Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

忠実な従者(Leal criado, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1594年

種類:文学の要素を持った劇

補足:フランスが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

  ミラノの騎士レオナルドは、評判の美女ラフィーナに会うために、従者のフリオをつれてパリへやってくる。

 

 セラフィーナの家の隣にはベラルダという女性が住んでいて、香水や織物を売る店を経営している。レオナルドは、セラフィーナに近づくためにベラルダの友人になる。

 

 セラフィーナには母親がなく、常に家の中に閉じ込められており、伯母のリベリアに監視されている。セラフィーナの父親のガレリオは強欲な人物で、娘の養育をリベリアに任せきりにしている。

 

 レオナルドは、ベラルダの手引きによってうまくリベリアの監視をかわし、セラフィーナに近づくことに成功する。ベラルダにはアンドロニオという夫がいるが、フリオはそれにかまわずベラルダを口説く。

 

 ガレリオはセラフィーナに、結婚を望んでいるかどうかを尋ねる。セラフィーナは「結婚は望んでいません。華美な衣服よりも宗教書を望みます」と答える。ガレリオが大喜びしている様子を見て、セラフィーナは「自分が結婚しなければ持参金を持たせずにすむから父は喜んでいるのではないか」と疑う。

 

 アンドロニオは借金が原因で投獄される。ベラルダは、セラフィーナがレオナルドに惹かれていることに気づき、夫の不在を利用してレオナルドを自分の家にかくまう。

 

 そうと知らないリベリアはセラフィーナをつれてベラルダの店へ行き、自分が買い物をしている間にセラフィーナをベラルダの家の中に閉じ込めておく。セラフィーナはその隙にレオナルドと会い、両者は愛の言葉を交わす。リベリアとセラフィーナが帰った後、レオナルドはベラルダに感謝し、ベラルダはフリオとの密会を楽しむ。

 

  その後、セラフィーナは妊娠する。レオナルドは父が死んだという知らせを受けてミラノへ戻る。しかしそれは誤報であったため、レオナルドは急いでパリへ戻る。

 

 ガレリオは従者のウベルトから、セラフィーナの妊娠を知らされる。ガレリオは自分にとって不名誉な事実を隠すため、娘を殺そうと計画する。

 

 ガレリオはウベルトに「病気のいとこを見舞いに行くという口実でセラフィーナをおまえと一緒に送り出すから、ひそかにセラフィーナを殺してこい。強盗に襲われておまえだけが奇跡的に助かったということにしろ。報酬として私の財産をすべておまえに譲る」と告げる。

 

 ウベルトは承知したふりをして、セラフィーナとともに家から去る。彼はセラフィーナに真実を打ち明け、彼女を助ける計画を話す。善良な村人たちがいる前でウベルトはセラフィーナを襲うふりをして、わざと村人たちがセラフィーナを救い出すように仕向ける。ウベルトは逃走する。

 

 村人たちはセラフィーナを保護し、セラフィーナは村で男の子を出産する。

 

 ウベルトはセラフィーナが強盗に殺されたと騒ぎながら帰宅し、ガレリオは娘の死を嘆くふりをする。ミラノから戻ってきたレオナルドはセラフィーナの死を知らされて悲嘆するが、ウベルトは彼がセラフィーナの恋人だと気づいて彼に真実を教える。

 

 ウベルトの妻も出産を迎えていたため、ウベルトはレオナルドとセラフィーナに赤ん坊の交換を提案する。「セラフィーナ様は、私の子どもを田舎で育ててください。私たち夫婦は、あなた方のお子様をパリで育てます。ガレリオ様は私に全財産を譲ると約束したので、いずれはあなた方のお子様にその財産が相続されることになるでしょう」

 

 レオナルドとセラフィーナはウベルトの提案に賛成し、赤ん坊は交換される。

 

 7年が経過する。セラフィーナは村の老人フェリサルドとその娘ティレーナの家で暮らし、ウベルトの娘リサルダを育てていた。しかしフェリサルドはセラフィーナの元へたびたびレオナルドが会いに来るのは、年頃の娘であるティレーナにとって好ましくないと考え、二人を追い出してしまう。

 

 セラフィーナはリサルダを連れて、物乞いをしながらパリへ向かう。

 

 リベリアが亡くなり、家事をする人間がいなくなったのでガレリオは困窮する。ウベルトはひそかにセラフィーナをガレリオに雇わせようと計画し、「村に住んでいる子持ちの寡婦を一人知っていますが、彼女を家事手伝いとして雇いませんか」と彼に提案する。そこへ突然、セラフィーナが物乞いをしに現れる。ガレリオはそれが自分の娘だと気づかず、ウベルトが言っていた寡婦だと思いこむ。

 

 ウベルトはセラフィーナに気づき、驚いて彼女を連れ出す。「レオナルド様は今、ミラノへ行っています」と説明した後、ウベルトはセラフィーナに自分の計画を話す。

 

 彼らの会話は幼いリサルダに聞かれていた。無邪気なリサルダはその後ガレリオに遭遇し、彼に「あの女性はセラフィーナで、自分はウベルトの娘だ」と話してしまう。ガレリオはウベルトが自分をだましてセラフィーナとの間に子どもをつくったのだと思いこむ。彼は娘が生きていたことを喜ぶ気持ちを押し殺して、自身の名誉のためにウベルトとセラフィーナと孫息子を殺す決心をする。

 

 レオナルドとともにパリへ戻ってきたフリオは、アンドロニオが獄死したことを知る。

 

 ウベルトはレオナルドに会い、「ガレリオ様のところへ行き、家事手伝いの娘(セラフィーナ)と結婚したいと申し出なさい」と指示する。レオナルドがその通りにすると、ガレリオは「彼女は卑しい身分の女性で、あなたとは身分が違いすぎる」と反対する。レオナルドがそれでもセラフィーナとの結婚を望むと、ガレリオは『もしウベルトを殺してくれたら、彼女との結婚を許すだけでなく、財産もきみに譲ろう』と彼に告げる。

 

 レオナルドは、ガレリオがウベルトを殺そうとしているのは、彼が娘を手にかけたことを憎んでのことだろうと推測する。レオナルドからその話を聞いたウベルトは、二人の幸福のために自分の命を犠牲にしようと申し出る。しかしレオナルドはそれを拒み、ウベルトを殺したとガレリオに嘘の報告をする。

 

 ガレリオは証拠としてウベルトの首を要求する。レオナルドはガレリオを非難し、彼を告訴すると脅す。するとガレリオは、「私はウベルトとセラフィーナの密通を疑っている」と彼に話す。

 

 レオナルドはそれを聞き、自分もまたウベルトとセラフィーナにだまされていたのではないかと疑いの念を抱く。

 

 そこへ、従者たちとベラルダが登場し、ウベルトの潔白を証言する。レオナルドとガレリオの誤解が溶ける。セラフィーナは父に謝罪し、ガレリオは娘とレオナルドの結婚を許可する。忠実なウベルトへの褒賞として、リサルダとラフィーナの息子との縁談がまとまり、皆がガレリオの財産を相続できることになる。フリオとベラルダも結ばれて幕となる。