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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

友情と恩義(Amistad y obligación, la)

あらすじデータベース(A~C)Base de datos y Argumentos あらすじデータベース(ジャンル別・架空の宮廷劇)

ロペへの帰属:ほぼ確実

執筆年代:1620-1625年

種類:架空の宮廷劇

補足:スペインのパンプローナ、およびフランスのブルターニュ地方が舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 パンプローナの騎士ドン・フェリックスは、ドン・ペドロという人物に不当な辱めを受けた。従者のロペからその話を聞いた彼の友人ドン・マルティンは、路上で偶然ペドロに会い、フェリックスの名誉をかけて決闘を申し込む。その結果ペドロは死に、マルティンは国外へ逃亡することを余儀なくされる。

 

 フェリックスはマルティンの友情に感謝し、彼に同行する。マルティン、ロペ、フェリックスは海路でフランスへ向かうが、途中で船が難破し、フェリックスは残りの二人とはぐれてしまう。

 

 舞台は、フランスのブルターニュ沿岸にあるアウレリオ伯爵の別荘に移る。伯爵は、かつてフランドルでの戦いでスペイン軍の捕虜になり、解放してもらうための条件として、娘のレオナルダをスペイン人の騎士に嫁がせる約束をした。レオナルダはそのことに強い不満を持っていたが、父親には何も言えず、いとこのクラベーラにだけ自分の気もちをうちあける。

 

 難破してブルターニュの海岸にたどりついたマルティンとロペは、別荘の管理人の娘シルビアに介抱されていた。レオナルダとクラベーラに出会ったマルティンは、フェデリーコという偽名を名乗る。レオナルダ、クラベーラ、シルビアは、みなマルティンに惹かれる。

 

 遅れて、フェリックスも海岸へたどりつく。アウレリオ伯爵は、強盗に襲われた彼を助ける。フェリックスはベルトランという偽名を名乗る。彼を気に入った伯爵は、秘書として雇うことにする。

 

 マルティンは、レオナルダに恋をする。しかし伯爵は、レオナルダを婚約者に会わせるために本宅へつれて帰ると告げる。レオナルダはマルティンを庭師に変装させ、庭園を管理する仕事を与える。フェリックスは伯爵の秘書として本宅へ行く。

 

 マルティンに片思いしているクラベーラはフェリックスに、「恋する相手が自分を好きになってくれないときはどうしたらいいか」と質問する。フェリックスは「他の人に恋しているふりをするといい」と答える。そのフェリックスも片思いに悩んでおり、クラベーラは「あなたもその言葉のとおりにしたらいかが」と彼に忠告する。フェリックスが片思いしている相手はレオナルダである。そこへレオナルダがやってきて、庭園にいるマルティンへ手紙を届けてほしいとフェリックスに頼む。

 

 マルティンは庭園で働きながら、海上ではぐれたフェリックスの身を案じていた。そこへフェリックスが手紙を届けに来る。二人は再会を喜びあう。

 

 レオナルダの手紙には、マルティンを新しい庭師として父に紹介するから本宅へ来てほしいと書かれていた。彼女とマルティンが相思相愛であることを知り、フェリックスはひそかに悲しむ。

 

 マルティンとフェリックスは一緒に伯爵の本宅へ行く。マルティンとレオナルダが互いに愛を語り合っている間、クラベーラとフェリックスは互いに恋をしているふりをするが、相手の思惑がわかっているのでぎこちないものとなる。

 

 伯爵はフェリックスに、レオナルダの婚約者についてくわしく語る。婚約は親同士が書類を取り交わしただけのものであり、その婚約者とは、実はフェリックス本人のことであった。フェリックスがベルトランという偽名を使っているため、伯爵は彼が娘の婚約者であるとは気づいていない。

 

 それを傍で聞いてしまったマルティンは深く悲しみながらも、フェリックスとレオナルダが婚約しているのなら、自分はそれを邪魔したくないので身を引くと彼に申し出る。フェリックスは友人の思いやりに感動し、自分が必ずマルティンと彼女を結婚させると約束する。

 

 二人はロペに豪華な服を着せ、レオナルダの婚約者として伯爵の本宅に出向かせる。儀式が終わってから彼女をつれ出し、マルティンと正式に結婚させるという計画である。しかしその計画を知らないレオナルダは自分の運命に絶望し、毒草を食べて死のうと庭園へ向かう。マルティンは彼女をなだめ、自分たちが立てた計画をうちあける。レオナルダは喜び、自殺を思いとどまる。

 

 しかし、その話を傍で聞いていたシルビアが、嫉妬にかられて彼らの計画を伯爵にばらすと騒ぐ。マルティンはやむをえず彼女を庭園の檻に閉じ込める。

 

 マルティンは、フェリックスの様子が悲しげであるのを見て、彼がまだレオナルダへの未練を断ち切れないことを悟る。二人はどちらも相手への友情のために恋をあきらめようと申し出る。最終的にはフェリックスが「友人の障害にはなりたくない」と身を引くことを望み、マルティンを説得する。

 

 伯爵、レオナルダ、クラベーラ、ロペが庭園へやってくる。彼らはシルビアの叫び声を聞き、閉じ込められていた彼女を救い出す。シルビアは「婚約者は偽物で、伯爵の財産を盗むためにロペが変装しているのだ。庭師と秘書も彼とグルで、みんなでスペインへ逃亡するつもりなのだ」と告げる。

 

 伯爵が拷問台を持ってこさせようとすると、ロペはふるえあがって真実を告白する。マルティンとフェリックスの固い友情について聞かされると、伯爵は心を動かされ、マルティンとレオナルダとの結婚を受け入れる。最終的にはフェリックスとクラベーラ、ロペとシルビアも結ばれて幕となる。