Las comedias de Lope de Vega

17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの未邦訳作品を翻訳しています。Traducciones (relativamente libres) de unas comedias de Lope ineditas en japonés. はじめての方はカテゴリー「このブログについて」からご覧ください。無断転載はお断りいたします。

破られた誓い(Fe rompida, la)

ロペへの帰属:確実

執筆年代:1599年

種類:架空の宮廷劇

補足:ギリシャの架空の王国アルカディアが舞台となる。男装の女性が登場する。

参照元ARTELOPE. Base de datos y Argumentos del teatro de Lope de Vega

 

 アルカディアの山中に住む裕福な農夫アウレリオには、ルシンダという美しくて勝気な娘がいる。ルシンダは槍を片手に山を駆け回り、狩りを好み、結婚や恋愛を軽蔑している。

 

 アルカディア国王フェリサルドが数名の家臣をつれて山へ狩りに行く。家臣たちは周囲に誰もいないのを見計らって、フェリサルドを暗殺しようとする。

 

 フェリサルドの危機を目撃したルシンダは、家臣たちを追い払う。ルシンダは負傷したフェリサルドを自宅へ連れて行き、父とともに介抱する。フェリサルドは自分の身分を隠し、「国王の秘書」と名乗る。

 

 フェリサルドは美しいルシンダに欲望を感じ、言葉巧みに彼女を口説く。ルシンダはフェリサルドに初めて恋をする。フェリサルドはルシンダに指輪を渡し、結婚の約束をする。

 

 家臣たちを使ってフェリサルドの暗殺を企んだのは、フロリベルト公爵であった。フェリサルドはフロリベルトの妹リサルダに恋しており、彼女の家の窓に昇ろうとしているところをフロリベルトに見つかったことがある。フロリベルトは妹の名誉が辱められたと感じているが、リサルダもフェリサルドに恋をしている。リサルダはフェリサルドが狩りから戻ってこないのは兄が何かを企んだからではないかと心配する。

 

 フェリサルドは気まぐれでルシンダの身体を弄んだ後、迎えに来た従者のセリオとともに王宮へ帰ってしまう。フェリサルドが去ったことを知ったルシンダは、男装して従者のラウリーノとともにフェリサルドを追う。

 

  フェリサルドはリサルダに会いに行き、両者は再会を喜び合う。男装したルシンダとラウリーノはリサルダの従者フィデーノに近づき、指輪(フェリサルドから贈られたもの)を買わないかともちかける。フィデーノは二人を気に入り、リサルダの家の従者として雇おうと考える。

 

 ルシンダとラウリーノは、バルコニーで語り合うフェリサルドとリサルダの姿を見て、フェリサルドが国王であったこと、リサルダと愛し合っていたことを知る。ルシンダはフェリサルドの裏切りを嘆く。

 

 アウレリオは家を出て行ったルシンダの身を案じ、農夫のアルベルトに頼んでルシンダの様子を見に行かせる。

 

 ルシンダはルシンドと名乗り、リサルダの家で従者として働き始める。リサルダはフィデーノを通じてルシンド(ルシンダ)の指輪を買い取るが、その指輪はもともとリサルダがフェリサルドに贈ったものだった。不審に思ったリサルダはルシンド(ルシンダ)を問い詰める。ルシンド(ルシンダ)は「国王陛下は山で道に迷った時、宿を提供してくれた農家の娘に宿代としてそれを渡したのです」と説明する。

 

 リサルダは、フェリサルドと密会する計画についてルシンド(ルシンダ)に話す。ルシンド(ルシンダ)は「男の嘘にだまされないように」と忠告する。

 

 フロリベルトは、フェリサルドがリサルダと密会しに来たときに殺そうと再び計画する。それを知ったルシンド(ルシンダ)はラウリーノ、アルベルトとともにフェリサルドを守る決心をする。

 

 夜、フェリサルドと密会したリサルダは「あなたに贈った指輪を見せて下さい」と頼む。困ったフェリサルドは指輪を持っていないことを白状する。リサルダは彼に指輪を返す。「なぜこれを持っているのか」というフェリサルドの問いに、リサルダは「あなたを家に泊めた娘の兄が、これを売りに来たのです」と答える。フェリサルドはルシンダの行動に不安を覚え、「明日、その男を私のところへよこしてほしい」とリサルダに頼む。

