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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

国王ドン・ペドロの審問(Audiencias del rey Don Pedro)

あらすじデータベース(A~C)Base de datos y Argumentos あらすじデータベース(ジャンル別・歴史劇)

ロペへの帰属:議論の余地あり

執筆年代:1613-1620年

種類:歴史劇

補足:カスティーリャ王ペドロ1世(残酷王)時代のセビーリャが舞台となる。

参照元

http://artelope.uv.es/

 

 舞台はセビーリャ。ドン・フェリックスラウレンシアは恋人どうしであるが、放蕩者のレオナルドがラウレンシアに横恋慕をしている。レオナルドの友人ドン・ディエゴにはエレーナという恋人がいる。

 

 カスティーリャペドロ1世は、兄弟のファドリーケやエンリケと敵対し、彼らをトロに4年間幽閉している。ペドロ1世がセビーリャへ来ることになり、歓迎式典の準備が行われている。

 

 フェリックスは歌手をつれてきて、ラウレンシアのバルコニーの下で歌を歌わせる。近くにレオナルドとディエゴがいるのを見たフェリックスは嫉妬にかられ、二人に決闘を挑み、逃げる彼らの後を追う。

 

 バルコニーに現れたラウレンシアは、レオナルドの従者フネスが下にいるのを見て、フェリックスだと勘違いし、「父があなたとの結婚を許してくれた」と告げる。フネスは自分の正体を隠して、ラウレンシアに調子を合わせる。ラウレンシアはフネスに自分のリボンを渡し、国王の歓迎式典でそれを身につけてほしいと頼む。そこへフェリックスとその従者コスメが戻ってくる。フェリックスは二人が話しているのを見て嫉妬し、フネスからリボンを取り戻す。フェリックスのことをレオナルドだと勘違いしたラウレンシアは、レオナルドに煩わされて迷惑していること、自分はフェリックスと結婚するつもりだということを告げて去る。フェリックスはひそかに喜ぶ。

 

 国王ペドロはセビーリャでの歓待に満足する。彼は側近たちに弟エンリケとの戦いと彼の追放、エンリケがフランスと同盟を結んだことなどを話し、側近たちはエンリケとの戦いに身を捧げることを誓う。

 

 馬に乗って現れたレオナルドは、国王の眼前で落馬し気を失う(落馬は不吉なことが起きる前兆として描かれる)。国王はレオナルドが勇敢ではあるが放蕩者であることをフネスから聞くと、そのまま立ち去ってしまう。つづいてディエゴとエレーナが現れる。ディエゴは助けを求めに行き、エレーナはレオナルドを介抱しようとする。レオナルドは意識を取り戻すと、エレーナを口説き始める。エレーナは、友人の恋人を口説く彼を非難するが、レオナルドは意に介さない。戻ってきたディエゴは、レオナルドが意識を取り戻したのを見て喜ぶ。

 

 国王の歓迎式典では、闘牛や馬上槍試合などが華々しく行われる。フェリックスは闘牛に参加し、牛をしとめて喝采を浴びる。レオナルドはひそかに、ラウレンシアを奪おうと企む。

 

 フェリックスとラウレンシアはレオナルドの嫉妬を恐れて、互いの愛情を表に出さないように用心する。レオナルドはしつこくラウレンシアを口説くが、ラウレンシアはきっぱりと彼を拒絶する。

 

 レオナルドに言い寄られたことをエレーナから聞かされたディエゴは、レオナルドに決闘を申し込む。

 

 国王ペドロは、グラナダの王ベルメーホが約束を守らなかったことを理由に処刑する。そのことから彼は「残酷王」あるいは「正義王」と呼ばれるようになる。

 

 式典の一部として、国王の公開審問が行われる。顔を隠したひとりの女性が、レオナルドに弄ばれたと訴える。国王は、状況を考慮すると女性にも落ち度があるとしてその訴えを退ける。

 モーロ人から逃げる途中で腕を失った兵士が褒賞金を願い出ると、国王は彼の臆病さを非難し、法廷から追い出す。

 国王はまた、貧しい樵が発見した大金をせしめとった強欲な商人の嘘を見抜き、彼が奪った金をすべて樵に返すように言い渡す。

 公開審問を見た人々は、国王の賢明さを賞賛する。

 

 ディエゴとレオナルドの決闘が行われる。レオナルドは殺されそうになるが、フェリックスが仲裁に入り、彼の命を救う。ディエゴはフェリックスに、レオナルドは卑劣漢だから用心するようにと警告して立ち去る。

 レオナルドは反省することもなく、フェリックスの従者コスメを買収し、ラウレンシアを奪う計画を立てる。

 

 夜が更ける。レオナルドの従者フネスは、ディエゴを見てレオナルドと勘違いし、エレーナを口説きに行くのかと話しかける。ディエゴは驚き、あわててエレーナの家へ向かう。ディエゴを見たエレーナはレオナルドと勘違いして、軽蔑の念をあらわにする。ディエゴはエレーナの心がレオナルドになびいてはいないと知って安堵する。

 

 居眠りをしていたフネスのところへ、本物のレオナルドがやってくる。エレーナを手に入れたのかと尋ねるフネスにレオナルドは「手に入れたのはラウレンシアだ」と告げる。

 

 ラウレンシアは、レオナルド自身の口から、彼がフェリックスであるかのように見せかけて彼女の体を奪ったのだということを知る。この上ない侮辱を受けたと感じた彼女は、復讐を企てる。

 

 フェリックス、ディエゴ、エレーナは、ラウレンシアが怒りと苛立ちを見せている理由がわからず当惑する。ラウレンシアの侍女セリアは、凌辱を受けて自殺したルクレチアの歌を歌う。彼らはルクレチアの自殺は愚行であると意見する。ラウレンシアは、自分はルクレチアのように自殺するのではなく、復讐するであろうと宣言する。

 

 ラウレンシアはレオナルドに手紙を書き、顔をマントで隠して彼の家を訪れる。レオナルドは喜び、部屋へ彼女を迎え入れる。ラウレンシアはレオナルドを殺して逃げる。

 

 フネスがレオナルドを呼びに部屋へ入り、首を切り落とされたレオナルドの死体を見つける。フネスはディエゴがレオナルドを殺したのだと思いこみ、国王に知らせに行く。

 

 ラウレンシアは、自分をレオナルドに売ったコスメを毒殺する。フェリックスはラウレンシアの憂鬱が治ったのを見て喜ぶ。エレーナがやってきて、ディエゴとセリオがレオナルド殺しの嫌疑をかけられ、拷問の末に罪を白状したこと、彼らをかくまった罪でエレーナ自身も追われていることを告げる。フェリックスとラウレンシアは彼らを助けようと、国王のもとへ向かう。

 

 法廷に、聖職者を殺した靴屋が引き出される。靴屋は、彼の妻が聖職者に誘拐されて辱められたこと、それを訴えると大司教はその聖職者に半年間の業務停止という軽い罰しか与えなかったことを国王に告げる。国王は、靴屋にも半年間の業務停止の処分を与え、そのあとは自由にしてやるようにと命じる。

 

 ラウレンシアが法廷に現れ、国王と二人だけで話がしたいと願い出る。国王がそれを承知すると、ラウレンシアは自分の身に起こったことを告白する。国王はラウレンシアの行いを、旧約聖書におけるユディト(敵将ホロフェルネスの首を取った女性)の偉業に匹敵すると賞賛し、ラウレンシアの殺人については秘密にしてディエゴたちを放免すると約束する。

 

 ディエゴとエレーナ、フェリックスとラウレンシアが結ばれて幕となる。