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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

パルマ公によるマーストリヒト攻略(Asalto de Mastrique por el principe de Parma, el)

あらすじデータベース(A~C)Base de datos y Argumentos あらすじデータベース(ジャンル別・歴史劇)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1595-1607年

種類:歴史劇

補足:パルマ公アレッサンドロ・ファルネーゼによる1579年のマーストリヒト攻略が描かれる。男装の女性と、その女性に恋する女性が登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ネーデルラント諸州がスペインに反乱を起こす。パルマ公アレッサンドロ・ファルネーゼ率いるスペイン軍は、フランドルネーデルラント南部)に侵攻する。

 

 フランドル軍との戦いは膠着状態となり、スペイン軍は食糧不足に陥る。兵士のアロンソ・ガルシアは空腹に苦しむ。彼は仲間とともに、今の状況が変わらないのならスペインへ帰還しようと語り合う。

 

 男装の女性兵士マルセーラは、アロンソの恋人である。彼女は、スペイン軍の男性たちを魅惑している美しいフランドル人の女性兵士アイノーラに嫉妬している。

 

 パルマ公が作戦会議を開く。パルマ公は、現在の状態を打開するためにマーストリヒトを占領しようと提案する。指揮官たちは同意し、兵士たちの士気は上がる。スペイン軍はペトリホン(Petrijón)へ向かう。

 

 スペイン軍に所属するドイツ人兵士ビサンソンは、アイノーラに恋をしている。彼はアイノーラに関心を持つスペイン人兵士たちに嫉妬している。ビサンソンはアイノーラのために食料を探しに行く。

 

 アイノーラはマルセーラに出会う。アイノーラはマルセーラを男性と思いこみ、好意を持つ。マルセーラは彼女への嫉妬を隠し、男性のふりをし続けるが、そこへビサンソンが戻ってきて、マルセーラがアイノーラを口説いていると誤解し、怒って決闘を申し込む。マルセーラが言い訳をしているところへ偶然パルマ公が現れ、決闘はうやむやになる。

 

 スペイン軍はペトリホンに降伏を呼びかける。ペトリホンの市民はそれに応じず銃弾を浴びせるが、スペイン軍が大砲で反撃しようとすると、観念して降伏する。パルマ公は降伏する者の安全を保証する。

 

 マルセーラはビサンソンとの決闘から逃れるため、パルマ公に「ビサンソンがアイノーラを殺そうとしている」と告げ、ビサンソンには「パルマ公はあなたとアイノーラとの結婚を取り持とうとしている」と告げる。パルマ公はビサンソンを呼び、「きみとアイノーラとのことは真実なのか」と尋ねる。ビサンソンがそれを認めると、パルマ公は彼に鞭打ちの罰を与える。

 

 マルセーラは、アイノーラをスペイン側の軍人ドン・ロペに引きあわせる。ロペはマルセーラに、アイノーラに会わせてくれたお礼として金鎖を渡す。それを目撃したアロンソは二人に嫉妬する。しかし、マルセーラはアロンソに事情を説明して、ロペからもらった金鎖を彼に渡す。アロンソとマルセーラは仲直りをする。

 

 マーストリヒトフランドル司令官はペトリホンの降伏を知らされる。彼は敵のパルマ公をアレクサンドロス大王にたとえて賞賛するが、フランドル側の勝利を誓う。

 

 アイノーラは、マルセーラがロペを彼女に押し付けようとしたこと、ロペが野心家で不愛想な男性であり、自分の恋人にはふさわしくないことに不満を言う。彼女はマルセーラに恋をしている。パルマ公がやってきたので彼女たちは言い争いをやめる。

 

 兵士たちが塹壕掘りの作業に不満を言っているのを見たパルマ公は、率先して鍬を取り、土を掘って模範を示す。兵士たちは感激し、パルマ公に続いて熱心に塹壕を掘る。

 

 フランドル軍はスペイン軍を挑発し、パルマ公は興奮したスペイン軍兵士たちを抑制しきれず、マーストリヒトの最初の攻略は失敗する。

 

 マルセーラは、アイノーラが自分を引きとめたせいで戦いに加われなかったと嘆く。スペイン軍の指導者たちは、敵の守りが固く備えが万全であること、ドイツやフランドルに多くの借りを作っていることをパルマ公に指摘する。しかしパルマ公は国王の名誉のために戦いぬくことを宣言し、兵士たちに軍資金の貸し付けを求めるよう命令する。給金の支払いに不満を言っていた兵士たちも、パルマ公自身の依頼と聞くと、進んで所持金を差し出す。

 

 アロンソとマルセーラは戦火をくぐり抜けながら、物資の欠乏と互いの嫉妬について愚痴を言いあう。

 

 フランドル側は、スペイン軍のしぶとさと忠誠心を見て、彼らに不意打ちをかけることを計画する。フランドル軍は、スペイン側の兵士の結婚式の準備中に攻撃し、多大な損害を与える。

 

 従者に変装していたアイノーラは、ビサンソンに発見される。ビサンソンは彼女を元気づけようとする。マルセーラが現れて、スペイン軍兵士たちの勇敢さを自慢し、ビサンソンを腰抜けだと嘲笑する。ビサンソンが怒ってマルセーラと戦おうとすると、ロペが現れ、彼らを仲裁する。ロペはアイノーラがマルセーラを愛していることを察し、戦闘が終わったらふたりを結婚させようと申し出る。

 

 スペイン軍は多くの死者を出しながらも、マーストリヒトの塔を占拠する。パルマ公は急に失神し、医師から背中の腫物を取る手術をする必要があると告げられるが、翌日の攻撃のために休息することを拒否する。

 

 翌日は聖ペトロの祝日であり、パルマ公はその日のうちに勝利を得ようと望む。アロンソは、兵士たちの士気を鼓舞する任務を命じられる。彼はすすんで敵陣の中にとび込んでいき、スペイン側の勝利に貢献する。

 

 パルマ公は、兵士たちに市内の略奪を許可するが、市民に手荒な真似をすることは禁じる。

 

 アイノーラはマルセーラとの結婚を望む。しかしマルセーラが自分の正体を明かすと、アイノーラは失恋を受け入れてロペの求愛に応える。マルセーラはアロンソと結ばれる。

 

 マーストリヒト市内へ向かうパルマ公の行進の場面で幕となる。