Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

称えられし服従、およびハンガリーのカルロス1世(Obediencia laureada y primer Carlos de Hungría, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1597-1606年

種類:架空の宮廷劇

補足:ハンガリー国王カーロイ1世の生涯とは異なるため、架空の宮廷劇と考えられる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

*人物名表記はスペイン語の読みにならう。

 

 ナポリの騎士テバーノの家でゲームに興じていたアレハンドロフィリポは、勝負をめぐって対立し、ナイフを持って争う。テバーノと若い騎士ドリステオが仲裁しようとするが、アレハンドロとフィリポは決闘の取り決めをしてしまう。

 

 アレハンドロは、父親のアウレリオから溺愛されている。アウレリオはアレハンドロが可愛いばかりに、長男のカルロスには勉学で身を立てさせ、娘のマルセーラは自分の選んだ相手と結婚させ、アレハンドロを自分の後継ぎにしようと考えている。

 

 ドリステオとマルセーラはひそかに愛し合っている。

 

 ボローニャで勉強をしていたカルロスが自宅へ戻ってくる。彼は父親から愛されていないことを嘆く。マルセーラに会おうとする若者たちが家の周りをうろついているのを見て彼は腹を立て、彼らを追い払う。

 

 アウレリオは、アレハンドロの代わりにフィリポと決闘しようとする。しかしそれを屈辱だと考えたアレハンドロは怒り、父親を突き倒す。フィリポは彼を非難し、アレハンドロは不機嫌になって立ち去る。

 

 カルロスは帰宅したアウレリオを迎え、敬意と愛情を示す。しかしアウレリオは家に戻ってきたカルロスを叱る。カルロスの従者グアリンは、そんなアウレリオの態度を責める。

 

 マルセーラはカルロスが自分の周囲を見張っていることを煩わしく思う。彼女はドリステオからの手紙を受け取るが、カルロスはそれを見つけて取り上げようとする。マルセーラは抵抗し、カルロスは彼女の顔を叩く。マルセーラは大声で父親を呼び、カルロスに暴力を振るわれたと訴える。

 

 アウレリオは街でカルロスを見つけると、衆人環視の中でカルロスを杖で殴打する。カルロスは黙って父の杖を拾い上げ、マルセーラを叩いた理由を父に説明する。しかしアウレリオはカルロスを家から追い出し、ナポリへ去るように言い渡す。

 

 カルロスは父の杖を持ってくるようグアリンに命じる。彼は兵士となってボヘミアハンガリーの戦争に参加しようと決心する。

 

 ボヘミアの王フィリベルトは、ハンガリー女王マリアに求婚したのであるが断られ、ハンガリーに攻め込もうとしていた。兵士となったカルロスは、川を泳いで渡って敵の都を偵察してくると王に申し出る。カルロスとグアリンは、杖と剣を持って川を渡る。

 

 川の反対側の庭園では、女王マリアが水浴をしていた。カルロスは庭園に忍び込み、女王の裸を見てしまう。女王は驚いて逃げるが、その際に靴下止めを落とす。カルロスはそれを拾う。

 

 女王は城壁の上からカルロスに声をかけ、彼が自分の裸を見たかどうかを尋ねる。カルロスは相手が女王だと気づかないまま、正直に見たと答え、靴下止めを女王に見せる。女王は靴下止めをカルロスから買い取ろうと考えるが、カルロスが応じないのを見て、彼を王宮に招待する。裸を見られた以上、カルロスを殺すか、もしくは自分の夫にしようと女王は考える。

 

 アレハンドロは賭博で金を失い、マルセーラの装身具を奪おうとする。アウレリオは彼をたしなめるが、アレハンドロは「あなたの若い頃の真似をしているだけです」と答え、父親をばかにして去る。

 

 カルロスはフィリベルト王のもとへ戻り、ある美しい女性の裸を目撃したこと、夜に彼女と会う約束をしたことを話す。フィリベルトはそれが女王であると察し、カルロスとともに都へ潜入することにする。

 

 アレハンドロはドリステオに、持参金なしでマルセーラと結婚するよう要求する。ドリステオは一日考えさせてほしいと答える。

 

 夜になり、カルロスは兵士に変装した王とともに再び女王に会いに行く。カルロスは女王と語り合い、王は女王の侍女ロセーラと語り合う。カルロスは女王に求愛しながら相手の正体を尋ね、女王は自分の身分を明かす。

 

 女王は「私の裸を見た以上、あなたは私の夫にならなくてはなりません」と告げる。カルロスは、「私はそれに値しない人間ですし、あなたを心から愛しているフィリベルト王に忠誠を誓っているので、それはできません」と断る。王が二人の間に割って入り、自分の身分を明かして女王に求婚する。しかし女王は拒絶する。

 

 ドリステオは、マルセーラとの結婚は経済力のない自分にとって不都合ではないかと迷う。マルセーラは立腹する。アレハンドロはドリステオがなかなか決断しないのを見て、彼を非難する。言い争いは激しくなり、アレハンドロはあやまってドリステオを殺してしまう。彼はアウレリオとマルセーラを連れて教会へ逃げ込む。

 

 カルロスは軍の司令官に任命される。カルロスは、父の杖を半分に切り取り、司令官の指揮杖にする。

 

 カルロスは、マリアが自分に送ってきた手紙を王に渡す。そこには「正式に王宮へ来てください。私の夫となりハンガリー王となって、ボヘミア軍と戦ってください」と書かれていた。しかし彼は王への忠誠を表明し、「私が女王の裸を見てしまったせいでこのようなことになり、陛下にご迷惑をかけてしまいました。この状況を解決するため、私を殺してください」と嘆願する。

 

 しかし王は、女王の招きに応じるようカルロスに命じ、「女王の前で、もう一度私を従者として呼び寄せてほしい」と頼む。

 

 カルロスが女王の元へ去った後、王の前にアレハンドロが引き出されてくる。アレハンドロは、カルロスが王に仕えていると聞きつけ、アウレリオとマルセーラとともに彼を探していたのだが、一人の兵士がマルセーラを強姦しようとしたため、その兵士を殺して捕らえられたのであった。事情を聞いた王はアレハンドロを解放する。王はマルセーラの美しさを見て強く惹かれ、彼女に求婚する。

 

 女王はカルロスをもてなし、祝宴を開く。カルロスは従者を呼びたいと告げ、グアリンを使いにやる。王はアウレリオ、アレハンドロ、マルセーラもつれて女王の元へ行く。

 

 ハンガリー王となったカルロスは、マリア、フィリベルト、家族らの前で自分の身に起きたことを語る。彼は父の元から持ってきた杖が司令官の指揮杖となり、さらに王の杖となったことを話し、それは服従によって得られた栄光だと告げる。カルロスとマリア、フィリベルトとマルセーラ、アレハンドロとロセーラが結ばれ、グアリンに褒美が与えられて幕となる。