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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

カタイのアンジェリカ(Angélica en el Catay)

あらすじデータベース(A~C)Base de datos y Argumentos あらすじデータベース(ジャンル別・その他の劇)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599-1603年

種類:文学作品に基づく騎士道物語的な劇

補足:カタイ(中国)をインドと混同している描写が見られる。アリオストの『狂えるオルランド』を翻案した作品。(人名表記は基本的にアリオストの作品の邦訳にならう。)

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 リナルドオルランドは、ともにフランスの貴族であり、シャルルマーニュカール大帝の甥である。彼らはフランス側の捕虜になっているカタイ(中国)の王女アンジェリカに恋しており、彼女をめぐって互いに争う。

 

 シャルルマーニュが彼らの戦いをやめさせる。彼はアルジェの王ロドモンテの軍勢がパリに迫っていることを告げる。

 

 アンジェリカはリナルドとオルランドにまったく興味を示さず、シャルルマーニュに「あなたの騎士たちが兵士としての務めを果たさないのは私のせいではありません。彼らが、武力を磨くことよりも宮廷での遊戯を楽しむことに熱心になっているからです」と皮肉を言う。シャルルマーニュは甥たちに、ロドモンテの軍との戦いで戦果をあげたほうにアンジェリカを与えると約束する。

 

 グラナダの王女ドラリーチェは、ロドモンテと結婚するためにパリへ向かっていたが、途中でタタールの王マンドリカルドに拉致されてしまう。ロドモンテはそれを聞いて激怒し、フランスとの戦いを中止してマンドリカルドを追おうと考えるが、友人のグラマンにいさめられ、パリへ攻め入ることを再び決意する。

 

 戦場で、オルランドとロドモンテは一騎打ちをしようとする。しかしアグラマンテが負傷したために、ロドモンテは彼を助けるほうを選ぶ。オルランドは、ロドモンテを臆病者と呼んで嘲笑する。

 

 アンジェリカは、フランス軍の混乱に乗じて独房から逃亡する。彼女は、どんなに立派な騎士に言い寄られても愛を感じる事ができない自分の心について思いをめぐらす。そこへ、アンジェリカに恋するモーロ人の王サクリパンテが現れ、彼女を紳士的に保護すると約束する。アンジェリカは彼を信用して行動を共にする。

 

 オルランドは、スコットランドの王妃イザベラを救出する。さらに、捕らわれて捕縛されていた彼女の夫ゼルビーノ王も見つける。再会を喜ぶ二人を見て、オルランドは己の孤独を感じる。

 

 サクリパンテはアンジェリカとの約束を破り、彼女の体を奪おうとする。助けを求める彼女の声を聞いて、リナルドが駆けつける。リナルドとサクリパンテが戦っている間に、アンジェリカは森の中へ逃亡する。

 

 パリでの戦いで、アグラマンテの軍は壊滅的な打撃を受ける。ただひとり生き残った若い兵士メドーロも、友人と父親の悲惨な死を目の当たりにする。

 

 リナルドとサクリパンテから逃亡していたアンジェリカは、偶然メドーロの不幸を目撃し、深く同情する。アンジェリカはベラルドという村人の助けを借りて、傷を負ったメドーロをベラルドの家へ運び、介抱する。

 

 アンジェリカを探すオルランドの前に、ドラリーチェをつれたマンドリカルドが現れる。マンドリカルドは、オルランドの持つ名剣ドゥリンダーナを奪おうと、彼に戦いを挑む。オルランドはそれを受けて立つ。

 

 アンジェリカとメドーロは、互いに愛し合うようになる。二人は森の中で幸福な時間を過ごし、樹の幹に自分たちの名前を愛の証として彫り込む。アンジェリカはメドーロをカタイの王にすると約束し、村人たちの親切に対する礼として宝石を贈り、メドーロとともに旅立つ。

 

 マンドリカルドとの戦いに疲れたオルランドは、木陰に入って休息をとる。オルランドがその木をふと見ると、アンジェリカとメドーロの名前が幹に刻まれている。動揺するオルランドに、ベラルドがアンジェリカとメドーロの幸せそうな様子を語って聞かせる。嫉妬に正気を失ったオルランドは狂乱し、服を脱ぎ棄て、獣のような行動をとるようになる。

 

 ゼルビーノとイザベラは、狂乱するオルランドと、彼の剣ドゥリンダーナを発見する。アンジェリカとメドーロの名前が刻まれた樹を見て、彼らはオルランドが正気を失った理由を知る。そこへマンドリカルドとドラリーチェが現れる。ふたたびオルランドと戦おうとするマンドリカルドを制止しようとして、ゼルビーノは瀕死の重傷を負ってしまう。

 

 さらにロドモンテが現れ、ドラリーチェを拉致したマンドリカルドに戦いを挑む。しかしアグラマンテの軍勢が押し寄せたため、二人は戦いを中止する。

 

 山の中を歩いていたアンジェリカとメドーロは、オルランドに遭遇する。嫉妬に狂乱するオルランドはメドーロを殺そうとするが、アンジェリカは魔法の指輪を使ってメドーロとともに姿を消す。

 

 戦いは、イスラム教徒側の敗北に終わる。アグラマンテは、ロドモンテとマンドリカルドに和解するよう進言する。彼らはドラリーチェ自身に夫を決めてもらうことにする。ドラリーチェはマンドリカルドを選ぶ。

 

 ロドモンテは失望のあまり女性に対する憎悪をつのらせ、たまたま出会った女性を辱めようとする。それは夫の死を看取ったばかりのイザベラだった。イザベラは、辱めを受けるくらいなら夫とともに死ぬ道を選ぼうと思い、彼に「私はオルランドが不死身である理由を知っている。ある薬草から作った軟膏を塗ると皮膚が剣もはね返すほど固くなるのだ。それを私の首に塗るから、剣で切ろうとしてみてほしい」と言う。ロドモンテは承知する。

 

 オルランドが村を破壊して回るために、村人たちはオルランドを捕縛する。オルランドは、恋するアンジェリカがメドーロとともにカタイへ去ってしまったことを嘆く。

 

 イザベラが自ら死を選ぶためについた嘘によって、ロドモンテは彼女を切り殺してしまう。彼は嘆きながら、彼女と夫の墓を建てることを誓う。

 

 ロドモンテは、橋を通る者たちから「衣服の一部か武器」を奪ってやろうと待ち構える。そこへ裸のオルランドがやってくる。橋を渡らせようとしないロドモンテとオルランドは争い、ともに川に落ちる。ロドモンテは溺死する。

 

 オルランドは友人や親類によって手足を縛られ、宮廷へ送られ、治療を受けることになる。

 

 アンジェリカとメドーロは、アンジェリカの祖国カタイへ行き、二人の王として統治することになる。カタイの人々は二人を歓迎し、ガンジス川の岸辺で祝祭を催す。

 

狂えるオルランド

狂えるオルランド