Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

身分違いの恋2

 今回のコメディアにも、身分の高い女性と低い男性との「身分違いの恋」が出てきます。

 

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 ただし、『バレンシアのらんちき騒ぎ』における身分違いの恋は、『アマルフィ公爵夫人の執事』や『守護天使』のようにうまくはいきません。郷士の娘であるエリフィーラと、従者であるレオナートは、けんかをしたあげく、レオナートがエリフィーラの服や宝石を奪って逃げるという最悪の形で別れることになります。

 

 同じような人物構成でも、ロペは手を変え品を変え、観客の予想を裏切るように工夫しています。また、やや享楽的な話を書いたかと思えば道徳的な話を書くなど、雰囲気や全体のテーマも常に変化させています。

 

 『バレンシアのらんちき騒ぎ』の主人公フロリアーノは、女性をめぐって何度も刃傷沙汰をおこしたというやんちゃな若者(とはいっても30歳前後)であり、恋愛に貪欲で、うぬぼれが強いところもあります。必ずしも感心できるような人物ではないのですが、この喜劇では彼のそういう性格が笑いをひき起こしています。いっぽう、同じくバレンシアを舞台にした『ドン・フアンの花』というコメディアは、賭け事の好きな兄のせいで貧しい生活を余儀なくされている貴族のドン・フアンが、造花作りで真面目に生計を立てているうちに、イポリタという高貴な女性に慕われて幸せな結婚をするという物語です。

 

(2018年7月1日更新)

 

 

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