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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

セビーリャの砂原(アレナル)(Arenal de Sevilla, el)

あらすじデータベース(A~C)Base de datos y Argumentos あらすじデータベース(ジャンル別・都会的な同時代劇)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1603年

種類:都会的な同時代劇

補足:セビーリャのアレナル地区が舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 セビーリャに住むドニャ・ラウラは、同市の「砂原(アレナル)」と呼ばれる地区の美しさを誇りに思っている。彼女はある日、侍女のウルバーナとともに「黄金の塔(La Torre del Oro)」(ムワッヒド朝時代の建築)と、港に出入りする各国の帆船を見物に出かける。

 

 ラウラは港でドン・ロペに出会い、彼に惹かれる。しかしロペはラウラに関心を示さず、従者のトレドとともにインディアス(中南米の植民地)へ行く帆船に乗り込む。ラウラは彼の後を追う。

 

 別の船の船長ファハルドは、ラウラに恋している。彼はラウラがロペを追いかけていくのを見て嫉妬する。

 

 ロペはラウラに、「私は、自分の恋人に言い寄る男を傷つけてしまったために故郷を出てきたのだ」と説明する。ラウラは彼に思いを告げ、自分のリボンを渡して下船する。

 

 ラウラと別れた後、ロペは彼女のことが気になり、インディアス行きを中止する。トレドはラウラの後を尾行して、彼女の住所をつきとめる。

 

 ロペは独りでいたところを強盗に襲われ、重傷を負ってしまう。トレドとともにロペを発見したラウラは、彼を自宅で介抱し、周囲には彼を自分のいとこだと説明する。

 

 5か月が経過する。ロペはラウラの家に滞在し続けている。ファハルドはそれを苦々しく思う。

 

 ヒターナ(ロマの女性)に変装したルシンダがセビーリャのアレナル地区に到着する。ルシンダはファハルドの手相を見ると言って彼に近づくが、ファハルドはルシンダのアクセントから、彼女がヒターナではないことを見抜く。

 

 ルシンダは、恋人のロペをさがしに来たのだとファハルドに告白する。彼女はバリャドリードでロペと6年間恋人として過ごしたが、アルベルトという男性にも求婚されていた。アルベルトが有名な画家に描かせたルシンダの肖像画を持っていることに嫉妬したロペは、アルベルトと争って傷を負わせてしまい、逃亡したのだった。

 

 ファハルドは、「ロペは彼のいとこのラウラの家に滞在中」だと告げる。ルシンダは、それが偽装であり、ふたりが恋仲になっていることを悟る。そこへラウラとウルバーナが通りかかる。ルシンダは再びヒターナのふりをして、ラウラの手相を見ると言って彼女たちに近づく。ファハルドから聞き出した情報を使って、ルシンダは自分が占いの天才であるかのように二人に思いこませる。ラウラはルシンダを「モーロの王妃の浴場(Los baños de la reina mora )」(ムワッヒド朝時代の浴場の遺跡)にある、自分の別宅に招待する。

 

 ルシンダがラウラの別宅を訪れると、そこへロペとトレドも現れる。ルシンダはロペの手相を見ながら、彼の近況を聞き出そうとする。ロペはルシンダの正体に気づき、バリャドリードでの彼女との関係をラウラに暴露されないだろうかという怖れと、ルシンダが嫉妬から自分に復讐するのではないかという怖れを抱く。ちょうどその時、高名な軍人ドン・フアン・デ・カルドナがセビーリャに到着したことを祝うパレードが近づき、ロペはそれを見物するふりをしてルシンダから逃れる。

 

 ラウラに恋をしているファハルドが、再びセビーリャへ戻ってくる。ルシンダに恋をしているアルベルトも、ロペに復讐しようとセビーリャへやってくる。ファハルドと偶然出会い、身の上をうちあけたアルベルトは、ロペが現在はラウラと恋仲になっていることを聞かされる。

 

 ロペはルシンダに、「ラウラと結婚しようと思っているので、これ以上自分を煩わせないでほしい」と頼む。ルシンダは彼の仕打ちを恨み、仕返しを企てる。

 

 ルシンダは自分の従者フロレーロに警吏の扮装をさせ、ラウラにむかって「おまえがかくまっている男は騎士に変装したヒターノ(ロマの男性)の泥棒で、4度の結婚歴がある」と嘘を言わせる。驚いたラウラはルシンダを呼んで相談する。ルシンダは「実は私は彼の妻で、彼があなたの家から今夜財産を盗んで逃亡しようと言うのでなんとか阻止しようとしたが、彼に暴力を振るわれた」と嘘を言う。

 

 ルシンダの言葉にショックを受けたラウラは、ロペに向かって「あなたを狙っている男たちがこの近くに来ている」と言い、彼を家から出ていかせる。

 

 ロペとトレドはアルベルトからの刺客が来たのだと思い、ロマの男に扮装して出発する。ラウラの家を訪れようとしていたファハルドとアルベルトは、ラウラからは泥棒の一味と間違われ、ロペからはアルベルトの差し向けた刺客と間違われる。

 

 怯えたロペはラウラの家へ戻り扉を叩くが、ラウラはロペをしめ出し、彼を「ヒターノの泥棒」と呼ぶ。ロペはラウラが自分の正体を隠すために言ってくれているのだと勘違いし、わざとヒターノの隠語をまじえてそれに返答してみせる。ラウラはそれを聞いて、いよいよロペは泥棒に間違いないと思いこむ。

 

 ロペがラウラと話している間に、アルベルトはロペの正体に気づき、彼を殺そうとする。しかしファハルドが間に入って、二人を和解させる。

 

 幾多の混乱ののち、ルシンダは自分の正体を明かす。ロペとラウラが結婚し、彼らの立ち会いのもとにルシンダとアルベルトが結婚することになる。トレドとウルバーナも結ばれる。セビーリャにニエブラ伯爵が到着したことを知らせるパレードとともに幕となる。