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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

『アマルフィ公爵夫人の執事』あらすじ(結末含む)Argumento de "El mayordomo de la duquesa de Amalfi"

アマルフィ公爵夫人の執事』あらすじ

 

 (第一幕)アマルフィ公国の摂政を務める公爵夫人の執事アントニオの独白。寡婦である公爵夫人に身分不相応の恋心を抱いてしまったことを嘆く。メディシス家のオタービオが、求婚の意思を公爵夫人に伝えてほしいとアントニオに伝え、アントニオは不本意ながらも承諾する。

 公爵夫人は長男の教育について、従者のセルソと話をする。侍女のリビアと二人きりになったとき、公爵夫人はアントニオとの結婚を望んでいることを話し、リビアは身分の異なる二人の結婚が災いをもたらすのではないかと心配する。

 アントニオは公爵夫人に、オタービオが求婚していることを伝える。公爵夫人は自分がアントニオを愛していることをほのめかすが、アントニオは気づかないふりをする。公爵夫人が去ってからアントニオは激しく後悔するが、リビアが現れて、公爵夫人が愛する人の名前を書いた手紙を渡す。しかしその姿を秘書のウルビーノに見られ、リビアに恋しているウルビーノリビアがアントニオに恋文を渡していると思いこみ、嫉妬からアントニオに手紙を見せろと要求する。アントニオは困り、手紙を破って一部だけをウルビーノに見せる。疑念を消せないウルビーノは公爵夫人に告げ口をするが、反対にたしなめられる。公爵夫人は重要な秘密をウルビーノに知られそうになったことでアントニオを不注意だと叱り、アントニオは身に覚えのない非難だと反論する。自分に落ち度があるとすれば、それは自分の恋心を秘め続けていたことだけだと告白したアントニオに、公爵夫人は彼と結婚する意思があることを伝える。公爵夫人の兄たちに殺されるかもしれないので、子どもができるまでは結婚を公表しないことにして、二人はアントニオの領地へ行き、密かに結婚式を挙げる。

 (第二幕)二年が経過する。イタリアに行っていたオタービオがあらためて公爵夫人に求婚するためにやってくる。ウルビーノが夫人は病気で寝込んでいると伝え、最近は夫人がアントニオばかりを頼りにするので自分の仕事がなくなってしまったと嘆く。オタービオが去った後、ウルビーノはアントニオに、公爵夫人がリビアと自分との結婚を阻止してアントニオとリビアを結婚させようとしていると告げる。アントニオの独白で、公爵夫人が二人目の子どもを産んだばかりであること、一人目の子どもと同様に、自分の領地の農家で育ててもらうためにアントニオが赤ん坊をこれからつれていくところであることがわかる。しかし、暗がりの中でリビアが誤ってウルビーノに赤ん坊を渡してしまう。ウルビーノはそれがリビアとアントニオとの間の子だと思いこみ、激しくアントニオを非難し、公爵夫人にそのことを知らせに行く。アントニオは動揺しながらも、赤ん坊を農家へとつれていき、養育を依頼する。ウルビーノに赤ん坊のことを知らされた公爵夫人は、秘密を守るためにやむを得ずアントニオを解雇することにする。従者たち全員の前でアントニオは解雇を言い渡されるが、公爵夫人の意思を察し、わざと捨て台詞を残して夫人のもとを去る。

 ウルビーノはオタービオに会い、アントニオが解雇された経緯を話す。オタービオは、公爵夫人が何か月も病気と称して引きこもっていたのはアントニオとの間の子どもを出産していたからだと確信し、嫉妬に苦しむ。

 (第三幕)6年が経過する。解雇されたアントニオはアンコーナに住んでいるが、たびたび公爵夫人に会いに行っており、公爵夫人は3人目の子どもを身ごもる。公爵夫人はアントニオとの結婚を世間に公表することを決意し、従者たちをつれてアントニオの家を訪問する。アントニオは子どもたちを公爵夫人に会わせる。公爵夫人は、公国の統治を長男に任せること、自身は称号を捨ててアントニオとともにつつましく暮らすつもりであることを従者たちに告げる。真実を知ったウルビーノはアントニオと和解する。セルソとウルビーノを除いた従者たちは公爵夫人のもとを去り、新しいアマルフィ公爵に仕える。

 公爵夫人の兄のフリオは、妹の結婚をアラゴン家の名を汚すものと考え、オタービオとともに二人を追う。いっぽう、若きアマルフィ公爵は、母がアントニオとの結婚を自分に長い間隠していたこと、自分を置いてアントニオと彼との間の子どもたちとの生活を選んだことを嘆くが、従者たちの話をきいて心を変え、アントニオに名誉ある地位を与えることを決意する。

 フリオの放った追手が迫っていることを知らされた公爵夫人はアントニオを逃がし、子どもたちとともにフリオに捕えられる。アントニオは妻と子どもが捕えられたことを知り、絶望して死のうとするが、従者のドリストウルビーノがやってきて、アマルフィ公爵が彼を迎え入れようとしていること、フリオも心を入れ換え、国外へ移住することを条件に彼らを許すつもりであると伝える。アントニオは喜び、ともにアマルフィへ戻る。

 アマルフィ公爵はアントニオを迎える準備をするが、フリオはひそかに公爵夫人に毒入りの食事を与えたことをオタービオに告げる。アントニオが到着し、アマルフィ公爵は彼を歓待する。アントニオが退席すると、入れ違いに公爵夫人がアントニオを探しにやってくる。フリオは公爵夫人とアントニオとの結婚を闇に葬るつもりであることを告げ、従者に命じて扉を開けさせる。アントニオと子どもたちの首が載ったテーブルがあらわれ、公爵夫人は悲嘆しながら、非道な行いへの神の裁きを願って死ぬ。愛する公爵夫人の死を目の当たりにして、オタービオは狂乱する。アマルフィ公爵はフリオへの復讐を誓う。