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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

愛のない恋人たち(Amantes sin amor, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1601年-1603年?

種類:都会的な同時代劇

補足:舞台はマドリード。1599年のフェリーペ3世の結婚式と、1601年のバリャドリード遷都に言及する台詞がある。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  フェリサルドは、オクタビアに求愛し続けてもう3年になるのだが、いまだに彼女から優しい言葉をかけてもらえない。

 

 ダマシオリセオという若者たちが、オクタビアに求愛する。オクタビアの家の前で彼らを見たフェリサルドは、嫉妬にかられて二人を追いはらう。

 

 オクタビアは「あの二人は仕立て屋で、服の注文を取りに来ただけ」と嘘を言い、注文がふいになったと抗議する。フェリサルドが恐縮して服を弁償すると申し出ると、オクタビアは機嫌を直す。フェリサルドの従者メンドーサも、オクタビアの侍女ベアトリスに服を弁償すると約束する。しかし服の値段が高額なのを見て、裕福でないフェリサルドは心配になる。

 

 仕事でナポリへ行っていたドン・ロレンソは、出世して一年ぶりにマドリードへ戻った。彼は恋人のクラリンダに会うのを楽しみにしている。しかし従者のトリスタンは、「留守の間に、彼女に別の恋人ができたかもしれない」とロレンソの期待に水を差す。

 

 クラリンダは彼との再会を喜ぶ。そこへ、フェリサルドに追い払われたダマシオとリセオがやってくる。彼らは今度はクラリンダに求愛しようとして、ロレンソと争う。そこへフェリサルドとメンドーサが通りかかる。フェリサルドはロレンソの味方につき、再びダマシオとリセオを追いはらう。

 

 フェリサルドとロレンソは意気投合する。フェリサルドは、オクタビアの気まぐれで恩知らずな性格や、彼に対する冷たい態度についてロレンソに話し、「彼女がほんとうに誠実な女性なのかどうか知りたいので、彼女に恋するふりをしてほしい」とロレンソに頼む。ロレンソは承知する。主人に協力するため、トリスタンもベアトリスに恋するふりをする。

 

 メンドーサは、フェリサルドの計画をベアトリスに話してしまう。ベアトリスはそれをオクタビアに伝える。オクタビアはフェリサルドに腹を立て、彼への仕返しのためにロレンソに恋をするふりをし、同時にロレンソから金を巻き上げてやろうと画策する。

 

 クラリンダは、ロレンソとオクタビアの関係を疑って嫉妬する。ロレンソは、「オクタビアに本気で恋などしていない」と懸命に彼女に説明する。

 

 オクタビアは、「自分は飽きっぽい性格で、愛情がさめたときの幻滅について考えると恋をするのが怖くなってしまう」とベアトリスに告白する。そこへロレンソがやってきて、オクタビアに見せかけの求愛をする。どちらも内心は相手を軽蔑している。オクタビアは、高額な洋服代をロレンソに払わせようとするが、ロレンソは気前よく手持ちの指輪や金鎖を差し出す。

 

 そこへフェリサルドがやってきてオクタビアを責める。オクタビアは、「そっちこそロレンソをわざと私に近づけて、私を捨てようとしているのでしょう」と彼を責める。

 

 フェリサルドは、自分がバリャドリードへ去ることを告げ、ロレンソとともに出ていく。オクタビアは、すべてが信じられなくなる。

 

 リセオはクラリンダと結婚するため、彼女の叔父プレベリオを丸めこむ。彼らの結婚に同意したプレベリオは、ロレンソと別れるようクラリンダを説得する。クラリンダはそれに従う気はないが、ロレンソに嫉妬させるにはちょうどいい機会と見て、プレベリオに「私と別れるよう、ロレンソを説得してほしい」と頼む。

 

 ロレンソは、自分に多額の金を払わせたオクタビアに腹を立てており、いずれは借りを返してもらうと宣言する。そこへプレベリオがやってきて、「クラリンダとリセオが結婚することになったから、彼女と別れてほしい」と申し出る。怒ったロレンソは彼を追い返し、リセオへの苛立ちをあらわにする。

 

 外出したオクタビアは、フェリサルドが友人たちと話をしているのを見かけ、ひそかに近づいてその内容を聞く。友人たちが恋人の容姿について面白おかしく話しているのに対し、フェリサルドはひたすらオクタビアの美しさを誉める。そして彼は自分がバリャドリードへ去ると言って彼女を欺いてしまったこと、彼女の心を確かめるためにロレンソに芝居をしてもらったこと、ほんとうは彼女に求婚するつもりだということを語る。オクタビアは、フェリサルドの自分への思いが変わっていないことを知る。

 

 クラリンダの家へロレンソが突然現れ、「リセオを殺してしまったので、これから逃亡する」と告げる。クラリンダは驚くが、ロレンソとともに逃げることにする。彼らがいなくなった後、プレベリオとリセオが婚約の手続きのために現れる。従者がロレンソとクラリンダが逃げたことを告げる。「ロレンソはリセオと間違えてダマシオを殺してしまったのではないか」と彼らは心配する。

 

 ロレンソとクラリンダは、フェリサルドの家へ行く。ロレンソはフェリサルドに、「オクタビアはほんとうはきみが好きなのだろう」と言う。フェリサルドはそれを確かめるために、再び芝居をすることにする。

 

 フェリサルドはオクタビアの家へ行き、「自分には、ロレンソが彼女に渡した金鎖をもらう権利がある」と主張する。オクタビアがそれを拒否するとロレンソが現れ、フェリサルドと剣を抜いて闘い、彼を殺すふりをする。メンドーサは主人の偽の遺体を運び去る。

 

 オクタビアはフェリサルドの死にショックを受けて、窓から身を投げようとする。それを見たロレンソは気もちを和らげ、「フェリサルドはまだ助かる見込みがある」と彼女をなだめて、フェリサルドとオクタビアを彼の家へつれていく。

 

 プレベリオとリセオは、ダマシオが生きていることを確認する。彼らはロレンソがクラリンダをだましたのだということに気づき、彼の家へ戻る。

 

 ロレンソの家では、クラリンダがオクタビアをなぐさめる。オクタビアはロレンソが自分に恋しているふりをしたことを責め、自分もまたフェリサルドの愛に応えることができなかったことを悔やむ。「私たちはどちらも、愛のない恋人だった」と彼女は嘆き、再び死のうとする。そこへフェリサルドが現れ、すべて芝居だったことをうちあける。彼はオクタビアに「きみにほんとうに愛されているかどうか知るためには、一度死ななくてはならなかった」と説明する。

 

 プレベリオ、ダマシオ、リセオが警官をつれてやってくる。クラリンダはロレンソと、オクタビアはフェリサルドと結婚する意思を表明する。ダマシオとリセオは寛大な態度で、彼らの結婚の立会人になると申し出る。ベアトリスは、トリスタンとメンドーサのどちらかを選ぶことになり、メンドーサを夫に選ぶ。