Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ベナビデス一族(Benavides, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1600年

種類:歴史劇

補足:アルフォンソ5世時代(10世紀)のレオン王国が舞台となる。互いに兄妹であると知らずに愛し合う男女が描かれる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  レオン王国の王ベルムードが死去し、わずか6歳のアルフォンソ5世が即位する。貴族たちは、誰が王の養育係になるべきかを話し合う。

 

 ドン・パーヨ・デ・ビバールは、王を彼の領地へつれていって教育しようと考える。地方貴族の老人メンド・デ・ベナビデスはそれに反対したために、パーヨから平手打ちされるという屈辱を味わう。

 

 パーヨは他の貴族たちの忠告を受け、最終的には王をレオンの地で養育することに同意する。養育係として、ガリシアからメレン・ゴンサレス伯爵が呼ばれることになる。

 

 舞台はメンドの領地ベナビデス(レオン近郊の村)に移る。孤児のサンチョソルは、メンドの家で養育され、互いに愛し合うようになっていた。二人は、そのことをメンドの娘ドニャ・クララに告白する。クララはメンドに宛てて手紙を書き、それを届けるようサンチョに依頼する。サンチョは手紙を持ってレオンへ向かう。

 

 ところが、メンドはサンチョと入れ違いになり、ベナビデスへ帰ってきてしまう。メンドはパーヨから平手打ちされたことをクララに話し、「なぜおまえは結婚しなかったのか。孫を産んでくれていれば、老いた私の受けた侮辱に対して、孫が復讐してくれただろうに」と非難する。クララはそれを聞き、それまで隠していた秘密を告白する。サンチョとソルは、実は先王ベルムードとクララとの間にできた子どもだった。

 

 クララはメンドに、サンチョとソルは兄妹であるにもかかわらず、愛し合うようになってしまったことを告げる。メンドは、サンチョが自分のために復讐してくれるかもしれないと考え、彼が血筋にふさわしい資質をもっているかどうかを確かめようと決意する。

 

 レオンの宮廷では、幼いアルフォンソ5世に貴族たちが忠誠を誓っていた。そこへ、メンドを探しに来たサンチョが到着する。パーヨは、サンチョが卑しい人間のように見えると言ってばかにする。サンチョは「私は卑しい人間ではなく、農夫です。あなたが食べている物は、農夫が作っているのです」と抗議する。

 

 サンチョは、メンドがパーヨから平手打ちされたことを聞かされ、パーヨと杖で戦おうとする。パーヨは剣を持ち「身分の違うおまえとは決闘できない」と告げる。サンチョは、それならパーヨの従者と決闘させてほしいと提案し、パーヨもサンチョの勇気に感心する。サンチョはパーヨの従者との決闘の日取りを決めると、メンドに会うためにベナビデスへ引き返す。

 

 メンドはわざと村人たちにサンチョを襲わせ、サンチョの資質を試す。サンチョが勇敢な若者であることを知ったメンドは、復讐のためパーヨを殺してほしいと彼に頼む。サンチョは承知し、メンドとクララは短刀を彼に与える。

 

 王宮の貴族たちはメレン・ゴンサレス伯爵を支持するようになり、パーヨの権力は失われつつあった。パーヨは伯爵によって二年間の蟄居を言い渡される。そこへサンチョが現れ、パーヨを殺そうとする。しかし彼が殺したのはパーヨの影武者であった。

 

 サンチョはパーヨを殺したと思いこみ、ベナビデスへ戻ってメンドに復讐を遂げたと報告する。メンドは喜び、サンチョが本当は先王ベルムードとクララとの間に生まれた子どもであることを告げる。しかしサンチョとソルは、自分たちが兄妹であるという真実を聞かされ、深く悲しむ。

 

 サンチョは、ソルのことをあきらめるため、故郷を離れる決意をする。

 

 パーヨの領地ビバールの近くにやってきたサンチョは、狩りの途中で眠っている美しい女性を見て心を惹かれる。彼女はエレーナといい、パーヨの妹だった。彼女との会話を通じて、パーヨがまだ生きていることを知ったサンチョは驚く。彼はあらためてメンドのために復讐するべく、正体を隠してパーヨの家に従者として仕えることにする。

 

 メンドは王宮に呼び戻され、クララとソルをつれてレオンに赴くが、パーヨが生きていることを知り、与えられた官職を断ろうとする。メレン・ゴンサレス伯爵は、自分の甥のイニゴ・アリスタをメンドの代理としてパーヨと決闘させることを提案する。メンドはその提案を受け入れる。

 

 伯爵は国王を養育するためにガリシアへ出発する。イニゴ・アリスタはクララを通じてソルに求婚する。ソルはサンチョのことをあきらめ、イニゴと結婚することを決心する。

 

 ビバールにはモーロ人の軍勢が迫っていた。パーヨはサンチョに、モーロ人たちを偵察してくるよう命令する。サンチョが出発した後、レオンの宮廷からパーヨにイニゴとの決闘に応じるようにという知らせが届く。パーヨは城が危機に面しているにもかかわらず、エレーナをつれてレオンへ向かう。

 

 ガリシアへ向かっていた伯爵と国王は、ビバールの近くでモーロ人たちに襲われる。眠っていた幼い国王は、モーロ人たちにさらわれそうになるが、サンチョが現れて国王を救い出す。

 

 レオンの宮廷では、パーヨとイニゴとの決闘が行われる。しかし、二人が戦おうとしたとき、メンドが短刀を抜いてパーヨを殺す。メンドは自分の行いを正当化しようとするが、エレーナは兄のために復讐すると告げる。メンドは、兄を失ったエレーナに償いをするために、彼女に高貴な身分の男性との結婚を提供すると申し出る。そのときサンチョが王宮に到着する。

 

 続いて伯爵と貴族たちが現れ、「国王がモーロ人たちにさらわれた。おそらく殺されてしまっただろう」と報告する。メンドは貴族たちの前で「サンチョは先王ベルムードの息子だ。彼には後継者の資格がある」と告げる。皆はサンチョを新しい国王にしようとするが、サンチョはそれを制止し、別の場所にいた国王を腕に抱いてつれてくる。

 

 人々は国王の無事を喜び、ベナビデス一族を賞賛する。サンチョとエレーナ、イニゴとソルが結ばれて幕となる。