Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

トビトの物語(Historia de Tobías, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1606-1615年

種類:宗教劇

補足:カトリック教会における旧約聖書続編『トビト記』の内容に基づいている。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 舞台はアッシリアの都市ニネベ。老いたユダヤトビトは、アッシリアで捕囚の身となっている同族の貧しい人々に食べ物や衣類を提供している。

 

 アッシリアの王センナケリブは、エルサレムを征服しようと企む。彼はエルサレムの王ヒゼキヤに、ユダヤ人たちの神を侮辱する内容の手紙を送る。ヒゼキヤは神に庇護を求めて祈る。

 

 センナケリブエルサレムに攻め込もうとするが、(*声のみ)は炎の剣を持った天使を遣わしてアッシリア人たちを殺す。怯えたセンナケリブはニネベへ逃げ帰る。彼は負けた腹いせに、ニネベに囚われているユダヤ人たちを殺すよう命じる。

 

 トビトは、ユダヤ人たちの死体を埋葬する。それを知ったセンナケリブはトビトを殺すよう命じる。トビトは妻のハンナと息子のトビアをつれて洞穴に身を隠す。

 

 センナケリブの息子たちはユダヤ人に対する父の行いを見て怖れを抱き、父を殺す。

 

 ラゲスに住む村人バートは、彼が仕える主人の娘サラに恋をしている。彼はそのことを友人のホランに話す。しかしサラはフィソンという男性と結婚することになっている。

 

 神は、フィソンがサラに対してみだらな欲望しか抱いていないのを見て、悪魔アスモダイに彼を殺す許可を与える。

 

 ニネベに戻ったトビトはユダヤ人たちの墓を建てる。彼は疲れて眠ってしまう。ハンナとトビアがやってきて彼を起こそうとしたとき、ツバメの糞(*聖書では雀の糞)がトビトの両目の上に落ちて、トビトは失明する。ハンナは嘆くが、トビトはそれを神の意志によるものと考えて運命を受け入れる。

 

 牛に草を食べさせるため、数か月間山へ行っていたバートが村に戻ってくる。侍女のタマルは彼に「サラ様は6回結婚した。しかし、いつも結婚初夜に花婿は死んでしまった。おそらく邪悪な霊によるのだろう」と話す。バートは怯える。

 

 サラの父ラグエルは、バートをつれてサラの寝室へ行く。悪魔アスモダイはサラの7番目の夫も初夜に絞め殺してしまっていた。サラは嘆き、自分が無実であることと処女であることを父に訴える。

 

 盲目のトビトは、ハンナが子山羊を盗んだのではないかと疑い、彼女の罪を許してほしいと神に祈る。

 

 サラは、バートが侍女たちとばかり一緒にいると言って彼を叱り、男女にはそれぞれにふさわしい仕事があるのだと諭す。それを聞いたタマルはサラに腹を立て、彼女が7人の夫を殺したのだろうと責める。深く傷ついたサラは、神に助けを求める。

 

 トビトとサラの祈りを聞いた神は、二人を助けるために大天使ラファエルを地上に送る。

 

 トビトはトビアを呼び、ラゲスの地に預けてある10タラントンの金を受け取ってくるよう命じる。そこへ大天使ラファエルが通りかかる。ラファエルはトビアの道案内人として彼らに雇われる。

 

 バートは、サラに食べ物の入った籠を贈って求愛しようと考える。しかし亡霊のようなものが出現し、バートは籠を奪われてしまう。それは友人のホランの企みによるものであった。

 

 ラゲスへ向かう途中、チグリス川に入って足を冷やそうとしたトビアは大きな魚に襲われる。トビアはラファエルの指示に従い、魚を捕獲する。ラファエルは、魚の胆汁と内臓が薬として役立つことをトビアに教える。

 

 タマルはサラに、バートとの結婚の許可を求める。タマルと結婚など望んでいないバートは、それを聞いて仰天する。

 

 トビアとラファエルはラゲスの地に到着する。ラファエルはトビアをサラの家に連れて行き、サラがトビアの親類であることを教える。ラファエルはトビアにサラと結婚するよう勧め、その際には数日間祈りをささげながら魚の肝臓をあぶり、悪魔を追い払うよう忠告する。

 

 ラグエルとサラは、親類のトビアスを快く迎える。トビアはサラに求婚し、ラグエルは彼とサラとの結婚に希望を抱いてそれを承諾する。悪魔アスモダイはあらたな獲物が得られたと思って喜ぶ。失恋したバートはがっかりする。

 

 トビアとサラは結婚式を挙げ、その夜にトビアはラファエルの指示に従って魚の肝臓をあぶる。悪魔はトビアを殺そうとするが、ラファエルがそれを制止し、悪魔をエジプトへ追放して岩に鎖で縛りつける。

 

 翌日、トビアが生きていることを知ったサラの家族は喜ぶ。タマルは、自分に対するバートのつれない態度を責める。バートは、婚礼の料理の材料として連れてこられた牛に頭突きをされる。

 

 数日後、トビアはサラ、ラファエル、タマル、バートらとともにトビトの家へ帰る。トビアは両親にサラとの結婚を報告した後、魚の胆汁を使ってトビトの眼を治す。

 

 トビトとトビアは、彼らの財産の半分をラファエルに報酬として与えようとする。しかしラファエルは自分が天使であることを彼らに告白し、天へ飛び去って行く。

 

 バートがタマルに求婚し、タマルがそれを受け入れて幕となる。