 

 そこへフロリベルトとその仲間たちが現れ、フェリサルドを襲撃する。隠れていたルシンド(ルシンダ)はフェリサルドを守って戦う。フェリサルドはその場から逃げる。一味の一人オランテオはルシンド(ルシンダ)に捕らえられ、「私はリサルダに恋しているので、彼女と結婚させてもらう約束でフロリベルトの計画に加わった」と白状する。ルシンド(ルシンダ)は彼を逃がす。

 

 バルコニーから見ていたリサルダにはルシンド(ルシンダ)の顔が見えなかった。勇敢な騎士を賞賛するリサルダに向かって、ルシンド(ルシンダ)は「あなたの恋人は結婚の誓いを守るとは限らない。彼は以前もその誓いを破った」と警告する。

 

 そこへフェリサルドが戻ってきて。顔を布で隠しているルシンド(ルシンダ)に感謝し、指輪を贈ろうとする。ルシンド(ルシンダ)は指輪を「破られた誓いの証」と呼び、フェリサルドを非難する。

 

 フェリサルドは、ルシンド(ルシンダ)が自分を他の誰かと間違えているのだろうと考え、自分が王であることを明かす。彼はルシンド(ルシンダ)が恋している相手は誰かと尋ねる。ルシンド(ルシンダ)は、それはリサルダだと答え、「それを証明するために、彼女の家に入ってみせましょう」と告げる。

 

 ルシンド(ルシンダ)はリサルダの家へ入る。彼(彼女)は従者だと思われているため、誰にもとがめられることはない。しかしそれを知らないフェリサルドは激しく嫉妬し、自分もリサルダの家に入っていく。フェリサルドは謎の騎士の姿を見失うが、従者のルシンド(ルシンダ)がルシンダの兄だと名乗ったため、翌日王宮へ来るようにと彼に告げて去る。

 

 仲間の自白により、フロリベルトが国王暗殺の首謀者であったことが判明する。フロリベルトは捕らえられる。

 

 ルシンド(ルシンダ)が王宮へやってくる。「妹のルシンダをどうするつもりか」と問われたフェリサルドは「彼女を辱めたのは私の秘書だから、秘書と結婚させる」と答える。ルシンド(ルシンダ)は立腹し、「彼女は二度もあなたの命を救ったのに」と告げる。フェリサルドは「リサルダを愛している」と弁解するが、ルシンド(ルシンダ)は彼に正体を明かし、約束を守らないなら民衆を率いて暴動を起こすと宣言して去る。

 

 リサルダは、兄の計画に加担していないことをフェリサルドに誓い、兄のために命乞いをする。フェリサルドは彼女の涙にほだされて、フロリベルトを許す。フロリベルトはフェリサルドへの忠誠を誓う。しかしその直後、ルシンダが民衆を率いて暴動をおこし、王宮へ向かっているという知らせが入る。

 

 フェリサルドは海から敵を攻撃しようと船団を指揮するが、船団は海に沈み、彼は命からがら海岸へたどり着く。彼は自分の過去の行いを悔やみ、この災難は自分がルシンダへの誓いを破った罰なのだろうと考える。セリオは「彼女に屈服して、謙虚さと愛を示す以外の方法はありません」と彼を諭す。

 

 フェリサルドは難破で生き残った兵士と名乗ってルシンダの前に進み出ると、「国王は死にました」と告げる。ルシンダはフェリサルドの前で数々の恨みを述べた後、まだ彼を愛していることを告白する。フェリサルドはルシンダに正体を明かし、彼女への愛を告げて抱擁してほしいと頼む。

 

 アウレリオから、「フェリサルドが死んだと思ったフロリベルトが、フェリサルドの妹ニカンドラと結婚して王位につこうとしている」という知らせが届く。ルシンダは兵士をフェリサルドに提供して、フロリベルトと戦うよう促す。

 

 フェリサルドが死んだと思ったリサルダは、やむなくオランテオとの結婚を受け入れる。フロリベルトはニカンドラと結婚して新しい王となるが、フェリサルドとルシンダに率いられた軍によって敗北させられる。

 

 フェリサルドは義弟となったフロリベルトを許し、自身はルシンダと結婚する。アウレリオは執政官に任命され、兵士たちには褒美が与えられる。フェリサルドとルシンダの愛の宣言のうちに幕となる。