Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

シエナの諸党派(Bandos de Sena, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1597-1603年

種類:都会的な同時代劇

補足:イタリアのシエナが舞台となる。男装の女性と、その女性に恋する女性が描かれる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 聖ヨハネ騎士団の十字勲章をつけた騎士レリオが、従者のファビオルフィーノをつれてシエナへやってくる。

 

 レリオの正体は、シエナの名家サリンベネス家の娘テオドラである。

 20年前、サリンベネス家とモンターノ家の間で激しい争いが起き、まだ幼かったテオドラは兄のコンスタンシオにつれられてシエナから逃れた。その後、コンスタンシオはレリオと名乗り、聖ヨハネ騎士団に入ったが、テオドラを残して死んでしまった。テオドラは男装して、兄の名乗った名前と騎士の身分を受け継ぎ、サリンベネス家の生き残りをさがすためにシエナへ戻ってきたのである。

 

 テオドラの前に、狩猟中のポンペヨという青年が現れる。彼との会話によってテオドラは、サリンベネス家がモンターノ家との争いで勝利を収めたこと、ポンペヨとその妹アンヘリカがモンターノ家の生き残りであること、彼らに残されたのはシエナ市内の家と郊外の小さな土地だけだということを知る。

 テオドラは自分の一族が勝利したことを喜ぶ。しかし彼女はポンペヨに恋をしてしまう。彼女は自分はポンペヨの従弟にあたる者だと嘘をつく。ポンペヨは喜んでテオドラを自宅に招く。

 

 シエナの高官ファウスティーノは、土地を手に入れたいと考えていた。彼の息子リサルドは、ポンペヨの持っている土地を買い取ることを勧める。

 

 シエナに住むサリンベネス家の青年レオナルドは、アンヘリカに恋をしている。しかしアンヘリカの家の前にやってきた彼と従者のドナートは、彼女の侍女セリアから、アンヘリカが従弟の騎士レリオ(テオドラのこと)に恋をしているようだと聞かされる。レオナルドはテオドラに嫉妬する。

 

 ポンペヨは、宿敵サリンベネス家の人間であるレオナルドが自宅の周りをうろついているのはアンヘリカのせいだと思い、彼女を叱る。その話を聞いてテオドラはレオナルドが自分のもうひとりの兄であることを知る。

 

 土地の取引をしようとポンペヨの家を訪問したリサルドも、アンヘリカに恋をする。ポンペヨは土地を売ることを拒否する。

 

 アンヘリカは、レオナルドから送られてきた手紙を読んでいるところをテオドラに見つかる。テオドラは、反目する両家が和解するよいきっかけになるかもしれないと、二人が結ばれることを期待する。しかしアンヘリカは、喜んでいるテオドラの様子を見て腹を立てる。彼女はテオドラに恋しているからである。

 

 テオドラはレオナルドに、彼とアンヘリカとの仲を邪魔するつもりはないと伝え、レオナルドに協力することを約束する。彼女は窓の外からアンヘリカに、自分はアンヘリカと結婚する意思があると呼びかけ、外へ出てきた彼女とレオナルドを暗がりの中で対面させる。アンヘリカは相手がレオナルドだとは気づかないまま、指輪を彼に与える。

 

 ファウスティーノはリサルドから、ポンペヨが土地を売ることを拒否したと聞いて立腹する。しかしリサルドは、自分がアンヘリカと結婚すればいずれ土地は自分たちのものになると言って父を説き伏せる。

 

 テオドラはアンヘリカに、求婚の言葉を取り消すから、レオナルドと結婚してサリンベネス家とモンターノ家との確執に終止符を打ってほしいと頼む。アンヘリカは怒って立ち去る。

 

 リサルドがやってきてアンヘリカに求婚する。しかしポンペヨは、彼女はレリオ(テオドラ)と結婚することになっていると告げる。

 

 ポンペヨはアンヘリカから話を聞き、なぜ妹に宿敵の人間との結婚を勧めるのかとテオドラを問い詰める。テオドラはついに、自分が女性であることと、ポンペヨに恋していることを告白する。

 ポンペヨは驚きつつもテオドラの恋を受け入れ、彼女の秘密を守ると約束する。

 

 リサルドはアンヘリカとの結婚の望みを絶たれて嘆き、ファウスティーノは彼への復讐を企む。彼は「シエナの諸党派は、よそ者と話をしてはならない」という掟を利用し、ポンペヨを罠にはめて死刑にしようと考える。

 

 ポンペヨは、掟を破ったという罪を着せられて逮捕される。ポンペヨはファウスティーノに金を払って命乞いをするが、ファウスティーノは額が足りないと言って拒否する。

 

 レオナルドとドナートがやってきて、ファウスティーノに金を渡し、ポンペヨを釈放させる。ドナートは、ファウスティーノとポンペヨの所有地を焼く。レオナルドは、ポンペヨに新たな土地を与えることを約束する。

 

 レオナルドは、アンヘリカに渡された指輪を見せて、あらためて彼女に求婚する。テオドラは自分が女性であり、サリンベネス家の者であることを告白する。テオドラとポンペヨ、アンヘリカとレオナルド、セリアとドナートが結ばれて幕となる。