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Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

『アマルフィ公爵夫人の執事』のアントニオと『オルメードの騎士』のドン・アロンソ

訳者のコメント・アマルフィ公爵夫人の執事 comentarios sobre "El mayordomo de la duquesa de Amalfi"

 ロペ・デ・ベガの未邦訳作品をすでにいくつか訳してきたのですが(今後少しずつアップしていきます)、『アマルフィ公爵夫人の執事』に出てくる公爵夫人とアントニオは、悲劇的結末を迎えるのにふさわしい、理想的な人間像として描かれているように感じられます。

 興味深いのは、公爵夫人がフリオの非道ぶりに猛然と抗議する場面があるのに対し、アントニオは抵抗することも反論することもなく、はかなく死んでしまう点です。斬首され生首がさらされるという結末は残酷ですが、当時はこのようなグロテスクな演出も観衆の人気を集めていたのかもしれません。

 

 はかない男性と言えば、ロペの代表作『オルメードの騎士』のドン・アロンソです。もともとは「夜中に騎士が殺された」という一節ではじまる、当時は誰もが知っていた歌が素材になっているため、最初からドン・アロンソには哀愁がつきまとっており、彼は死に導かれるように行動していきます。

 

 ドン・アロンソはどちらかというと象徴的なキャラクターなので、物語の展開に意外性はあまりないのですが、アントニオの場合は、最後の最後までハッピーエンドの可能性を残したうえでの悲劇的最期なので、そのぶんラストで観客に与える衝撃は大きいのではないでしょうか。

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