Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

偽りのアルジェと恋の背教者(Argel fingido y renegado de amor, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599年

種類:都会的な同時代劇と、非現実的な冒険小説の要素が混在している。

補足:コルシカ島が舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 コルシカ島の青年レオニードは、フェリーペ3世の結婚式に出席するためバレンシアに出かけていた。レオニードの留守中、彼の恋人フレリダロサルドという青年が言い寄っていたが、フレリダは相手にしなかった。

 

 コルシカに戻ってきたレオニードは、フレリダの兄アウレリアーノフラビアという女性に恋していることを知る。しかしフラビアはレオニードの兄マンフレードの恋人であった。

 

 レオニードは兄を裏切り、恋人の兄であるアウレリアーノの恋を応援することにする。アウレリアーノはそれを喜ぶ。しかしその後、マンフレードがロサルドからフレリダを守ってくれていたことを知ったレオニードは、兄への義理から今度はアウレリアーノを裏切り、兄の恋を応援することにする。それによってレオニードはアウレリアーノの恨みを買う。

 

 フレリダの自宅で彼女とフラビアが話をしていると、レオニード、アウレリアーノ、マンフレード、ロサルドがやってくる。二つの三角関係が交錯して、6人の男女は言い争いを始め、それぞれが自分の嫉妬心や疑念をさらけ出す。

 

 アウレリアーノはレオニードに裏切られた恨みから、妹のフレリダをレオニードと別れさせ、ロサルドと結婚させると宣言する。フレリダはそれを断固として拒否する。フレリダに拒絶されたロサルドは怒り、自分はアルジェに行ってイスラム教に改宗すると宣言する。

 

 ロサルドは突拍子もない計画を立てる。彼は従者たちを呼び集め、ともにガレー船に乗って無人島へ向かう。ロサルドと従者たちはそこで背教者(キリスト教からイスラム教徒に改宗した人)のふりをして暮らし、モーロ人の服を着て海賊行為をはたらく。

 

 レオニードはアウレリアーノから「マンフレードをフラビアから遠ざけてくれ」と迫られる。やむをえず彼は、交渉の任務があるという口実を作って兄をサルデーニャ島へ行かせる。マンフレードは疑念を抱きつつも弟の指示に従う。

 

 マンフレードがコルシカ島から去った後、アウレリアーノはフレリダとフラビアをさそい、海辺でボートに乗る。アウレリアーノは彼女たちに、ロサルドが背教者となってコルシカ島を襲おうとしているらしいと話すが、フレリダはその話を信用しない。

 

 マンフレードは、レオニードにだまされたのではないかと疑い、サルデーニャ島へ向かう途中で小舟の船頭を雇って引き返し、フラビアを捜そうとする。

 

 マンフレードは、アウレリアーノ、フレリダ、フラビアがロサルドの海賊船に拉致されるのを目撃する。マンフレード自身も捕えられるが、海にとび込んで逃げだす。

 

 レオニードはマンフレードから話を聞き、三人をロサルドの手から救い出そうと決意する。船を持っていない彼らは修道士に変装し、捕虜の解放の交渉に行くという名目で船に乗せてもらうことにする。

 

 背教者のふりをしたロサルドは、アウレリアーノ、フレリダ、フラビアを自分たちの暮らす島へつれていく。彼はフレリダに向かって、自分の恋人にならなければ殺すと脅す。怯えたアウレリアーノとフラビアは、彼の要求に従うようフレリダに懇願するが、フレリダはそれを拒否する。ロサルドは激怒して彼らを痛めつけようとするが、従者たちがそれを制止する。

 

 ロサルドのもとへ、修道士に変装したレオニードとマンフレードが現れる。彼らが捕虜を請け戻したいと申し出ると、ロサルドは「フレリダが自分を好きになるようにはからってくれればキリスト教徒に戻り、報酬も与える」と返答する。

 

 レオニードとマンフレードは、それぞれの恋人に再会する。しかしロサルドの従者の告げ口によって、彼らの正体がロサルドにばれてしまう。ロサルドは怒り、二人を捕えて痛めつける。

 

 フレリダから頑なに拒まれることに閉口したロサルドは、従者の忠告によって、彼女をあざむく計画を立てる。彼はレオニードに「私はフレリダをあきらめ、フラビアを恋するようになったので、それに協力してくれればキリスト教徒に戻る」と告げて、そのことをフレリダに伝える手紙をレオニードに書かせる。ロサルドはその手紙を利用して、レオニードがフラビアに気もちを移したようにフレリダに誤解させる。フレリダは彼の計略にはまり、レオニードを恨んで仕返しを企てる。

 

 フラビアは、アウレリアーノから求愛されながらもマンフレードへの愛を貫く。いっぽうフレリダはレオニードを欺き、「ロサルドと結婚してイスラム教徒になる」と宣言する。レオニードは絶望し、逃亡する。

 

 フレリダは兄のアウレリアーノに、自分の結婚と改宗はレオニードに仕返しをするための嘘なのだと告白する。アウレリアーノはフレリダがレオニードを誤解していることを伝え、彼女を叱責する。

 

 フレリダはロサルドを狩猟に誘い、途中で彼から離れてレオニードを捜しに行く。レオニードは崖から身を投げようとしていたが、フレリダはそれを止める。二人はロサルドの計略にはめられていたことを知り、仲直りをする。

 

 レオニードとフレリダはロサルドたちから逃れるため、洞窟に隠れる。そこへ、やはり逃亡してきたマンフレードとフラビアが入ってくる。4人は、ロサルドにさんざん振り回され疲労困憊する。

 

 フレリダを捜しに来たロサルドは、疲れて草の上で眠ってしまう。レオニードとマンフレードは彼を捕える。ロサルドは背教者のふりをしていたことを告白し、自分の行いを悔い改めると告げる。アウレリアーノはフラビアをあきらめ、レオニードとフレリダ、マンフレードとフラビアが互いの愛を確かめ合って幕となる。