Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

秘めたる恋は嫉妬に終わる(Amor secreto hasta celos)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1612-1615年

種類:架空の宮廷劇

補足:詩人ルイス・デ・ゴンゴラに献呈されている(彼との和解を望んでロペが献呈した)。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 舞台はサラゴサドン・フアンは、親戚の女性ドニャ・クララに求愛する。クララはフアンを憎からず思い、「あなたの恋心を完全に秘密にしておいてくれるなら、あなたを愛しましょう」と告げる。フアンは、とても難しいことだと思いながらもそれを約束する。

 

 フアンをひそかに愛しているのは、クララの友人ドニャ・レオノーラである。

 また、クララをひそかに愛しているのは、レオノーラの兄ドン・アルバーロと、アラゴン王国皇太子アルフォンソである。

 

 アルフォンソは、従者オクタビオの勧めに従って、クララとの取り持ち役をフアンに依頼する。フアンは絶望的な気もちになりながらも、クララとの約束を守って自分の思いを隠し、その依頼を承諾する。

 

 フアンは、従者のファビオにもクララへの恋心を悟られまいとする。ファビオがレオノーラからの恋文を持ってくると、フアンは「恋とはどういうものなのかわからない」と言ってそれを捨てる。

 

 レオノーラは、兄のアルバーロとクララとの間を取り持とうとするが、クララもまたフアンと同じように「恋というものがわからない」と言ってアルバーロの求愛を退ける。しかし彼女は、レオノーラがフアンに恋していることを知ってひそかに嫉妬する。

 

 クララの家を皇太子アルフォンソが訪問することになり、フアン、アルバーロ、レオノーラも同席する。フアンは皇太子との仲を取り持つという口実でクララに近づき、話しかける。クララはひそかにフアンに手紙とリボンを渡し、自分が愛しているのは彼であることを伝える。

 

 アルバーロとレオノーラの兄妹は、フアンがほんとうはクララに恋しているのではないかと疑い始める。ふたりは彼らの真意を知るための計略を練る。

 

 皇太子アルフォンソもまた、フアンがクララに恋をしているのではないかと疑い始める。アルフォンソは彼らの従者たちを呼び出し、真実を言わせようとするが、ふたりともフアンとクララが愛し合っていることを否定する。アルフォンソはフアンに向かって「クララとオクタビオを結婚させようと思う」と嘘を言うが、フアンは感情の変化を見せず、皇太子に協力することを約束する。

 

 フアンは、皇太子から言われたことをクララに報告する。二人は、皇太子がフアンに疑いを抱き始めていることを察する。フアンは、自分たちの恋を関係者に公表してしまった方がいいと主張するが、クララは皇太子に恋を妨害されないためには、まだ秘密にしておくべきだとフアンを説得する。

 

 皇太子は、まだフアンへの疑念が消えず、彼を追いはらうためにトレドへの派遣を言い渡す。しかしフアンはファビオに変装をさせて、自分の代わりにトレドへ行かせることを思いつく。

 

 いっぽう、レオノーラは「手に怪我をして手紙を書けないので、フアンへの恋文の代筆をしてほしい」とクララに頼んで手紙を書かせる。アルバーロはそれを自分がクララから受け取った手紙だと言ってフアンに見せ、彼女から他にも多くの手紙をもらっていると嘘を言う。フアンは感情を隠しておくことができなくなり、自分とクララとの関係を告白する。彼は「嫉妬するに至っては、もう恋を秘めてはいられない」と言って去る。アルバーロとレオノーラはクララに会い、フアンとの恋を秘密にしていたことを非難する。クララはフアンが自分たちの関係を彼らに暴露してしまったことを知り、「恋を秘めていられるのも、せいぜい嫉妬するまでなのね」と嘆く。

 

 クララとフアンとの恋が明るみに出たことで、クララの評判に傷がつくことを恐れた彼女の父親は、彼女をすぐにオクタビオと結婚させようと考える。

 

 フアンはクララと話をするために、夜に彼女の家の窓辺へ行く。彼はクララが皇太子とアルバーロの求愛を断るのを目撃する。皇太子はフアンの姿に気づき、トレドに行っているはずのフアンがいることを怪しみながら去る。フアンはクララに会い、自分が秘密を守り切れなかった理由を説明する。二人は互いの愛を確かめ合う。

 

 フアンのふりをしてトレドへ赴いたファビオは、いくつかの失態を演じながらも、カスティーリャに歓待され、サンティアゴ騎士団の服を与えられて戻ってくる。

 

 フアンはファビオから服を受け取って、自分がトレドから戻って来たように見せかけ、アルフォンソ皇太子にカスティーリャ王からの手紙を渡す。手紙には、フアンとクララとの結婚を許すようにという内容が書かれていた。カスティーリャ王の保護を得られたことを知ったフアンとクララは、ようやく自分たちの関係を公表する。アルフォンソは二人の結婚を認める。アルバーロはクララの妹と、レオノーラはオクタビオと、アルフォンソはナバーラの女王と結婚することになる。ファビオには1万ドゥカードの褒賞が与えられて幕となる。

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ベラスケス《ルイス・デ・ゴンゴラの肖像》

1622年 ボストン美術館

Ciudad de la pintura - La mayor pinacoteca virtual