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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

これにて、コメディアは終了

 

Cartel de las bizarrías de Belisa

『高潔なるベリーサ』2008年上演

Las bizarrías de Belisa de Lope de Vega en el Teatro Pavón

 

 晩年のロペは、ティルソ・デ・モリーナ、カルデロンなど次世代の劇作家の台頭により、名声を失いつつあったようです。『高潔なるベリーサ』は彼の死の前年(1634年)に書かれたコメディアですが、その幕切れの言葉にはロペ自身の心情がのぞいています。

 

「皆さまがた、

すでにムーサ(ミューズ)たちに見捨てられた詩人が、

皆さまのために仕事をしたいという思いから

いま一度、彼女たちを呼びよせました。

皆さまがたが、彼をお忘れにならないようにです。

これにて、コメディアは終わります。」(『高潔なるベリーサ』)

 

 シェイクスピアテンペスト』終幕の「私の魔法は消えました」 を思わせる寂しい台詞です。

 

 刺繍職人の家に生まれたロペですが、ひとかどの人物になりたいという出世欲は人一倍あったようです。

 

『故国巡礼』(1604年)に収められたロペの肖像。

*「19個の塔」をもった紋章がついている。

Biblioteca de autor - Lope de Vega - Imágenes - Galería

 

 高貴な生まれではないにもかかわらず、紋章をでっちあげて著書を出版したことから、セルバンテスやゴンゴラから冷たい嘲笑を浴びます。彼は「王室つき年代記編者(cronista real)」という役職につきたいと渇望していましたが、その望みはかないませんでした。セッサ公爵という寛大な庇護者もいましたが、宮廷はロペにとって冷たい世界だったようです。

 

 しかし大衆の人気は絶大で、彼の葬儀には多数のマドリード市民が押し寄せたと伝えられています。19世紀の画家スアレス・リャーノスは、修道女であったロペの娘マルセーラが父親の棺を見送る場面を描いています。

イグナシオ・スアレス・リャーノスIgnacio Suárez Llanos

『父ロペ・デ・ベガの埋葬を見る修道女マルセーラ・デ・サン・フェリックス』

1862年、プラド美術館

Museo Nacional del Prado: Galería online

 

 

 

Lope de Vega : pasiones, obra y fortuna del monstruo de naturaleza

Lope de Vega : pasiones, obra y fortuna del monstruo de naturaleza

 

 

 

lopedevega.hatenablog.com