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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

神学校の道化(Bobo del colegio, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1604-10年

種類:都会的な同時代劇

補足:人文主義者ロレンソ・バン・デル・アメンに捧げられている。劇中で説明されているように、当時のサラマンカの神学校では学生たちを楽しませるために道化が雇われていた。2012年に、セビーリャ大学とハエン大学の演劇グループによって上演されている。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 サラマンカの青年ドン・フアンは、フルヘンシアという女性に恋している。しかしフルヘンシアの兄オクタビオは、自分と二人きりで暮らす妹の身を心配し、彼女をバレンシアにいる叔父夫婦の元に預けてしまう。

 

 バレンシアの青年ガルセラーンは、叔父夫婦の家に預けられたフルヘンシアに出会い、恋をする。フルヘンシアの叔母リサルダは警戒するが、ガルセラーンの従者マリーンは、主人の恋を実らせるために奮闘する。

 

 ガルセラーンはマリーンをつれてフルヘンシアの家を訪ねる。フルヘンシアはガルセラーンに惹かれる。二人の男女は会話を交わし、手紙を交換する。そこへ突然フルヘンシアの兄オクタビオが訪問してくる。フルヘンシアはガルセラーンとマリーンをカーテンの陰に隠す。

 

 オクタビオはリサルダに「フルヘンシアを結婚させようと思うので、彼女をサラマンカへ連れ戻す」と告げる。実はオクタビオはフアンの妹セリアに求婚しており、「セリアと結婚したいなら、フルヘンシアと自分を結婚させてほしい」というフアンの交換条件をのむことにしたのである。フルヘンシアは気乗りしないものの、自分の保護者である兄に従おうと決心する。オクタビオが部屋を出ていった後、フルヘンシアはガルセラーンに別れを告げる。二人は互いに相手のことを忘れないと誓う。

 

 フルヘンシアがサラマンカへ着いてからひと月後、ガルセラーンからは何の連絡もない。彼女は自分がガルセラーンに忘れられたのだろうと考えるが、あきらめきれず、フアンとの結婚を先延ばしにしてほしいと兄に頼む。いっぽうガルセラーンはフルヘンシアを追って、サラマンカに到着する。

 

 ガルセラーンは、旅の途中で仲よくなったファビオという学生から、サラマンカ大学附属の神学校には学生を楽しませるための道化(ボボ)を雇わなければならないという奇妙な規則があることを聞かされる。道化たちはサラマンカの貴族たちの家に招かれ、歓迎されているという。ガルセラーンはフルヘンシアの情報を得るため、神学校に雇われた道化のふりをしてバブロスと名乗ることを思いつく。マリーンはその世話人に扮する。

 

 ガルセラーンは、リセーロヘラルドという学生に会い、道化として振舞って彼らを楽しませる。彼らはオクタビオの友人だった。オクタビオの妹のフルヘンシアがバレンシアを恋しがってふさぎこんでいることを聞き心配していたリセーロたちは、道化を使って彼女を楽しませようと考える。彼らはガルセラーンをオクタビオの家へつれていく。

 

 フルヘンシアはセリアに、自分がバレンシアでガルセラーンに恋をしていたことを打ち明ける。しかし彼からの連絡が途絶えたので、もうあきらめてフアンへ気もちを向けようと思っていると告げる。そこへリセーロたちが道化に扮したガルセラーンをつれて現れる。ガルセラーンの姿を見たフルヘンシアは驚いて失神してしまう。ガルセラーンは、フルヘンシアが忘れられずに道化に扮して会いに来たことを彼女に話す。

 

 セリアはオクタビオに、フルヘンシアはバレンシアの青年に恋してしまったので、フアンと結婚するつもりはなさそうだと伝える。オクタビオは立腹する。

 

 オクタビオは、「フルヘンシアのことは忘れてほしい」という内容の手紙を書き、道化のパブロス(ガルセラーン)に渡して、「バレンシアにいるガルセラーンという青年に届けてほしい」と頼む。

 

 リセーロたちは、ガルセラーンに騎士の格好をさせ、一緒にテオドラという女性をからかいに行こうとする。ガルセラーンは途中で逃げだし、フアンと遭遇する。ガルセラーンは仮面で顔を隠し、フアンに「フルヘンシアには、バレンシアで結婚を約束した恋人がいるからあきらめろ」と告げる。フアンは「フルヘンシアの気もちを尊重する」と答える。

 

 フアンはオクタビオの家に行き、見知らぬ騎士に言われたことを伝え、「フルヘンシアと結婚できないのなら、君とセリアとの結婚も許可しない」と告げる。

 

 翌朝、騎士のままの格好で、ガルセラーンはフルヘンシアに「一緒にバレンシアへ逃げよう」と告げる。そこへ、セリアを探しに来たフアンが現れ、ガルセラーンと鉢合わせしてしまう。しかし、フアンは二人の事情を理解し、二人が結婚できるよう協力すると申し出る。

 

 オクタビオとセリアがやってきて、ガルセラーンとひそかに逢い引きしていたとフルヘンシアを責める。フルヘンシアは「私が逢い引きしていたのは道化のパブロスで、彼と婚約した」と告げる。仰天したオクタビオとセリアは、ガルセラーンとの結婚のほうがそれよりずっとましだと告げる。ガルセラーンとの結婚を許可させてから、フルヘンシアはガルセラーンとパブロスが同一人物であることを明かす。ガルセラーンとフルヘンシア、オクタビオとセリアが結ばれて幕となる。

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フアン・バン・デル・アメン

《ロレンソ・バン・デル・アメンの肖像》1620年頃

バレンシア・デ・ドン・フアン研究所、マドリード

*フアン・バン・デル・アメンはロレンソの兄弟。

http://www.the-athenaeum.org/

 


Teaser - El Bobo del Colegio- def.