Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

周到な復讐(Discreta venganza, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1615-22年

種類:歴史劇

補足:13世紀半ば、アフォンソ3世時代のポルトガルが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 ポルトガルリスボンドニャ・アナ・デ・メネセスは二人の貴族から求婚されている。ひとりは彼女の従兄で国王アロンソ(アフォンソ3世)の友人でもあるドン・フアン・デ・メネセスであり、もうひとりは国王の相談役ドン・ヌーニョ・デ・タボラである。

 

 フアンとヌーニョはアナをめぐって激しく争っている。アナはいざこざを避けるため、本心ではフアンを愛していながらも、ヌーニョの気も損じないように注意している。

 

 国王アロンソは、兄のサンチョ(サンシュ2世)を退位させポルトガル国王の座についたが、妻であるボルゴーニャ(ブローニュ)伯夫人が彼よりかなり年上で高齢であるため、自分の子どもが望めないことに悩んでいた。側近のドン・バスコは、伯夫人がポルトガルにいないことを利用して、教皇に離婚を願い出ることを提案する。ヌーニョや彼の友人ドン・ラミロもその意見に賛成するが、ひとりフアンだけは反対する。

 

 アロンソは、王に逆らってでも道理を通そうとするフアンは信頼できる家臣であると判断する。アロンソは、「カスティーリャ国王アルフォンソ10世から、領土の割譲と引き換えに彼の娘のドニャ・ベアトリス・デ・グスマンとの政略結婚を提案されている」とフアンに告白し、「セビーリャにある王宮へ密使として赴き、この結婚の契約を結んできてほしい。うまくいったら、ベアトリスを変装させてリスボンまで連れてくるように」と命令する。

 

 フアンは、アナとしばらく離れることになると悟って悲しむ。国王が事情を尋ねると、フアンは「私がいない間にヌーニョがアナと結婚してしまうかもしれません」と話す。国王は、フアンが不在の間にアナが結婚しないよう取り計らうと約束する。

 

 フアンはただちにセビーリャへ出発する。フアンは従者のテーリョに、「毎晩、アナの家のまわりを見張っておけ」と命じる。

 

 ヌーニョはアナに高価な贈り物を次々に届けさせるが、アナはそれを見て気分を害する。アナはそれらが不要であることを示すために、フアンにすべて渡そうと考える。

 

 その夜、ヌーニョはひそかにアナの家の前へ行く。フアンがセビーリャへ行ったことを知らないアナは、ヌーニョをフアンだと思いこみ、ヌーニョに愛を告白しながら贈り物を渡す。その様子をテーリョ、国王が目撃する。国王と親しくなったテーリョが名を尋ねると、国王は「王宮へ来ればわかる」と告げる。

 

 フアンは任務を終え、セビーリャからリスボンへ帰ってくる。フアンはアナの家を訪れるが、アナはフアンが黙って旅に出てしまったことを非難する。フアンは自分の不在中の夜にアナが別の男と会っていたことを非難する。

 

 アナは、フアンだと思っていた相手がヌーニョだったことを知る。誤解が溶けた二人は仲直りをする。フアンは自分が国王の密使としてカスティーリャの王女ベアトリスをつれてきたことを話す。

 

 国王はベアトリスに自身の愛情と忠誠を誓う。ベアトリスはそれを受け入れる。国王は任務を遂行したフアンを高く評価するが、他の廷臣たちはフアンに嫉妬する。

 

 ヌーニョは国王に、アナとの結婚の許可を願い出る。国王はその決定権をフアンに委ねる。フアンはヌーニョに「結婚したいのならアナ本人の同意書を提出するように」と告げる。

 

 テーリョは、アナの家の前で出会った人物が国王であったことを知る。国王はテーリョをサン・ヘアン(San Gean)城の城代に任命する。

 

 教皇がボルゴーニャ伯夫人との離婚に同意しなかったため、国王は落胆する。

 

 ヌーニョはアナをあざむいて結婚同意書に署名させ、さらにラミロがベアトリスの付き添いのドニャ・イネスに「フアンがあなたに求婚している」と嘘を伝える。アナとフアンはそれがもとで言い争ってしまう。

 

 フアンに嫉妬する廷臣たちは王の前で「ブローニュ伯夫人が離婚に応じないのは彼のせいです」と告げる。国王はそれを信じてしまい、フアンを投獄する。

 

  アナは、テーリョとイネスの協力を得てフアンを脱出させる。

 

 フアンは、自分を陥れた廷臣たちへの復讐を考える。彼はテーリョに手紙を持たせて王宮の一室に隠れる。

 

 テーリョは手紙を国王に渡す。それはフランスへ逃亡したフアンが宮廷の裏切り者たちを告発するという内容だった。国王はフアンを投獄したことを後悔し、ヌーニョたちをフランスへ追放する。

 

 国王はフアンをフランスから呼び戻すようテーリョに命じる。すると隠れていた場所からフアンが出てくる。国王は喜ぶ。

 

 ボルゴーニャ伯夫人の死去が伝えられる。国王とベアトリスの結婚の障害がなくなり、アナとフアン、アナの侍女レオノールとテーリョが結ばれて幕となる。