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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

コメディアと詩

訳者のコメント・守護天使 comentarios sobre "La buena guarda"

  第一幕でのフェリックスの台詞は、悲哀と絶望を感じさせながらも情熱的です。この劇の魅力はなんといっても、天使が人間になりすますという超現実的な出来事を舞台の上で演じることにありますが、観客の関心を初めに引き付けるのはやはりフェリックスのクララに対する熱愛ぶりでしょう。その台詞はロペの恋愛詩そのものです。

 

 磔刑像の前で赦しを願うフェリックスの独白も、美しい詩になっています。

 

 主よ、あなたは何度、私の名を呼ばれたことでしょう。
 そして、私は何度、恥じ入りながらそれに答えたことでしょう。
 アダムのように裸のまま、
 ただ、罪の木の葉だけを身につけて。
 私は千度もついていきました、あなたの聖なる足の後を。
 十字架につけられたあなたの足は、
 私の手のすぐ近くにありました。
 そして恥知らずな私は、千度もあなたに背を向けました。(『守護天使』4)

 

  ロペは1613年に出版した『聖なる詩』という詩集に、この台詞を独立した詩にして取り入れました。

 同じ詩集には、「罪深き詩人は、己のかたくなな心をイエスに告白する」という副題がつけられた、次のような詩もあります。

 

(前半省略)

  天使は私に、何度もこう言いました。

 「今すぐに、窓から外を見てみなさい。

  あのかたが、どれほどの愛をもって、

  あなたを呼んでおられることか。」

 

 いとも美しき方、

 私は何度もこう答えたのです。

 「明日、扉を開けます」と。

 それを延々と繰り返しました。(『聖なる詩』41番)

 

 ロペの宗教詩は、当時の神秘主義文学のように難解ではなく、わかりやすくて味わいがあります。何度も版を重ねたところから、かなり大衆的な人気があったことがわかります。

 

Rimas sacras / Lope de Vega; edición de Ramón García González | Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes