読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

登場人物の名前

訳者のコメント・ばかなお嬢様 comentarios sobre "La dama boba" ロペ・デ・ベガについて②作品(コメディア) ¿Quién es Lope? sus obras dramáticas

f:id:lopedevega:20150310003637j:plain

ロペ・デ・ベガ『恋する才女』登場人物リスト

ロペ・デ・ベガのコメディア集第3巻』1653年版

*ベリーサ、フェニーサ、ドリステオなど、風変わりな名前が多い。

http://www.cervantesvirtual.com/obra/la-discreta-enamorada/

 

 ヨーロッパの人名は伝統的に、キリスト教の聖人からとられたものが主流でした。スペインでは、男性名ならペドロ(ペトロ)、フアン(ヨハネ)、パブロ(パウロ)、ホセ(ヨセフ)、エステバン(ステパノ)、フランシスコ(フランチェスコ)などで、女性名ならマリア、アナ(アンナ)、イサベル(エリサベト)、マグダレーナ(マグダラのマリア)、カタリーナ、マルガリータ、イネス(アグネス)などです。しかし文学の世界では、古代ローマの詩や騎士道物語、イスラム文化の影響などにより、異教的な名前や日常的にはほとんど見かけないような名前も出てくることがあります。

 

 ロペもまた、平凡な人名では飽き足らず、ディアナ、アウローラ、フィリス、ルシンダなどローマ由来の名前や、サイーダ、セリンダーハなど、イスラム教徒的な名前などを恋愛詩やコメディアで使っています。また、アナグラムも好み、みずからガブリエル・パデコペオ Gabriel Padecopeo(本名Lope de Vega Carpioのアナグラム)という偽名を使ったり、女性名としてベリーサ Belisa (最初の妻イサベル Isabel のアナグラム)をコメディアの中で用いたりしています。『ばかなお嬢様』に登場するニーセ Nise は、イネス Inés という女性名のアナグラムになっています。

  『ばかなお嬢様』は、同時代のマドリードの若者たちを描いた風俗劇であるにもかかわらず、フィネア、リセオ、トゥリーンなど、およそ一般的とは思えない名前が使われています。ロペは風変わりな名前を作るのが好きだったようで、ロペが独自に創造した名前もたくさんあります。