読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

バレンシアはお好き?(さいご)

 せっかくなので、2012年にバレンシアで撮影してきた写真をもう少し。

 

 カテドラルに隣接する「ミゲレテの塔」。ロペの『バレンシアのらんちき騒ぎ』の中でも言及されています。塔の上まで昇ることができます。

f:id:lopedevega:20150511112307j:plain

 

 こちらは聖ピオ5世美術館の展示室。もともとは聖堂の祭壇衝立にはめ込まれていた絵画が、本来の配置を再現した形で展示されています。

f:id:lopedevega:20150511112521j:plain

 

 ゴシック絵画が繊細でとても美しいです。これは聖マルティヌスを描いた作品ですが、騎士なのに女性のような優しい顔立ちと、豪華で洗練された衣服の刺繍の描写が印象的です。

f:id:lopedevega:20150511113002j:plain

 

 中世絵画独特のプリミティヴな表現も面白いです。これは聖人の死とともに彼の魂が天に昇っていく様子を表しているのでしょう。

f:id:lopedevega:20150511113122j:plain

 

 この作品では、人物の口から言葉が紙と文字になって出てきています。

f:id:lopedevega:20150511113332j:plain

 

 長崎二十六聖人のうち、イエズス会士だった三人の聖人(パウロ三木、ヨハネ五島、ディエゴ喜斎)の殉教の場面です。モセン・ペドロ・ガルシア・フェレールという画家による作品で、おそらく17世紀前半にイエズス会の注文で描かれたのでしょう。1627年に二十六人が列福(聖人に次ぐ福者として認められること)された際、二十三人はフランシスコ会士、三人はイエズス会士とみなされたため、ヨーロッパではそれぞれの修道会によって別々に描かれています。槍で斜めに突き刺されている点など、宣教師によって送られた報告をもとに処刑が表されています。

f:id:lopedevega:20150511113415j:plain

 

 ロペはたぶんこの作品は見ていないでしょうが、二十六人の列福より以前から日本に関心は抱いていたようです。『日本の諸王国における信仰の勝利』(1618年)では、日本の地理(豊後、ミヤコ、富士の山など)、気候、人々の暮らしなどを調べて記述しています。「彼ら(日本人)は韻文も散文も上手に書く。」と書いていますが、ロペとしては日本人の文学的素質が気になっていたかもしれません。