Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

聖なるアフリカ人(Divino Africano, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1610年?

種類:宗教劇

補足:4-5世紀に生きた聖人アウグスティヌスの生涯を描く。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 カルタゴの学校で修辞学を教えているアウグスティヌスは、学生たちから尊敬されている。彼はマニ教を信仰している。

 

 息子のデオダートをつれて現れたアウグスティヌスは、学生たちの前で修辞学の講義を行う。講義が終わると、彼は『アエネイス』を読み、カルタゴの女王ディドがアエネアスに捨てられる場面で涙を流す。そこへ彼の妻アフリカーナがやってきて、アウグスティヌスが勉学と読書に時間を使いすぎていると苦言する。アウグスティヌスは、自分は妻と息子を心から大切に思っていると彼女に告げる。

 

 妻が去った後、彼の母親であるモニカがやってくる。敬虔なキリスト教徒であるモニカは、アウグスティヌスマニ教の教団に入ったことを嘆く。彼女は、夢の中でキリストらしき男性が「あなたのいるところに、あなたの息子も共にいるだろう」と告げたと話す。しかしアウグスティヌスは母が自分に都合のいい夢を見ただけだと言って相手にせず、去っていく。

 

 アウグスティヌスは、自分には非論理的としか思えないキリスト教を信仰するようにとモニカにしつこく諭されることに嫌気がさし、アフリカを去ろうと決意する。彼は友人のアリピオと妻に別れを告げ、デオダートとともに船に乗る。

 

 アウグスティヌスがアフリカを去ったことを知ったモニカは、彼の後を追う。

 

  アウグスティヌスミラノに到着する。ミラノ大司教アンブロシウスは喜んで彼を迎える。アウグスティヌスは、アリピオからモニカが彼を追ってきていることを知らされる。彼は息子のデオダートに、モニカの相手をさせる。

 

 アウグスティヌスがあまりにも理詰めで容赦がないため、ミラノの人々は彼に畏怖の念を抱く。しかし彼自身は信仰の問題に迷いを覚えていた。彼はモニカにキリスト教への改宗の意思を伝える。モニカは息子のために聖母に祈りを捧げる。

 

 「異端」が現れ、アウグスティヌスの改宗を阻止しようとするが、天使が現れて「異端」と対決する。天使は、神に救いを求めるアウグスティヌスに聖パウロの書簡を渡し、彼を信仰へと導く。「異端」は、アフリカーナに扮した「悪魔」を呼び出し、アウグスティヌスに過去の生活と悦びを思い出させようとする。しかしアウグスティヌスは「悪魔」の誘惑を退け、アンブロシウスから洗礼を受ける。「異端」は彼のもとを去る。

 

 アウグスティヌスは、モニカ、デオダート、アリピオとともにアフリカへ帰ろうとする。しかし出発の前にモニカは死に、彼女の魂は天に迎えられる。

 

 アフリカへ戻ったアウグスティヌスは、アウグスチノ修道会を創立し、ヒッポの司教となる。

 

 ある日、三位一体の神秘について海辺で考えを巡らしていたアウグスティヌスは、貝殻で海の水をすべて汲みだして他の場所へ移そうとしている子どもに会う。アウグスティヌスが子どもの行動を笑うと、子どもは「神の偉大さを人間の力で理解しようとするあなたの行動だって、これと同じです」と告げて姿を消す。

 

 アンブロシウスからアウグスティヌスに、デオダートの死去が伝えられる。

 

 アウグスティヌスのもとへ、悪魔に憑かれた女性がつれてこられる。アウグスティヌスはその女性から悪魔を追い出すが、悪魔は去る前に「スペインのゴート族がヒッポを包囲し、アウグスティヌスはそれを見て苦悩のために死ぬだろう」と予言する。

 

 国王ウルデリコに率いられたスペインのゴート族がヒッポに到着し、街を包囲する。アウグスティヌスは「愛する都市ヒッポが劫略されるのを見るに忍びない」と修道士たちに告げ、この世を去る。現れたウルデリコにアリピオはアウグスティヌスの死を告げる。ウルデリコは、「ヒッポに来た目的はアウグスティヌスに会うためだった」と説明する。

 

 人々の前に、栄光に包まれたアウグスティヌスの姿(絵に描かれるように、教会を手に持ち、「異端」と書物を足で踏みつけている)が現れる。ウルデリコの兵がヒッポから撤退して幕となる。