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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

チャベス・デ・ビリャルバ一族の栄光(Blasón de los Chaves de Villalba, El)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599年

種類:歴史劇

補足:1503年の、南イタリアの領土をめぐるスペインとフランスの対立が描かれる。フランスという国名の代わりにアルバニアという国名が使われている。男装の女性が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 舞台はイタリアのメルフィ。トルヒーリョ出身の騎士チャベス・デ・ビリャルバは友人ドン・フアンの家を訪問する。彼らはスペインとアルバニア(フランスを暗示する架空の国)の軍隊によるナポリ王国の占領について語り合う。

 

 フアンにはドロテーアという恋人がいる。ドロテーアはフアンの従者になりすまし、男装してドロテーオと名乗っている。しかし、チャベスがつれてきた彼の恋人バルバラにフアンは心を惹かれ、ドロテーアはチャベスに心を惹かれる。

 

 チャベスとフアンは、ナポリ分割統治を祝う式典に出席する。スペインとアルバニアの軍人たちが議論をしている。アルバニア側はスペインの提示した分割案に反対し、スペインとの休戦協定を破ろうとする。

 

 フアンは、チャベスを裏切ってバルバラを拉致しようと企む。そのことに気づいたドロテーアは、その機会を利用してチャベスを奪おうと考える。

 

 アルバニア側はスペインにカピタナーラ(1503年の西仏の対立の原因となったカピタナータ地方を暗示する)の領有権を主張し、それを認めないなら戦うと宣言する。スペイン側の司令官ゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドバはそれを受け、バルレッタに軍を配置する。

 

 チャベスバルバラは、バルレッタへ行く準備をする。バルバラの拉致をたくらむフアンは、「アルバニア軍が襲ってくると危険だから、バルバラに多くの護衛をつけたほうがいい」とチャベスに忠告する。チャベスはそれに同意する。

 

 チャベスはドロテーアとともに、先にバルレッタに到着する。バルバラとフアンが遅れているので、チャベスは彼らがアルバニア軍に捕まったのではないかと心配する。ドロテーアは「彼らはあなたを裏切って駆け落ちしたのです。私はそんな醜い行いをする主人を見限って逃げてきました」と彼に告げる。チャベスは半信半疑のまま、ドロテーアを自分の従者にする。

 

 チャベスは司令官のゴンサロに「私の友人が、ある女性を守って敵に捕えられたので、助けに行かせてください」と言い、フアンを探しに行く許可を得る。

 

 スペインからの物資の到着が遅れ、軍隊は困窮する。ゴンサロは私財を投じて兵士たちの衣服を調達し、皆から感謝される。

 

 スペイン軍とアルバニア軍はバルレッタで戦闘を繰り広げる。スペイン軍は両軍から7人の騎士を選んで勝負を決めさせるという提案をする。7組の一騎打ちが行われ、スペインの騎士ガルシア・デ・パレーデスは勇猛な戦いを披露する。

 

 チャベスアルバニア軍の兵士アドルフォに捕えられるが、バルバラを見つけ出したら戻ってくると約束をして逃がしてもらう。バルバラ肖像画を見せられたアドルフォは、その美しさに心を奪われる。

 

 ナポリ王女イサベル・デ・アラゴン(イザベラ・ダラゴーナ)は、アルバニア軍に対してバーリ市を死守することを宣言する。しかしアルバニア軍は、スペインの無敵艦隊メッシーナに到着したという知らせを受けて、守りを固めるために一時撤退する。

 

 フアンはバルバラを拉致してローマへ逃げる。バルバラとフアンが言い争っているところへ、アルバニア軍にいる巨漢のドイツ人兵士アスプラモンテが現れる。アスプラモンテはバルバラに加勢し、フアンを追いはらう。

 

 バルバラはアスプラモンテに、自分がチャベスと恋におち、トレドにいる家族を捨ててイタリアまで彼についてきたこと、そののちフアンに騙されてローマにつれてこられたことを話す。アスプラモンテは、バルバラを護衛することを申し出る。

 

 バルバラとアスプラモンテが去った後、ローマにチャベスが到着する。アスプラモンテがアルバニア国王を礼賛するために市内に貼ったポスターを見たチャベスは、彼との一騎打ちを決心する。

 

 スペイン軍の兵たちは、ローマのスペイン大使の邸宅に集まる。教皇(アレクサンデル6世)がアルバニアを支援する姿勢を見せたことを知らされ、スペイン軍は不安に陥る。チャベスはアスプラモンテと一騎打ちすることを兵士たちの前で宣言する。スペイン大使はチャベスを擁護する。

 

 アスプラモンテは、ローマへ戦況を知らせに来たアドルフォに会う。アスプラモンテはアドルフォに、バルバラをバルレッタへ連れていってほしいと頼む。チャベスが持っていた肖像画の女性がバルバラであることを知ったアドルフォはそれを引き受ける。アドルフォはバルバラに「チャベスは自分が殺し、肖像画を奪った」と嘘をつく。

 

 アスプラモンテは、スペイン国王を礼賛するポスターをローマ市内に貼るチャベスを見て、その大胆さに感嘆する。

 

 スペイン大使の邸宅でチャベスは一騎打ちの準備をする。ドロテーアはチャベスに、自分が実は女性でフアンと駆け落ちをしてきたこと、しかし今はチャベスに恋していることを告白する。そのとき、アスプラモンテとの戦いで負傷したフアンが運ばれてくる。フアンはチャベスに赦しを乞い、自分がバルバラを騙して拉致したこと、バルバラが敵に連れていかれたことを話す。

 

 チャベスはフアンを赦し、フアンにはドロテーアを大切にするように、ドロテーアにはフアンの傷の手当てをするようにと告げる。そこへ、アドルフォに追われたバルバラが逃げ込んでくる。チャベスはアドルフォを殺す。

 

 スペイン軍はアルバニア軍を敗走させ、ナポリを占領する。ローマではアスプラモンテとチャベスの一騎打ちが行われる。戦いはチャベスの勝利に終わる。チャベスバルバラとの婚約を宣言し、フアンにはドロテーアと結婚するよう促す。スペイン大使の祝福の言葉とともに、一同がサンタンジェロ城に向かう場面で幕となる。