していることを話す。しかし彼女は、フェリックスがクラベーラを思いきれずに嘆いている声を宿の中で聞いてしまう。

 

 フェリックスはクラベーラに会うため、マドリードへ戻る決意をする。しかしクラベーラの心は徐々にマリオ伯爵に傾き始める。

 

 ブルゴスに戻ってもフェリックスのことが忘れられないレオナルダは、彼に会うために一計を案じる。彼女はフロレーロに「私たちの従兄弟だと名乗るドン・フェリックスという人物から手紙が来た。亡くなった叔父の形見を受け取るために、マドリードへ来てほしいと言っている」と嘘を言う。フロレーロはそれを信じ、レオナルダをつれてマドリードへ行くことにする。

 

 マドリードへ戻ったフェリックスはクラベーラに会いに行くが、彼女がマリオ伯爵と一緒にいるのを見て激しく嫉妬し、今度こそ彼女を忘れると言って去る。

 

 自宅に戻ったフェリックスは、カルロスから「きみの従兄妹と名乗る人たちが訪ねてきた」という報告を受ける。カルロスは、「彼らの素性ははっきりしないが、あのブルゴス娘を利用して、クラベーラに嫉妬させてやれ」とフェリックスをそそのかす。フェリックスはそれに同意して、フロレーロとレオナルダを自宅に泊めることにする。

 

 クラベーラは自分の従者から、フェリックスの家にブルゴス娘が住んでいると聞かされる。彼にはすでに妻がいるのだと思いこんだクラベーラは、彼に裏切られたと感じる。

 

 フェリックスはクラベーラの家へ行き、自分の恋人の兄だと言ってフロレーロを紹介する。クラベーラはフェリックスを非難し、二人は口喧嘩を始める。フロレーロは彼らが愛し合っていることを察するものの、彼自身もまたクラベーラに恋してしまう。

 

 フロレーロはレオナルダに、フェリックスがクラベーラに恋しているようだと話す。レオナルダは兄の恋心を利用して、自分の恋を成就させようと企む。

 

 クラベーラは、レオナルダが本当にフェリックスの妻なのかを確かめようと思い、フェリックスの不在中に彼の家を訪れる。レオナルダとフロレーロはその通りだと嘘をつく。フェリックスが帰宅すると彼らは、クラベーラが彼とレオナルダとの結婚を祝福しに来たと告げる。フェリックスは怒る。

 

 フェリックスはレオナルダと結婚などしていないとクラベーラに訂正するが、レオナルダはさらにクラベーラに嘘をつき「フェリックスはレルマにいたとき私と結婚すると約束をして私の体を奪った」と告げる。クラベーラはフェリックスに失望する。

 

 フェリックスは従者から「マリオ伯爵の庭園で、フロレーロとクラベーラの結婚式が行われるらしい」と聞き、激しく動揺する。カルロスは彼をなだめ、身を隠して結婚式の様子を伺おうと提案する。

 

 フェリックスとカルロスはマリオ伯爵の庭園に忍び込むが、園丁のベラルド(*ロペの分身として描かれている)に見つかる。しかしベラルドはフェリックスの恋わずらいを知ると、同情して彼らを見逃してやる。

 

 クラベーラが独りで庭園にやってきて、フェリックスへの恋心を吐露する。フェリックスは隠れていた場所から出てきて、自分はレオナルダとは結婚していないし、彼女の体を奪ってもいないと告白する。しかし彼らの傍にいたフロレーロが出てきて、フェリックスの言葉を疑い、彼を非難する。

 

 フェリックスとフロレーロの対立を見て、マリオ伯爵が仲裁に出てくる。レオナルダは、フェリックスへの恋心ゆえに嘘をついたことを告白する。体は奪われていなくても心は傷ついたのだという彼女にフェリックスは心を動かされ、彼女の被った傷を償うために結婚すると申し出る。

 

 クラベーラは「裏切りをする恋人よりも分別のある夫のほうがいい」と言い、フロレーロとの結婚を選ぶ。マリオ伯爵は、二組のカップルをともに夕食に招待する。

 

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ルーベンス《レルマ公爵の肖像》1603年 プラド美術館