Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

『ばかなお嬢様』あらすじ(結末含む)Argumento de "La dama boba"

 (第一幕)イリェスカスの宿屋から、リセオと従者のトゥリーンが出てくる。二人の会話から、リセオが婚約者フィネアのいるマドリードへ行くこと、リセオはフィネアにまだ会ったことはなく、フィネアの持参金は高額であることがわかる。通りすがりの騎士から、フィネアの姉のニーセは賢いが、フィネアのほうはとてつもなくばかな娘であり、彼女を結婚させるために父のオタービオが高額の持参金をつけたのだということを聞かされ、リセオは暗澹たる気もちになる。

 フィネアの持参金が高いのは、彼女をかわいがっていた親類が財産を残してくれたからである。オタービオは二人の娘を平等に愛しており、早く良い夫を見つけてやりたいと思っているが、フィネアよりもうぬぼれの強いニーセのほうが問題であると考えている。

 ニーセが侍女のセリアとともに登場。ギリシャの詩人ヘリオドロスの本について語る。そこへフィネアが家庭教師とともに現れ、勉強を始める。まだアルファベットさえ覚えられないフィネアに苛立った家庭教師は体罰を与え、怒ったフィネアは反撃する。ニーセはフィネアをたしなめるが、いちいち言葉の意味を勘違いするフィネアとは会話がかみ合わない。

 ニーセのもとへ詩人のラウレンシオドゥアルドフェニーソがやってくる。三人とも競ってニーセの美しさに賛辞を贈り、ドゥアルドは自作の詩を朗読するが、ニーセには抽象的すぎて面白くない。ニーセが恋しているのはラウレンシオである。ラウレンシオの頼みで、ニーセは失神したふりをして彼に手紙を渡す。ドゥアルドとフェニーソは二人が付き合っていることを察してラウレンシオを冷やかす。

 ラウレンシオの独白で、彼が安定した生活を求めていることがあきらかになる。彼は従者のペドロに、ニーセよりもフィネアのほうが持参金の額が高いこと、これからフィネアに恋をして結婚したいと思っていることを話す。あんなばかな娘と結婚して後悔しないのかとペドロは問うが、生活の安定に勝るものはないとラウレンシオは主張する。フィネアと侍女のクララが現れると、ラウレンシオはさっそくフィネアを口説き、ペドロは主人を手助けするためにクララを口説く。

 リセオがオタービオの家に到着する。彼の半身の肖像画しか見ていなかったフィネアは、リセオに足がついていると言って驚く。フィネアがばかな娘であることを確信したリセオは失望し、自分をだましたオタービオへの怒りをトゥリーンにぶちまける。しかし自分がニーセにひかれていることに気づいたリセオは、結婚相手をフィネアからニーセに変えることを計画する。

 

 (第二章)一か月が経過する。ドゥアルドたちの会話で、ニーセが病気で寝込んでいたこと、リセオがフィネアと結婚しないままオタービオの家に滞在しつづけていることがわかる。ラウレンシオは、フィネアが賢くなりつつあることを語り、愛とはあらゆる学問の教師であることを説く。ドゥアルドたちはそれがフィネアのリセオへの恋であると解釈するが、フィネアが恋しているのはラウレンシオである。

 ニーセはセリアから、ラウレンシオが持参金目当てにフィネアを口説いていたと聞かされ、ラウレンシオを非難する。ラウレンシオはなんとかニーセをなだめようとする。そこへリセオが入ってきて、ニーセとラウレンシオの様子を見て嫉妬し、ニーセが去った後でラウレンシオに決闘を申しこむ。ラウレンシオは、自分がフィネアを口説いていることがリセオにばれたのだと勘違いをする。

 フィネアはラウレンシオからの手紙が読めないのでオタービオに読んでもらい、問われるままに手紙の主がラウレンシオであること、彼と抱き合ったことを話す。オタービオは怒り、リセオ以外の男性と抱き合ってはいけないとフィネアを諭す。

 ラウレンシオとリセオは、決闘をする前に互いの本心をうちあけ、誤解が解けたために和解し、それぞれの計画が成功するよう協力し合うことにする。

 ニーセはフィネアをラウレンシオから遠ざけようとする。しかし、フィネアがニーセの言葉を文字通りに解釈してしまったために、かえってフィネアとラウレンシオが愛情を深める結果になる。ニーセは怒ってラウレンシオを呼び出す。フィネアは初めて嫉妬という感情を覚え、ラウレンシオを愛することをやめると宣言する。あわてたラウレンシオは、ドゥアルドたちを証人に立てて、フィネアと結婚の契約を交わす。

 リセオはニーセに愛を告白するが、ニーセは自分を侮辱されていると感じる。偶然そこへラウレンシオが入ってきたので、ニーセはリセオの背後にいるラウレンシオに自分の思いを吐露する。リセオは自分が言われているものと勘違いしてしまい、さらにニーセを怒らせる。ラウレンシオは、しょげているリセオを励ます。

 (第三幕)フィネアの独白で、彼女が知性ある女性に変貌したことがわかる。オタービオはリセオへの恋がフィネアを成長させたのだと思いこんでいる。オタービオの友人ミセーノはニーセの結婚相手としてドゥアルドを紹介する。

 リセオは、ニーセがあまりにも自分に冷たく当たることをうらめしく思い、腹いせにフィネアとの結婚をオタービオに申しこもうとする。トゥリーンは復讐のための結婚などはやめたほうがいいと忠告するが、リセオは聞き入れない。トゥリーンはラウレンシオとペドロに、リセオの計画を話す。

 ラウレンシオのもとにフィネアがやってくる。フィネアが賢くなってしまったために、リセオが彼女を好きになってしまったのだとラウレンシオは嘆く。フィネアはリセオの前で、再びばかな娘になったふりをして、リセオを失望させることに成功する。

 ニーセはラウレンシオとフィネアに嫉妬し、ラウレンシオを家から追い出すようオタービオに勧める。オタービオは同意する。ラウレンシオはフィネアと結婚の契約を交わしたことを主張するが、その契約は無効だとオタービオは宣言する。

 フィネアはクララに命じてラウレンシオとペドロを屋根裏部屋に隠す。リセオはオタービオにニーセとの結婚を望んでいることを告白するが、オタービオは聞き入れない。ニーセとドゥアルド、フィネアとフェニーソとの結婚話が進む。リセオはニーセに涙ながらに別れを告げる。ようやくラウレンシオへの思いを断ち切ったニーセはリセオを受け入れる。

 セリアの報告で、屋根裏部屋に男性がいることを知ったオタービオがラウレンシオを発見して激怒する。フィネアは彼を隠したのが自分であることを告げる。オタービオはミセーノの忠告を聞き入れて二人の結婚を許し、ニーセとリセオとの結婚も許可する。ペドロとクララ、セリアとトゥリーンも結ばれる。

 

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ホアキン・ソローリャ

《『ばかなお嬢様』に扮した女優ドニャ・マリア・ゲレーロ

1906年 プラド美術館

Museo Nacional del Prado

 

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