Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

不本意ながらの友(Amigo por fuerza, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599年

種類:架空の宮廷劇

補足:ハンガリーとボヘミアが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ハンガリー王国は、ボヘミア王国と戦争中である。きっかけとなったのは、ハンガリーアストルフォ伯爵がボヘミア王の親類を殺したことであった。アストルフォは、彼がハンガリー王女ルシンダを軽んじる発言をしたことが許せなかったのである。

 

 ルシンダを愛しているアストルフォは、ある夜、大胆にも王宮のバルコニーに梯子をかけて、こっそりルシンダの部屋へ忍び込む。ルシンダは彼を受け入れる。

 

 偶然それを見たルシンダの兄トゥルビーノ王子は憤慨するが、彼はアストルフォの妹リサウラに恋しているため、彼を見逃すことにする。王子は、不本意ではあるがアストルフォを今後友人として扱う決意をする。

 

 ハンガリー国王ロシムンドは、ボヘミアとの戦争が終わりに近づいているという知らせを受ける。ボヘミア国王テオドシオは講和の条件としてルシンダ王女を妻にもらいたい、また自分の親類を殺した罪でアストルフォを捕虜にしたいと望む。トゥルビーノ王子は、表向きはアストルフォへの友情と妹の名誉のためにそれに反対する。彼の本心は、リサウラと結婚するためにアストルフォをかばわざるを得ないのである。しかし父ロシムンドは、テオドシオの条件を受け入れてしまう。王子は父と対立し、王宮を逃れて森にひきこもる。

 

 ルシンダ王女はテオドシオの妻として、アストルフォは捕虜として、別々にボヘミアへつれていかれる。二人は別れる前に永遠の愛を誓いあう。

 

 テオドシオの前につれてこられたアストルフォは、気がふれた人間のふりをする。テオドシオや家臣たちは、ルシンダ王女が結婚してしまうと知って彼が狂気に陥ったのだろうと推測する。アストルフォは塔に幽閉される。

 

 ルシンダ王女のほうは、ボヘミアへつれていかれる途中で、何者かに拉致されてしまう。彼女を拉致したのはトゥルビーノ王子であった。王子は自分がリサウラに恋していることを妹にうちあけ、彼女をリサウラのもとへつれていく。トゥルビーノ、ルシンダ、リサウラは変装して、ともにアストルフォを救出するためボヘミアへ出発する。

 

 ロシムンド国王は、ルシンダの拉致をボヘミア国王の陰謀と考え、ボヘミアに攻め込む。

 

 ルシンダ王女の従者オルテンシオがうまく塔の管理人をだまして、王女とリサウラを牢獄に入れることに成功する。管理人は夜中にリサウラを犯そうとするが、ルシンダによって刺し殺される。二人の女性は管理人の鍵を奪い、アストルフォとともに脱走する。

 

 ところが、彼女たちの計画を知らされていなかったトゥルビーノ王子は、手紙の配達人に変装してルシンダからの手紙を塔に届けに来た後、管理人と同じ部屋で夜を明かしていた。王子は管理人殺しの容疑をかけられて捕まってしまう。アストルフォがすでに脱走してしまったことを知った王子は「不本意ながら友となった相手のために、命まで失うことになろうとは!」と嘆く。

 

 ルシンダ王女、リサウラとともに逃げていたアストルフォは、トゥルビーノ王子が捕らわれたことを知り、彼を助けるために引き返す。彼らは外国から来た医師と助手たちだと名乗り、病気のふりをしている王子の治療のために牢に入って、ひそかに彼を脱出させる。

 

 戦場では、ロシムンドもテオドシオも和平に気もちが傾いてきていた。彼らは選りすぐりの騎士を選んで勝負をさせ、決着をつけることにする。ハンガリー側が勝てば、テオドシオはロシムンドのもう一人の娘フレリダと結婚するということで話がまとまる。

 

 アストルフォ、トゥルビーノも正体を隠してハンガリー側に参加する。勝負はハンガリー側の勝利に終わる。アストルフォとトゥルビーノは自分たちの正体を明かす。

 

 ロシムンドは、アストルフォとルシンダ王女、トゥルビーノ王子とリサウラとの結婚を許可する。従者のオルテンシオは手柄を認められて総督に任命される。ハンガリーとボヘミアは講和を結び、テオドシオはフレリダ王女と結婚する。