Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

不幸な結婚(Malcasada, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1610-1615年

種類:都会的な同時代劇

補足:原題の直訳は「不幸な結婚をした女」。マドリードが舞台となる。夫の性的不能を理由に妻が離婚を要求する過程が描かれている。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 騎士のドン・フアンと法律家の青年リサルドは、ルクレシアという女性に恋をしている。ルクレシアの母フェリシアーナ寡婦で、娘に裕福な男性と結婚してほしいと望んでいる。

 

 フアンとリサルドは、聖堂の前でルクレシアが出て来るのを待ち、彼女に近づく機会をうかがう。フアンが先にルクレシアに近づき、リサルドはフアンを呼び止めてルクレシアとの関係を問う。フアンは決闘をほのめかしてリサルドを追い払う。

 

 フアンの従者のエルナンドは、ルクレシアの家が貧しいという情報を得てそれをフアンに知らせる。フアンはそれでもルクレシアに求愛しようと決心する。

 

 フェリシアーナは、フアンよりもリサルドの方が裕福そうだと考え、リサルドと結婚するようルクレシアに勧める。しかしルクレシアはフアンの方を気に入っている。フアンの従者エルナンドと、リサルドの従者ミリャンがそれぞれ主人からの恋文をルクレシアに届けに来る。ルクレシアは母の許しを得て、どちらとも翌日に会う約束をする。

 

 突然、ミラノ出身の老人フリオがルクレシアを訪問する。彼は聖堂でルクレシアを見かけたと言い、彼女に求婚する。フリオは、ルクレシアが結婚してくれるのなら自分の財産をすべてルクレシアに譲ると宣言する。

 

 ルクレシアは抵抗するが、母親の説得と金銭の誘惑に負け、フリオとの結婚を承諾する。翌日、ルクレシアの家を訪問したフアンとリサルドは、彼女とフリオとの結婚式に立ち会う羽目になる。

 

 ルクレシアはフリオの妻となるが、高齢のフリオはまもなく死に、ルクレシアは彼の財産を相続する。裕福になった彼女の財産を狙って、多くの男性が求婚する。リサルドも再びルクレシアに求婚しようと考える。

 

 しかし、実際はルクレシアが自由に使える財産は限られていた。さらに彼女には、フリオの甥ファブリシオとの再婚が求められていた。ファブリシオはイタリア語しか話せないらしいと聞いたルクレシアは彼との結婚を渋り、フアンと会う約束をする。

 

 夜に庭園へやってきたフアンは、ルクレシアに求愛する。しかしそこへファブリシオが到着したという知らせが届く。フアンはファブリシオとの結婚をやめて自分と逃げてほしいとルクレシアに懇願するが、ルクレシアは母親を貧しさから救うために、ファブリシオとの結婚を受け入れることを選ぶ。しかしファブリシオは、事前に見せられた肖像画とは似ても似つかぬ容貌の男性であった。ルクレシアは今度も不幸な結婚をしてしまったことを嘆く。フアンはマドリードを去るが、エルナンドをマドリードに残し、ルクレシアの様子を自分に報告させる。

 

 その後、ルクレシアは、ファブリシオが性的に不能であることを理由に彼と離婚しようと考える。フェリシアーナは、裁判を有利にするために法律家のリサルドに頼ることを娘に勧める。ルクレシアはそれに従うが、ひそかにフアンをマドリードに呼び戻すようエルナンドに依頼する。

 

 フアンはマドリードに戻るが、彼は公証人に化けてルクレシアの家へ行くとエルナンドに告げる。エルナンドは彼の助手に化ける。

 

 ルクレシアが離婚のための訴訟を準備していることを知ったファブリシオは激怒する。彼はスペインに馴染む気は全くなく、ミラノへ戻ると宣言する。

 

 フアンとエルナンドは公証人とその助手だと名乗ってルクレシアを訪問する。エルナンドは従者たちを集めて質問し、ファブリシオが性的に不能であることを確認する。フアンはルクレシアに正体を明かし、両者は喜び合う。

 

 しかし、フェリシアーナはフアンに、娘はリサルドと結婚させるつもりだと告げる。フアンはなんとかルクレシアの家にいられる方法はないかと考え、「本当に愛しているのはあなたなのです」とフェリシアーナに告げる。すると意外にもフェリシアーナは「私もあなたを愛していたので、嫉妬心から娘の結婚に反対していたのだ」と告白する。

 

 フェリシアーナは嬉々としてルクレシアに、フアンと結婚するつもりだと告げる。ルクレシアはフアンに裏切られたと思い激怒する。フアンは彼女に弁明をするがルクレシアはそれを信用せず、リサルドと結婚すると言い放つ。

 

 リサルドはファブリシオに、自分が性的に不能であることを認めさせ、離婚を了承させる。リサルドは訴訟に勝ったことを誇りに思い、ルクレシアの家を訪ねる。

 

 エルナンドはリサルドを迎え、「ルクレシア様と結婚すれば、あなたの名誉に傷がつくでしょう。なぜなら彼女はフアン様とすでに夫婦と同然の関係になっているからです。フェリシアーナ様はそのことを知って嘆きましたが、フアン様は彼女を慰めるため、彼女に立派な男性との結婚とルクレシア様の財産の半分を与えると約束しました」と嘘を言う。

 

 エルナンドの言葉を信じたリサルドは、ミリャンの忠告に従い、フェリシアーナとの結婚を決意する。

 

 フアンはフェリシアーナに「リサルドもあなたとの結婚を熱烈に望んでいます。彼は自分に悪い噂が立つのを恐れてルクレシアとの結婚を拒否しています。よって、私が彼の代わりにルクレシアと結婚しようと思います。そしてルクレシアの財産を双方で分け合うことにしましょう」と告げる。

 

 フェリシアーナはフアンの説得を受け入れる。フアンとルクレシア、リサルドとフェリシアーナ、エルナンドとイサベル(ルクレシアの侍女)が結ばれて幕となる。