Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

その場を離れて(Ausente en el lugar, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1604-1612年

種類:都会的な同時代劇

補足:マドリードが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  エリーサラウレンシアは仲の良い友人である。彼女たちの侍女パウラサビーナも友達付き合いをしている。エリーサにはカルロス、ラウレンシアにはフェリシアーノという恋人がいる。

 

 ラウレンシアはひとつのゲームを考えつく。彼女は自分の恋人フェリシアーノに従者のふりをさせてエリーサの家へ手紙を届けさせようと言う。

 

 エリーサの恋人カルロスは、貧しい貴族である。エリーサの父親アウレリオは、ふたりの結婚に反対している。

 

 エリーサの兄オクタビオはラウレンシアに片思いをしており、彼女と結婚したいと思っている。

 

 アウレリオが外出したのをみはからって、カルロスと彼の従者エステバンはエリーサの家を訪ねる。エリーサとカルロス、パウラとエステバンは互いの恋心を確認し合う。

 

 そこへラウレンシアの従者に扮したフェリシアーノがやってくる。パウラはカルロスとエステバンを物陰に隠す。エリーサは愛想よくフェリシアーノを迎える。フェリシアーノはエリーサの美しさと気立てのよさに、すっかり魅了されてしまう。

 

 アウレリオとオクタビオが帰ってくる。エリーサは彼らにフェリシアーノを紹介し、彼がラウレンシアの恋人で、彼女の手紙を自分に届けてくれたのだと説明する。

 

 オクタビオは、それを聞いてフェリシアーノをラウレンシアから引き離そうと企む。彼は、エリーサがフェリシアーノを家に入れたことが知れては体面が悪いので、彼らを結婚させるべきだと主張する。アウレリオは躊躇するが、エリーサに魅了されたフェリシアーノはオクタビオの意見をあっさりと受け入れ、結婚契約の書類に署名する。

 

 アウレリオ、オクタビオフェリシアーノが去った後、カルロスはエリーサに向かって、自分と結婚するために家を出てほしいと懇願する。エリーサは、父親に逆らうのは嫌なので、カルロスが父を説得してほしいと言う。しかしカルロスはそれを拒否し、アルバ公爵の募集している軍隊に入ってフランドルの戦争に行くと宣言する。エリーサはそれを聞いて悲しむ。

 

 フェリシアーノは従者のフィスベルトとともにラウレンシアの家に行き、エリーサと婚約したことを話す。さらに彼はオクタビオからの求愛の手紙をラウレンシアに渡す。ラウレンシアは傷つき、これはフェリシアーノとオクタビオの陰謀であり、エリーサもそれに加担しているに違いないと推測する。

 

 カルロスはエステバンとともに旅立つ準備をするが、エステバンはカルロスがフランドルへ行くつもりなどなく、ただエリーサの結婚をじゃまするためにしばらくマドリードを離れるだけのつもりだということに気づく。

 

 エリーサは「自分はまだ結婚してはいない。会いに来てほしい」という手紙を書いてパウラに届けさせる。カルロスは手紙を破り捨てるが、エステバンに説得されて、出発の前にエリーサに会いに行くことにする。

 

 ラウレンシアの侍女サビーナは、フェリシアーノへの腹いせにカルロスと仲よくしてみてはどうかと忠告する。彼女自身はフィスベルトから捨てられている。ラウレンシアは「『占い師にすすめられたので、あなたに手相を見てもらいたい』という手紙をカルロスにあてて書く。

 

 裕福な家に育ったフェリシアーノは、アウレリオから示された持参金の額が少ないと感じ、自分はだまされたのではないかと疑って、エリーサとの婚約を後悔し始める。

 

 カルロスがエステバンとともにエリーサの家を訪れ、フランドルへ行くと言って別れを告げ、フェリシアーノを祝福する。エリーサは、へそを曲げないで解決策を考えてほしいという意思を彼に伝える。エリーサとフェリシアーノとの婚約式は翌日に行われることになる。

 

 フィスベルトはパウラに求愛するが、パウラはエステバンを選び、彼を拒否する。エリーサとパウラはラウレンシアの家へ行く。

 

 サビーナは、エリーサの家から出てきたカルロスを見つけ、主人のラウレンシアのもとへつれていく。カルロスとラウレンシア、エステバンとサビーナはしばらく手相占いを楽しむが、そこへエリーサとパウラがやってくる。カルロスとエステバンは物陰に隠れる。

 

 エリーサは、ラウレンシアがフェリシアーノを失うはめになってしまったことを謝罪し、自分は父の言いつけに従わなくてはならないと話す。エリーサは、ラウレンシアがカルロスを呼び戻してくれることを望むが、ラウレンシアは聞く耳を持たない。エリーサは思いあまって自殺しようとする。

 

 そこへオクタビオフェリシアーノがやってくる。エリーサとパウラは身を隠す。フェリシアーノは、義兄となる予定のオクタビオのために、彼とラウレンシアとの仲をとりもとうとするが、ラウレンシアは「私はもうカルロスと婚約したから、明日にでも式を挙げる」と言う。オクタビオフェリシアーノは去り、エリーサとカルロスは互いに相手の姿を見つけて、言い争いを始める。エリーサは嫉妬にかられて、自分も明日フェリシアーノと結婚すると宣言する。

 

 フェリシアーノはアウレリオに、持参金を4千ドゥカード増額するよう要求する。アウレリオはそれを聞いて気が重くなり、エリーサをカルロスと結婚させようと考えるようになる。

 

 カルロスはエリーサの家の前に行く。二人は窓越しに会話をする。カルロスはエリーサの手紙と肖像画を焼くふりをして去る。エリーサは外へ出て、手紙や肖像画ではなく遊戯用のカードが焼かれていたことを確認する。

 

 アウレリオは、エリーサとフェリシアーノの婚約を破棄すると告げる。フェリシアーノはラウレンシアに、エリーサとの婚約がなくなったことを伝え、あらためて愛を告げるが、ラウレンシアは彼を無視する。フェリシアーノは、「それなら軍に入ってフランドルへ行く」と告げる。ラウレンシアはそれを聞いて動揺し、彼と和解する。フィスベルトとサビーナも同様に和解する。

 

 そこへオクタビオが現れ、フェリシアーノに1万ドゥカードやるから、今夜エリーサと結婚式を挙げてほしいと言う。フェリシアーノはその条件をのみ、ラウレンシアをふたたび捨てる。フィスベルトも同様にサビーナを捨てる。

 

 エリーサはカルロスに、今夜フェリシアーノと結婚すると告げて去る。

 

 アウレリオの家で、エリーサとフェリシアーノとの結婚式が行われる。カルロスとラウレンシアは顔を隠して結婚式に忍び込む。

 

 新郎と新婦の結婚の意思の確認の場面で、フェリシアーノは同意するが、エリーサは「お金目当てで結婚するような人は軽蔑する」と結婚を拒否する。(オクタビオの出した持参金の条件は、フェリシアーノの本性を知るための嘘だったと思われる。)

 

 カルロスは皆の前で自分の正体を明かす。エリーサとカルロスは結ばれる。フェリシアーノはラウレンシアに求婚するが、彼女はオクタビオを選ぶ。サビーナはエステバンに求愛するが、彼はパウラを選ぶ。