Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

愛しているならすべきこと(Amar como se ha de amar)

ロペへの帰属:ほぼ確実

執筆年代:1615年-1625年

種類:架空の宮廷劇

補足:タイトルの直訳は「かくあるべきように愛す」。イタリアのナポリが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ナポリ・シチリア王国の君主マンフレードは、シチリアの副王が反旗を翻したのを討伐しに出かける。

 

 マンフレードが留守の間、ナポリで王女クラリンダの護衛につくことになったのは、バルセロナ伯の息子ドン・ペドロドン・フアンである。クラリンダはペドロに恋をしているが、ペドロはロベルト伯の娘リカルダに恋している。

 

 ペドロはフアンに励まされて、別荘にいるリカルダにひそかに会いに行こうと計画する。二人は狩りの途中で見失った鷹を探しているふりをして、別荘の庭園に侵入する。園丁のトゥリーンに見つかるが、二人は彼を買収することに成功する。リカルダはペドロに会えたことを喜び、彼を別荘の一室に隠す。

 

 リカルダに横恋慕しているルヘーロという若者のせいで、ペドロはロベルト伯にリカルダと会っていることを知られてしまう。しかしロベルト伯は、ペドロがバルセロナ伯の息子で、リカルダと正式に結婚しようと考えていることを知ると、喜んで彼を受け入れる。

 

 王女クラリンダは、ペドロへの恋が報われないことを悲しむ。そこへシチリアから、戦争には勝利したが国王マンフレードは戦死したという知らせが届く。国王は後継者としてクラリンダを選び、親戚筋にあたるペドロと結婚するよう遺言を残していた。ペドロはリカルダとの結婚をあきらめざるを得なくなる。

 

 ペドロは、教皇からの許可が出るまで正式な結婚はできないとクラリンダに伝えるが、クラリンダはその真の理由はリカルダへの未練であることを見抜いている。彼女はリカルダに、ペドロはもう自分の夫なのだからはやく別の男性と結婚するようにと勧める。リカルダはペドロと結婚できないのなら他のだれとも結婚すまいと心に誓う。

 

 リカルダへの未練に苦しむペドロは、国王の権力を利用してリカルダに肉体的な関係を迫るが、リカルダはそれを拒否する。ペドロはそれでもトゥリーンの協力を得てリカルダの家に忍び込むが、出てきたのはクラリンダであり、彼女はリカルダを殺すか、追放するか、他の男性と結婚させるかの選択を彼に迫る。

 

 ペドロはクラリンダをだますために、リカルダはすでにルヘーロと婚約していると言う。それを知ったルヘーロは好都合と思い、クラリンダに頼んですぐにリカルダをペドロの元から引き離す作戦に出る。

 

 フアンはペドロを止めるが、ペドロはまたリカルダの家に忍び込もうとする。しかしルヘーロが先手を打っていた。リカルダはペドロに力づくで体を奪われるよりはルヘーロとともに宮廷へ逃れる道を選ぶ。

 

 ペドロはルヘーロとリカルダの結婚を許すことにする。しかし、ペドロを愛し続けているリカルダは結婚を受け入れない。クラリンダはリカルダへの嫉妬が抑えきれず、ペドロが落馬して死んだという嘘の情報をリカルダに聞かせる。リカルダは失神してしまう。彼女がまだペドロを愛していることを知ったクラリンダは、意識を取り戻したリカルダに毒を飲ませて殺そうと企む。しかしそれはトゥリーンの機転によって阻止される。

 

 クラリンダは次に、リカルダを殺したという嘘の情報をペドロに伝える。ペドロは、国王としての立場から冷静を装う。しかしクラリンダが去るとペドロは怒り狂い、彼女に復讐するために戦争を起こすことも辞さないと宣言する。

 

 クラリンダはリカルダに、彼女が死んだと聞いてもペドロは悲しまなかったと告げる。リカルダは立腹する。そこへ、トゥリーンから毒殺未遂のことを知らされたロベルト伯が現れ、娘のリカルダの安全のために彼女をシチリアへ移住させると告げる。

 

 ペドロは、自分がとった行動がリカルダを危険にさらしたことに気づき、彼女への罪滅ぼしとして、フアンと結婚してともにシチリア王国を治めてほしいと頼む。しかしリカルダは「愛しているならすべきこと」だと言って、その申し出を断る。彼女の言葉に心を動かされたペドロは、自分もそれを上回る愛を示そうと決意し、彼女と結婚するために王国をすべて手放すと宣言する。クラリンダは自分の行いを悔い、ペドロへの愛をあきらめる。彼女はナポリ王国を二人に譲って、自分はフアンと結婚しシチリアを治めると宣言する。