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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ロペとサルスエラ

『ドニャ・フランシスキータ』の舞台(サルスエラ劇場、2010年)

http://www.todosalteatro.com/6955/dona-francisquita-en-el-teatro-de-la-zarzuela-de-madrid.html

 ロペのコメディアには、よく歌手が登場して舞台の上で歌を披露します。本ブログで訳した『ばかなお嬢様』『守護天使』『日本の殉教者たち』といった作品にも効果的に歌が使われています。残念ながらどんなメロディーだったのかはわかりませんが、ロペは台詞とともにこうした歌の作詞も手掛けていたことになります。

 

 1627年、マドリードのアルカサル王宮で、スペイン最初のオーケストラ付き音楽劇(オペラ)が上演されました。ロペによる脚本『愛なき森』に、イタリア人作曲家が曲をつけています。

 

 ロペは、スペインにおける音楽劇の先鞭をつけた人物といえます。次世代のカルデロンは、スペイン固有のオペラであるサルスエラの担い手となりました。サルスエラという名前は、国王フェリーペ4世が、マドリード郊外の別邸サルスエラ(ノイバラ=zarzaにちなむ)に歌手や踊り手を招いて、音楽入りの芝居を演じさせていたことからきています。

 

 イタリア・オペラの隆盛により、サルスエラは一時期衰退しますが、19世紀半ばにフランシスコ・アセンホ・バルビエリらの活躍によって復興しました。サルスエラの特徴は、イタリア・オペラのようなレチタティーヴォ(朗唱)がないこと、スペインの民謡や舞曲が取り入れられていることなどです。

 

 20世紀に作られたサルスエラ『ドニャ・フランシスキータ』『村の娘』『偽の息子』などは、いずれもロペのコメディアを原作にしています。ロペがコメディアを作っていた時期の歌を聴くことはできませんが、スペインで独自に展開した音楽劇の精神は受け継がれているようですね。

 

www.estrelladigital.es

 

スペイン・ポルトガルを知る事典

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