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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

フェニックス

El fenix de España Lope de Vega Carpio familiar del Santo Oficio: sexta parte de sus comedias / dirigidas a don Pedro Dacon y Trillo, .... | Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes

『スペインの不死鳥、ロペ・デ・ベガ・カルピオ、異端審問官、その戯曲集第6巻』1615年 扉ページ

El fenix de España Lope de Vega Carpio familiar del Santo Oficio: sexta parte de sus comedias / dirigidas a don Pedro Dacon y Trillo, .... | Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes

 

 ロペのファースト・ネームはフェリックス。この劇の登場人物と同じ名前です。

 ロペの戯曲集には、この名をもじったのか、「スペインのフェニックス(不死鳥)」という称号がつけられているものもあります。

 

 『守護天使』の自筆原稿では修道院長という設定だったクララですが、戯曲集として出版されるときはオラトリオ(祈祷所)にいる世俗の女性に変えられました。当時のロペは異端審問所の審問官も務めていたので、不適切とみなされそうな箇所を修正したのでしょう。また、シウダー・ロドリゴという固有名詞も削られています。

 

 ドニャ・クララ 悪魔は、なんて嫌なものを見せるのかしら!
 私を不安に陥れ、
 過去の快楽へ誘っているのね。(『守護天使』10 を参照)

 

 クララはフェリックスに捨てられた後、痛悔の苦行をしますが、肉欲の誘惑に苦しめられます。女性の肉欲を揶揄するのでなく、当然存在するものとして描き、女性の処女性というものにはさほどこだわらない、というところは自由恋愛を信奉するロペらしいと思います。