Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

感謝する恋人(Amante agradecido, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1602年

種類:都会的な同時代劇

補足:サラゴサとセビーリャが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  ドン・フアンは、父が死んだという知らせを受けて、従者のグスマニーリョとともにイタリアから故郷のセビーリャへ戻ることにする。彼は途中でサラゴサに滞在する。

 

 サラゴサに住むルシンダは、旅の途中のフアンに一目惚れする。彼女は積極的に彼に話しかけ、その夜に二人で会おうと約束をする。しかしその様子を見て、ルシンダに恋している他の青年たちが嫉妬し、二人の会話の邪魔に入る。

 

 フアンはその夜、宿屋においてあった大金を盗まれてしまう。意気消沈した彼は、ルシンダと会う気になれず、そのままベッドで眠ってしまう。

 

 同じ頃、ルシンダに恋するクレナルドは、彼女をめぐって別の青年と決闘し、重傷を負わせてしまう。

 

 ルシンダは待ち合わせ場所にフアンが来ないので、侍女に彼の様子を見に行かせる。そこへクレナルドと決闘した青年が運ばれてくる。ルシンダは彼がクレナルドをかばうために、犯人はよそ者のフアンだということにしてくれと友人に頼んでいるのを聞く。

 

 ルシンダはフアンに危険を知らせ、逃げるための経費を都合して渡す。フアンは感激し、危険が去ったらルシンダと結婚したいと伝えてセビーリャへ出発する。

 

 ルシンダの父親はペルーのリマで商売をしている。そのため、叔父のクラリダーノが彼女の面倒を見ている。クレナルドから決闘のことを聞いたクラリダーノは、ルシンダに悪い評判が立つことを恐れ、彼女を知り合いのいるセビーリャへ行かせることにする。ルシンダはひそかに喜ぶ。

 

 フアンはセビーリャに着き、父親の遺産を相続する。彼はルシンダのことを忘れることができない。いっぽうルシンダは、老女ベリーサとその娘フリアのところに滞在することになる。

 

 クラリダーノはベリーサをまじめな女性と思いルシンダの世話を頼んだのだが、実際は彼女は売春の斡旋をしていた。彼女はルシンダに男遊びを勧める。ヘラルドという騎士がルシンダを気に入る。彼は嫌がる彼女を口説き、外へつれ出す。

 

 フアンはセビーリャの旧友たちに、イタリアの話を語って聞かせる。実はヘラルドも彼の旧友だった。彼はたった今口説いてきた女性のことをフアンに話し、その夜彼女を見に来いと誘う。

 

 その夜ベリーサは、いやがるルシンダに、バルコニーに出てヘラルドと話をしろとそそのかす。ヘラルドは、フアンが見ている前でルシンダに話しかけ、こっぴどくふられてしまう。そのとき、流しの歌手たちがやってきてベリーサを嘲笑する歌を歌い、若者たちに追い払われる。残されたフアンとルシンダは、初めは互いのことがわからないまま話をするが、やがて相手が自分の恋する人であることに気づき、喜びあう。

 

 グスマニーリョは、自分は年上の女性が好きだと言ってベリーサを口説く。ベリーサはすっかりその気になる。しかしほんとうに彼が好きなのはフリアである。

 

 ルシンダは、ベリーサの家からつれ出してほしいとフアンに頼む。しかしフアンは、ルシンダを自分の母親に紹介することを躊躇する。彼はルシンダの家庭は貧しいのだろうと想像し、彼女がベリーサの家で堕落したのではないかと疑う。ルシンダは怒って去る。グスマニーリョは、ある計略を思いつく。

 

 グスマニーリョは、植民地帰りの金持ちに変装し、フアンはその従者に変装してベリーサの家を訪れる。グスマニーリョはルシンダに数々の豪華な贈り物をして彼女を口説こうとするが、ルシンダはなびかない。その様子を見たフアンはルシンダを信用し、自分の正体を明かす。彼はルシンダに求婚する。

 

 フアンはルシンダを自分の家へつれていくことにする。グスマニーリョをめぐってベリーサとフリアがけんかになるが、彼はフリアを選び、フアンの家へつれていく。

 

 ルシンダはフアンの家で暮らし始める。しかし、フアンの留守中に彼の叔父ドン・ペドロが現れ、ルシンダを売春婦と勘違いして家から追い出す。彼の従者エンリケの密告により、グスマニーリョとフリアも追い出される。帰宅してそれを聞いたフアンはペドロを非難し、ルシンダを捜しに行く。

 

 フアンが勝手にルシンダをつれ出したことを怒ったクラリダーノが、サラゴサからやってくる。ペドロはルシンダがすでにフアンと夫婦になっていると告げ、彼女をクレナルドと結婚させようと思っていたクラリダーノを失望させる。

 

 フアンがルシンダをつれて帰ってくる。ルシンダの父親が多額の持参金をリマから送ってきたことをクラリダーノから聞かされ、フアンはルシンダが決して貧しい家の娘ではなかったことを知る。クレナルドはルシンダをあきらめ、フアンのいとこと結婚することになる。グスマニーリョも多くの持参金をもらってフリアと結ばれる。