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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ああ真実よ、恋の中のおまえは(¡Ay, verdades, que en amor...!)

あらすじデータベース(A~C)Base de datos y Argumentos あらすじデータベース(ジャンル別・都会的な同時代劇)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1625年

種類:都会的な同時代劇

補足:マドリードが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ラ・モンターニャ地方(スペイン北部)出身の騎士ドン・フアンは、従者のマルティンをつれてマドリードにやってくる。

 

 侍女のイネスをつれたセリアがフアンに出会う。彼女たちは二人ともマントで顔を隠している。フアンはセリアを口説いて顔を見せてほしいと頼むが、セリアは拒否して去る。

 

 フアンはマルティンに「恋をしてめんどうなことになるよりも、ああいう態度を取ってくれたほうが気が楽だ」と話す。セリアもフアンをさほど気にとめていないようにふるまう。

 

 三人組の暴漢が短剣をもってフアンを襲う。命の危険を感じたフアンは、偶然にもセリアの家に逃げ込む。

 

 初めはフアンをふったセリアであるが、フアンが男たちと勇敢に戦う様子を見て、彼を家に泊めることにする。手を負傷したフアンはセリアの手当てを受ける。フアンはあらためてセリアに求愛し、セリアはそれを受け入れる。

 

 マルティンはイネスに求愛するが、主人が負傷した時に居酒屋でくつろいでいたことから、イネスにばかにされてしまう。

 

 突然、クララという女性がセリアを訪問してくる。セリアはフアンとマルティンを隠し、クララを招き入れる。

 

 クララは、セリアの元恋人ドン・ガルシアの友人である。クララは、ガルシアがセリアとよりを戻したがっていると話す。クララはセリアに嫉妬心を起こさせるために「私はガルシアに身を委ねたのに、ガルシアはあなたを選んで私を捨てた」と嘘をつく。セリアはクララのねらいどおり彼女に嫉妬を覚え、再びガルシアのことが気になり出す。

 

 クララの協力が功を奏したと思ったガルシアがセリアの家にやってくる。しかし、気の強いセリアは彼への軽蔑をあらわにする。ガルシアは失望し、自分の肖像画を彼女から取り返して破り捨て、イタリアへ行くと告げて彼女の元を去る。

 

 セリアの家を出たフアンとマルティンは、ガルシアの破り捨てられた肖像画を見つける。野外劇場でコメディアを鑑賞した二人の前に当のガルシアが現れ、セリアは心の冷たい女性だと告げて去る。ショックを受けたフアンはセリアのことを忘れようと決意する。

 

 フアンは、セリアが送ってくる手紙を無視し、彼女を冷淡に扱う。

 

 クララがフアンの家を訪ねてくる。クララは、セリアは裕福で気の強い女性だから用心しろと言いながらも、セリアはフアンを本気で愛していると伝える。

 

 ガルシアはイタリアへ行かず、ひそかにマドリード市内に潜んでセリアの様子をうかがっていた。彼はフアンとマルティンがセリアの家に入ったことを知る。彼は友人のアルベルトにひとつの頼みごとをする。

 

 セリアが家の中で、フアンの態度が冷たいことを嘆いていると、フアンとマルティンがやってくる。二人が窓越しに会話をしているところへ、イタリア人兵士に扮したアルベルトがやってくる。アルベルトは、ガルシアからことづかったと言ってセリアに指輪と手紙を渡す。

 

 セリアは、ガルシアへの自分の気もちはもうないことを示すために、フアンの前で声を出して手紙を読む。フアンは無表情でその場から立ち去る。フアンはマルティンに、セリアの自分への愛情は消えはしないだろうと自信ありげに言う。

 

 しかし、フアンの態度を自分への軽蔑だと受け取ったセリアは、冷たい態度を取られ続けることに疲れ、ガルシアの贈り物に慰めを見出す。

 

 アルベルトから話をきいたガルシアは、イタリアから帰ってきたふりをしてセリアを訪ねることにする。

 

 セリアの家にやってきたフアンに、セリアはもうあなたを愛するのはやめたと告げる。そのときラッパの音とともにガルシアが馬にまたがって凱旋してくる。セリアはガルシアを恋人として受け入れるとフアンに告げる。自信満々だったフアンは絶望につき落とされる。

 

 翌日、嫉妬に我を忘れたフアンはセリアの家を訪れ、彼女がガルシアとベッドを共にしたかどうか知るために部屋に入ろうとする。セリアとフアンが激しく言い争っているところへ、ガルシアとアルベルトがやってくる。セリアはフアンといるところを見られないように彼を隠す。

 

 マルティンは、冷静になるようフアンをさとす。しかし、ガルシアたちがセリアの家を去った後、フアンはセリアがガルシアに愛想よく接したことで再び彼女を非難する。セリアは、もともと自分に冷たい態度をとったのはフアンのほうではないかと反論し、マルティンもセリアに味方する。

 

 セリアはガルシアに贈り物を届けさせる。ガルシアはセリアにそのお返しをする。

 

 フアンは嫉妬に苦しみ、夜通しセリアの家の門の前でガルシアが来ないかどうかを見張る。彼は「ああ真実よ、恋の中のおまえはいつも不幸だった」と嘆く。物陰に隠れて彼の言葉を聞いていたセリアは、彼をあわれに感じる。マルティンも主人の嘆きようを見て同情し、イネスに頼んで門をあけてもらおうと言うが、フアンはそれを拒む。

 

 クララはガルシアに、セリアが彼との結婚の準備をしていることを伝える。クララはフアンにも同じことを伝える。フアンは、これからカディスに行ってイギリス艦隊と戦うつもりだと告げる。

 

 セリアはマルティンに、自分はまだフアンを愛しているが、それを知ればフアンはきっとまた自分に冷たく当たるのだろうと告げる。

 

 マルティンからセリアの気もちを聞かされたフアンは、セリアの家へ向かう。しかし時すでに遅く、セリアとガルシアとの結婚式が行われようとしていた。

 

 フアンは未練がましくセリアの家の前にはりつき、結婚契約書を作成するためにやってきた書記官を買収して帰らせたり、祝宴で歌うためにやってきた歌手たちをひっぱたいたりする。歌手たちの叫び声を聞いたガルシアが外に出てくる。

 

 フアンはガルシアに、セリアはまだ自分を愛しているのだと言って、彼女から送られて来た手紙を見せる。ガルシアに真偽を聞かれたセリアは、フアンの言う通りだと正直に答える。彼女は「ああ真実よ、恋の中のおまえは軽蔑によって否定される」とつぶやく。

 

 ガルシアは二人が愛し合っていることを知ると、いさぎよくセリアとの結婚をあきらめ、フアンとセリアの結婚式の立会人になると申し出る。マルティンとイネスも結ばれて幕となる。