Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

時こそ最高の教師(Mejor maestro, el tiempo, el)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1608-1614年

種類:架空の宮廷劇

補足:ヨーロッパが舞台となる。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 イベリア国王には、オトンエウフラシアという子どもがいるが、二人とも貪欲で傲慢な性格である。国王は頭を悩ませ、相談役のリディオと話し合う。

 

 王女のエウフラシアは、いとこのニシダに嫉妬して彼女を罵倒し、殴打する。ニシダの兄ロシムンドはエウフラシアの兄であるオトンに苦情を言うが、オトンは高慢な態度で接する。両者は対立し、短刀を持って戦う。

 

 国王はオトンとエウフラシアの態度を強く非難する。しかし二人はリディオが自分たちの陰口を言っているのだと非難し、父親に反発して立ち去る。

 

 さらに、オトンの従者のエンリケがロシムンドを負傷させたという知らせが入り、国王の怒りは増大する。王はオトンとエンリケを捕える。

 

 王は子どもたちを正しく教育する方法について考える。「正気を失った者(loco)」と呼ばれている従者のカミーロは、「教師を使ってお二人を矯正しようとしても、もはや手遅れです。時の流れに任せるのが一番でしょう。時こそは最高の教師ですから」と王に忠告する。

 

 ロシムンドの友人の騎士たちは、オトンが王位継承者にふさわしくない人物だと考え、彼を殺してロシムンドを王位につけようと計画する。ロシムンドはその計画に賛成する。

 

 ロシムンドに率いられた民衆は暴動を起こす。国王はオトンとエウフラシアをつれて王宮から逃亡する。

 

 その頃、アルベルト公国の宮廷では、アルベルト公爵の娘クラベーラが、従兄で婚約者のリカルドから送られたエンブレムの意味を解読しようとしていた。

 

 そこへ、国から逃れてきたイベリア国王とオトンとエウフラシアが、貧者たちに混じってみすぼらしい姿で現れる。アルベルト公爵の執事はいつものように貧者たちに施しをする。

 

 執事は、新参の物乞いたちから高貴な雰囲気を感じ取り、公爵に知らせる。公爵は国王に身の上を尋ねる。しかし国王は「私は借金のために国から逃れてきた商人です」と嘘を言う。

 

 国王に同情した公爵は、宮廷のそばにある城を住居として彼に与え、オトンをそこの庭園で働かせることにする。オトンは園丁のような職業に従事することを恥ずかしく思うが、国王はそれがオトンを教育するチャンスだと考える。

 

オトンは、ペドロと名を変えて園丁の仕事を始める。侍女のファビアから、ペドロ(オトン)は育ちのいい人間に違いないと聞かされたクラベーラは、ペドロ(オトン)に興味を持つ。また、クラベーラの兄アレハンドロは、イネスと名を変えているエウフラシアに恋をする。

 

 クラベーラに会ったペドロ(オトン)は、優美な態度で彼女の美貌を讃える。クラベーラは彼に好感を持つ。アレハンドロはイネス(エウフラシア)に求愛する。イネス(エウフラシア)は、「兄が、あなたの身分は私につりあわないと考えて反対するでしょう」と警告するが、アレハンドロは「それなら私があなたの兄上の友人になりましょう。さもなければ兄上をここから去らせるまでです」と答える。

 

 ペドロ(オトン)とイネス(エウフラシア)は、公爵の子どもたち(クラベーラとアレハンドロ)から自分たちが愛されていることを知るが、しかるべき時が来るまでそのことを秘密にしておこうと決心する。国王は国を追われた子どもたちの運命を嘆くが、オトンとエウフラシアは父を慰め、力づける。 

 

 ペドロ(オトン)がいるとイネス(エウフラシア)に会いづらくなると感じたアレハンドロは、従者のフルヘンシオの忠告を受けて、わざとペドロ(オトン)に大金を拾わせようと計画する。金を手に入れてしまえば、彼はおそらく園丁の仕事を放棄して去っていくに違いないと考えたのである。

 

 クラベーラはペドロ(オトン)に、リカルドから送られたエンブレムの意味を解釈してほしいと頼む。ペドロ(オトン)は優れた知識を披露してそれに答える。クラベーラは彼が本当は身分の高い人物なのではないかと疑念を抱く。一方、ペドロ(オトン)はリカルドがクラベーラの婚約者だと知って嫉妬する。

 

 その後、ペドロ(オトン)はフルヘンシオがわざと置いておいた大金を発見する。

 

 アレハンドロはイネス(エウフラシア)に再び求愛する。イネス(エウフラシア)は彼に「私が農家の娘だとしても、あなたと同等の身分の女性として扱ってください」と要求する。アレハンドロは当惑する。

 

 ペドロ(オトン)は、発見した金で服と馬を買い、トゥリーンという名の従者を雇って宮廷へ向かう。

 

 国王は、農民たちから慕われ、司法官に選出される。

 

 オトンは騎士に変装して宮廷の馬上槍試合に参加する。クラベーラは見知らぬ騎士の活躍に興味を抱く。オトンはクラベーラとひそかに夜に会う約束をする。

 

 オトンはクラベーラとの逢引に備えて村へ戻る。一方、アレハンドロから再び求愛されたイネス(エウフラシア)は、兄に用心するよう彼に忠告する。

 

 クラベーラは庭園でペドロ(オトン)に会い、「ある騎士と会う約束をしているので、彼をつれてきてほしい」と頼む。ペドロ(オトン)は了承する。

 

 イベリア国では、ロシムンドの統治に不満を抱いた騎士たちが、オトンの帰還を待ち望むようになっていた。ロシムンドは国外へ逃亡する。

 

 オトンはトゥリーンの協力を得て、夜の庭園で謎の騎士としてクラベーラと会うことに成功する。しかしそこへ、エウフラシアを探しに来たアレハンドロが現れて混乱が生じる。さらに、騒ぎを聞きつけた公爵がやってくる。

 

 クラベーラは逢引をしていたことを隠すため、不審者が庭園に侵入したのだと公爵に説明する。司法官(国王)が不審者を捜索し、トゥリーンを捕える。

 

 公爵も不審者を捜索し、ペドロ(オトン)を捕える。ペドロ(オトン)は、ふざけて騎士に変装していたのだと弁明する。しかしアレハンドロは彼を司法官(国王)に引き渡す。

 

 トゥリーンはペドロ(オトン)を庇おうとしたために挙動不審に思われてしまう。公爵はペドロ(オトン)に正体を明かすように求める。

 

 そこへ、新たに捕らえられた不審者たちが入ってくる。彼らはイベリアからオトンを探しに来た騎士たちであった。彼らによって、司法官がイベリア国王であることが明らかになる。ペドロ(オトン)とイネス(エウフラシア)も自分たちが王子と王女であることを明かす。トゥリーンは主人の正体を知って驚く。

 

 国王は、オトンとクラベーラ、エウフラシアとアレハンドロとの結婚を許可する。「時という最高の教師」によって良い人間となったオトンとエウフラシアとともに、国王がイベリアへ帰還する場面で幕となる。