Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

絶望した王女(Infanta desesperada, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1588?-1595?年

種類:架空の宮廷劇

補足:アラビアが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 フェニキアの王カストレオとアラビアの王フェナモールは敵対関係にある。二人はそれぞれの軍を率いてリュカオン(架空の地名)の岸辺で対峙する。

 

 カストレオの息子ドリスタンは、フェナモールの娘ラビニア肖像画を見てその美しさに魅せられ、家臣のニシディオとともに野営地から抜け出して彼女の住む宮殿へ忍び込む。

 

 ラビニアは父フェナモールの身を案じている。ランディーノ公爵が彼女に求愛するが、彼女はそれに応えず、公爵が父とともに戦場へ行かなかったことを非難する。

 

 ドリスタンとニシディオは巡礼者に変装し、ラビニアのもとを訪れる。ドリスタンはフェリシオと名乗り、幸運をもたらすものだと言って彼女に宝石を差し出す。「フェニキアの王子ドリスタンは、敵国の王女であるあなたに恋い焦がれている」とフェリシオ(ドリスタン)から聞かされたラビニアは、ドリスタンに興味を持つ。

 

 ラビニアが座を外した隙にランディーノ公爵がドリスタンの前に現れ、その夜の宿泊料として彼の宝石を強引に持ち去る。ドリスタンとニシディオはその場を去る。ランディーノ公爵は宝石をラビニアに贈るが、ラビニアはそれを彼につき返す。絶望した公爵は王の後を追って戦場へ向かう。

 

 ラビニアの前に再びニシディオとフェリシオ(ドリスタン)が現れ、フェリシオがドリスタン本人であることを明かす。ラビニアはドリスタンの求愛を受け入れる。

 

 軍の野営地に来たランディーノ公爵は、ラエルシオ伯爵に歓迎される。しかしその後、公爵はラビニアが巡礼中の商人と深い仲になったということを知らせる手紙を受け取り、悲しみに沈む。公爵から手紙のことを知らされたフェナモール王は驚き、ランディーノ公爵とラエルシオ伯爵に宮殿へ行って事実を確かめてくるようにと命じる。

 

 ラビニアとドリスタンは宮殿で幸福な時を過ごす。ラビニアの従者セレスティオはドリスタンの存在に気づくが、ラビニアはそれは石像だと嘘をつく。老いて視力が弱っているセレスティオはそれを信じる。

 

 ランディーノ公爵とラエルシオ伯爵は、宮殿の扉を破って中へ侵入する。危機を察知したラビニア、ドリスタン、ニシディオは秘密の出口を通って逃亡する。

 

 ラビニアとドリスタンは二手に分かれて山へ逃げる。ドリスタンはラビニアに、必ず戻ってくると約束して別れる。

 

 ランディーノ公爵とラエルシオ伯爵は宮殿の中を捜索するが、ラビニアとその恋人は見つからない。セレスティオは彼らに「石像がまばたきするのを見た」と告げる。公爵と伯爵は山を捜索するよう部下たちに命じる。

 

 山のふもとの村では、羊飼いのベラルドベリーサの結婚式が行われていた。そこへラビニアが現れ、村人たちに助けを求める。ベラルドの父ネモローソと、ベリーサの父カスタリオは、彼女を保護する。

 

 アラビアとフェニキアの戦争は7年続き、両軍は戦いを終わらせたいと望んでいた。ドリスタンは、かつて自分を侮辱したランディーノ公爵に意趣返しをするため、最後の攻撃を試みる。

 

 ラビニアと別れた後、ドリスタンは懸命に彼女を捜索したが発見することはできなかった。ドリスタンはラビニアが死んでしまったものと思い、今はフェリサルダという女性をそばに置いている。フェリサルダは男装し、兵士としてドリスタンに付き従っている。

 

 ラビニアはエリサと名を変え、山村で暮らしていた。彼女はドリスタンとの間の息子ラビドーロを産み、ひとりで育てていた。ネモローソは彼女との結婚を望むが、ラビニアはまず夫(ドリスタン)の生死を確かめなくてはならないと主張する。

 

 ドリスタンと戦って敗れたランディーノ公爵が、山村へ逃れてくる。ラビニアは自分の正体を隠して彼から話を聞く。

 

 公爵は「フェナモール王が亡くなり、後継者のラビニアが行方不明だったため、王の近親者である私が国を統治することになった。フェニキアのカストレオ王も亡くなり、ドリスタンが後を継いだ。私はドリスタンと戦ったが敗北してしまった」と話す。

 

 ラビニアは、かつて自分と婚約をした事実をドリスタンに認めさせようと考え、ベラルドに王宮へつれていってほしいと頼む。

 

 王宮はすでにドリスタンに占領されていたが、ドリスタンはアラビアの民に寛大な態度を示して感謝される。そこへラビニアがラビドーロを伴って彼の前に現れ、「王位を継承すべき女性は生きていて、あなたと結婚することが可能です」と告げる。ドリスタンはラビニアの顔を見ても、それがかつての恋人であることに気づかない。フェリサルダがドリスタンの現在の恋人であることを知ったラビニアはショックのあまり失神する。ドリスタンはフェリサルダを連れてその場を去る。

 

 意識を取り戻したラビニアはラビドーロに「あなたの父親はドリスタンです」と告げた後、絶望して首を吊ろうとする。しかし警吏が彼女を助け、牢につれて行く。

 

 古くからの法律によって罪人に恩赦が与えられる日がやってくる。ラビニアの罪状を吟味した役人は、彼女が「ひとりの王」と深い関係を持ったこと、その後羊飼いとして暮らしたこと、再会した王に別の恋人がいたことを知り、自分自身の人生を歩むと決めたことなどをドリスタンに語って聞かせる。

 

 ドリスタンは罪人がラビニアであることに気づき、彼女と息子を抱擁する。ドリスタンはフェリサルダを王宮から遠ざけることを決心するが、ラビニアはその必要はないと彼に告げる。

 

 ドリスタンはランディーノ公爵を許し、ネモローソにはラビニアとの結婚をあきらめてもらうかわりに6つの村を与える。ドリスタンとラビニアが結ばれ、ラビドーロとともに王宮へ行く場面で幕となる。