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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

『バレンシアのらんちき騒ぎ』とは

『バレンシアのらんちき騒ぎ』(Los locos de Valencia)

バレンシアのらんちき騒ぎ(Los locos de Valencia)』は、1620年に出版されたロペのコメディア集第13巻に収められていますが、実際に執筆されたのは、彼がバレンシアに滞在した1589年より少しあとの1590-1595年頃とみなされています。

 ロペのバレンシア滞在は短いものでしたが、これは彼がマドリードから追放され、アルマダの海戦から帰還したのち、最初の妻イサベル・デ・ウルビーナとの結婚生活を送り始めた時期にあたります。そのことをふまえてこの作品を読むと、ロペの人生と重なる部分を見出すことができて面白いです。

 

 原題をいまの時代の表現にあわせて直訳すると『バレンシア精神障害者たち』となりますが、このコメディアの題名としてはあまりしっくりきません。 “loco” という語には、「正気でない」という意味のほかに、「夢中になった」「愚かな」などの意味もあり、ロペは劇中で、これらの意味を柔軟に使い分けているのです。ですからここでは、作品の内容にあわせて『バレンシアのらんちき騒ぎ』としました。英訳サイトのタイトル “ Madness in Valencia ” も参考にしています。

 

 皇太子レイネーロを誤って殺してしまったフロリアーノは、友人のバレリオを頼ってバレンシアへ逃げてきました。バレリオは彼に、精神病患者のふりをして病院に入院することを提案します。

 父親の決めた結婚から逃れ、家をとび出してきたエリフィーラは、従者のレオナートとささいなことで言い争い、病院の前に置き去りにされてしまいます。患者とまちがわれて病院に収容されたエリフィーラは、やむをえず病人のふりをすることにします。

 互いに相手を精神病患者だと思っているフロリアーノとエリフィーラは、出会った瞬間に恋に落ちてしまいました。この困難な恋、どうなるでしょうか?