Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

アルバニオとイスメニアの恋(Amores de Albanio y Ismenia, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1590-1595年

種類:文学作品に基づく牧人劇

補足:舞台となるのはイベリア半島であるが、スフィンクスが登場する。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  タホ川近くの教会で、村人の家に生まれた赤ん坊の洗礼式が行われる。赤ん坊の名付け親(代父)として出席するためにやってきた羊飼いのアルバニオは、同じく名付け親(代母)をつとめる村一番の美女イスメニアと出会う。二人はすぐに恋に落ちる。

 

 以前からイスメニアに恋していた羊飼いのアスカニオビレーノは、アルバニオに激しく嫉妬する。

 

 洗礼式の後の祝宴で、アルバニオは場を盛り上げてくれた歌手たちに家畜を謝礼として贈り、気前のいいところを見せる。その後行われたゲームで、アスカニオとビレーノは彼に対する妬みの感情をほのめかす。イスメニアは友人のシルバーナに、アルバニオへの恋心をうちあける。

 

 アルバニオは、村に住んでいる兄のダリーソに、自分がイスメニアに恋していることをうちあけ、協力を求める。しかしダリーソは、てごわいライバルたちがいることを彼に警告する。

 

 イスメニアは「アルバニオから恋文が来たが、軽い女だと思われたくないのでまだ返事を書いていない」とシルバーナに話す。しかしそこへアルバニオが現れ、二人は我を忘れて周りの目もはばからずに愛の言葉を交わす。シルバーナが注意を促すが、時すでに遅く、その様子をアスカニオに見られてしまう。アスカニオの激怒を恐れ、アルバニオはその場から逃げる。

 

 ビレーノのたくらみによって、アルバニオは村から出ていくようにと領主の伯爵から言い渡される。アルバニオとイスメニアは悲しみながら別れを告げ、自分たちの恋を貫くことを誓い合う。

 

 アルバニオが去ると、アスカニオとビレーノはイスメニアに声をかけ、自分たちのうちのどちらかを恋人として選んでほしいと言う。イスメニアは、「人間に謎をかけ、解けない者を殺すと言われているスフィンクスの洞窟に入って、洗うと顔が美しくなると言われる泉の水を汲んできてくれる人を選ぶ」と答える。

 

 ビレーノとアスカニオは、イスメニアの愛を獲得しようと、スフィンクスの洞窟へ向かう。イスメニアは二人が死んでしまえばいいと思い、独りでアルバニオを思って泣く。そこへ彼女の父親マランドロがやってきて、仕事のためにアンダルシアまで行くのでついてきてほしいと彼女に頼む。イスメニアは承諾する。

 

 ビレーノは、女の顔と獅子の足をもったスフィンクスを見て恐怖のあまり逃げ出してしまう。いっぽう、アスカニオはスフィンクスの謎を見事に解いてみせる。スフィンクスは敗北を認めて自殺し、アスカニオは泉の水を手に入れる。しかし村へ戻ってみるとイスメニアはいなくなっており、彼らは落胆する。

 

 アルバニオは、イスメニアが父親とともにアンダルシアへ向かっていることを知り、彼女に会いに行こうと決心する。

 

 アンダルシアに着いたイスメニアは、そこの牧人頭ピナルドに求愛される。しかし彼女はアルバニオへの愛を貫き、彼を拒絶する。

 

 イスメニアに会いに行ったアルバニオは、ピナルドがイスメニアに求婚しているという噂を聞き、彼女が心変わりしたのだと思いこんで落胆する。彼は軍隊に入り、兵士として戦った後、伯爵の命令によって村へ戻る。

 

 ダリーソは、アルバニオにイスメニアのことを忘れさせるため、以前からアルバニオに恋しているアンタンドラという女性とつき合うよう彼に勧める。

 

 伯爵に跡継ぎが生まれ、村人たちは祝宴を開く。ピナルドとイスメニアもやってくる。再会したアルバニオとイスメニアは、互いの心変わりを非難する。イスメニアは泣きながら、アルバニオを思い続けていると誓い、アルバニオはそれを信じる。アルバニオもまた、イスメニアを思い続けていたことを告白する。ピナルドとアンタンドラはその様子を見て嫉妬する。

 

 祝宴が始まり、踊りや歌が披露される。ピナルドは喧噪にまぎれてアスカニオやビレーノとともにアルバニオを殺そうとし、祝宴の場は騒然となる。伯爵は怒り、祝宴を中止させる。

 

 アルバニオは、ピナルドたちに殺されそうになったことを伯爵に説明する。伯爵は事情を聞き、イスメニア自身に夫を選ばせることを提案する。

 

 イスメニアは、夫選びを伯爵夫人の判断に委ねる。あらかじめイスメニアの意思を確認していた伯爵夫人は、アルバニオを彼女の夫に選ぶ。ピナルド、アスカニオ、ビレーノ、アンタンドラが落胆する中、アルバニオとイスメニアが結ばれて幕となる。