Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

ファビアの虚言(Embustes de Fabia, los)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1588-1596年

種類:宮廷劇の要素を持つ歴史劇

補足:ネロ帝時代のローマが舞台となる。

参照元

ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 古代のローマ。ファビアはローマの元老院議員カトゥーロの妻であるが、高齢の夫を嫌い、若い騎士ビテリオとひそかに愛を交わしている。ファビアの侍女カミーラとビテリオの従者ファブリシオも恋人同士である。

 

 カトゥーロは、ビテリオがファビアに宛てて書いた手紙を見つけ、ファビアが自分を殺そうと考えていることを知る。しかし、ファビアはしらを切り通す。カトゥーロは、不名誉は血を持って償わせると彼女に警告して去る。

 

 ファビアは、先手を打って夫を殺さねばならないと考える。カミーラは、いつもファビアにしつこく言い寄っているレリオという男を使って夫を殺せば、二人とも一度に厄介払いできるだろうと彼女に助言する。

 

 ファビアはレリオに「夫を殺してくれたらあなたと結婚する」と約束をする。レリオは彼女の言葉を信じ、カトゥーロを殺す計画を立てる。

 

 ファビアから計画を知らされたビテリオは、殺人を犯すことへの怖れを感じる。

 

 レリオは物陰に隠れてカトゥーロを殺そうとする。しかしその時、カトゥーロが従者の一人に「妻はある男を雇って私を殺し、ビテリオと結婚する計画を立てているらしい」と話しているのが耳に入る。自分がファビアに騙されていたことを知ったレリオは、カトゥーロにすべてを打ち明ける。カトゥーロはレリオに、金と引き換えにファビアを殺してほしいともちかける。

 

 カトゥーロとレリオは、従者を使ってファビアに「カトゥーロが殺された」という嘘の知らせを伝える。ファビアは悲しむふりをするが、すぐにビテリオを呼び寄せて結婚しようと提案する。だがビテリオは彼女に「他人を騙す人間は同じことを繰り返すだろう」と告げ、彼女の元から去る。

 

 ファビアはビテリオが去ったのを見て、あっさりとレリオに乗り換える決心をする。レリオが彼女を殺すつもりで現れた時、ファビアは優しい態度で彼を迎える。レリオは当惑し、彼女を殺すことをためらう。

 

 隠れて二人の様子を見ていたカトゥーロは嫉妬し、自分の中にまだ妻への愛情が残っていることに気づく。レリオがようやく剣を振り上げてファビアを殺そうとしたとき、カトゥーロは跳び出して彼を制止する。ファビアは驚いて逃げる。

 

 レリオは金を要求するが、カトゥーロは拒否する。レリオは怒り、いずれ報復すると脅して彼の元を去る。ファビアは身の危険を感じて家の中に閉じこもる。

 

 レリオは皇帝ネロに、カトゥーロが契約の金を支払ってくれないと訴える。ビテリオは新しい恋人ブリセーナを得るが、ファビアへの未練を断ち切れずに悩む。

 

 カトゥーロは「塔に入ってきたら私たちの息子を殺す」と脅すファビアを説得し、友人のマルコ・アティリオとその息子ベラリーソを送って彼女を連れ戻す。ベラリーソは美しいファビアを見て恋に落ちてしまう。

 

 カトゥーロはアティリオとベラリーソを招いて宴会を開く。ファビアはわざと奴隷に毒入りのワインを飲ませて殺し、女の奸計ほど用心すべきものはこの世にないと夫に説く。

 

 ネロ帝からカトゥーロに呼び出しがかかる。カトゥーロが去った後、ファビアはベラリーソを誘惑して関係を持つ。

 

 ネロはカトゥーロに、レリオへ支払うと約束した金を払うよう要求する。カトゥーロは抵抗したため投獄される。ネロは男たちを虜にするファビアの美貌に興味を持ち、彼女を奪おうと企む。

 

 ネロ帝にファビアを連れてくるよう命じられたビテリオは嫉妬する。彼は皇帝をあざむいてファビアの代わりにブリセーナを連れて行こうと企む。ブリセーナは怒って拒否するが、後で思い直し、ヴェールで顔を隠して独りで宮殿へ赴く。

 

 ビテリオはブリセーナに拒否されたので皇帝をあざむくのを諦め、レリオとともにファビアの元へ行って「カトゥーロの件で皇帝があなたに会いたがっている」と告げる。ファビアは怪しみながらも宮殿に赴く。

 

 ネロは最初に現れたブリセーナをファビアと思いこんで顔のヴェールを取るが、彼女が美しくないので失望する。その後、本物のファビアが現れる。ネロは彼女に欲望を覚え、夫のカトゥーロの前で彼女を奪おうとする。

 

 カトゥーロはネロをののしり、ローマ帝国の退廃を予言して指輪に仕込んだ毒をあおって自殺する。ファビアをそれを見て、同じように指輪に仕込んだ毒をあおる。倒れた彼女を見てネロは嘆きながら去る。

 

 ビテリオもまた、ファビアの死を嘆き悲しむ。それを見たブリセーナは彼の裏切りを非難しながらレリオとともに去る。

 

 ファビアが現れ、ネロをあざむくために自殺したふりをしたことをビテリオに告げる。ビテリオとファビアが和解して幕となる。